参院内閣委員会は19日、政府のインテリジェンス(情報活動)機能を強化する「国家情報会議」設置法案を巡り参考人質疑を行い、日本共産党の大門実紀史議員は「内閣情報調査室」(内調)の「国家情報局」への格上げで、各省庁が個々に収集した情報が集約され目的外使用される危険などを追及しました。
同法案は、「国家情報局」に「国家情報会議」の事務局として情報活動の総合調整機能を持たせ、各省庁が収集した個人情報を同会議に集約します。
大門氏は、同法案によって各行政機関が収集した個人情報を本人の承諾なく集約できるようになる危険があり、「『国家情報局』がほぼ制限なしに個人情報を使う危険性がある」と指摘。参考人の海渡(かいど)雄一弁護士は「おっしゃる通りだ」と応じ、同法案第7条は「各行政機関の情報をかなり強制的に取得できる根拠になっている」と解説しました。
海渡氏は、同7条や、一定の条件で個人情報の目的外使用を認めている個人情報保護法第69条が使われることで「各省庁が集めた個人情報が『国家情報局』に集中する可能性がある」と述べ、「どういう情報を取得してはならないのか、どういう活動をしてはならないのかを法案の中に書き込んでほしい。そうでないと暴走を避けられない」と警鐘を鳴らしました。
大門氏は、情報活動に対する第三者機関設置や国会による監視の重要性について質問。海渡氏は、どのような情報を集めていいのか、ならないのかの明確な規範が守られているかを判断できる独立機関の設置など「制度を組み合わせ、情報機関が人権侵害を引き起こさないようにする複合的な監視システムが求められている」と指摘しました。
※国家情報会議法案
(第7条)
内閣官房長官及び関係行政機関の長は、会議に対し、会議の調査審 議に資する資料又は情報を適時に提供するとともに、議長の求めに 応じて、資料又は情報の提供及び説明その他必要な協力を行わなけ ればならないこととする。
個人情報保護法69条
二、行政機関等が法令の定める所掌事務又は業務の遂行に必要な限度で保有個人情報を内部で利用する場合であって、当該保有個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。
三、他の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体の機関又は地方独立行政法人に保有個人情報を提供する場合において、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。
四、前三号に掲げる場合のほか、専ら統計の作成又は学術研究の目的のために保有個人情報を提供するとき、本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき、その他保有個人情報を提供することについて特別の理由があるとき。
2015年に安保法制も、数を力に強引に成立させました。その時点に比べ議員数で圧倒する今、危険な状況です。
