魔術師は自分の家の前に座り込んでいて、ちょこっとだけ不思議な技を見せてくれました。
ウサギはその不思議な術の虜になってしまいました。
魔術師は毎日同じ時間にちょこっとだけ、術を見せてくれました。
ウサギは、毎日毎日飽きずに見ていました。
“ウサギに会いたくなったらその時間のその場所へ行けば会える”
と、みんなに言われるくらい、毎日毎日通いました。
ある日、
ウサギは覚えたい不思議な技を目の当たりにします。
意を決して、魔術師に教えを請う事にしました。
魔術師は笑顔でその技を教えてくれました。
ウサギは必死で覚えて体得しました。
そしてまた、毎日毎日魔術師の元へ通い、
毎日毎日ちょこっとだけ不思議な技を見せて貰いました。
数年が経ったある日、
魔術師は物凄く不思議な技をウサギに見せてくれました。
ウサギは思わず、
“その技も教えて欲しい!”
と、魔術師にお願いしました。
魔術師は少しだけ困った顔になり…、
その後、以前よりも、もっともっと素敵な笑顔で答えました。
“もちろん良いとも!”
ウサギが笑顔になりそうになったその瞬間、
魔術師はこう続けました。
“ただし、君には魂を譲って貰うよ、どうするかい?”
ウサギはびっくりして…、
その場から走り去りました。
あくる日、ウサギはすごく悩んでいました。
“魂を売ってでもあの技を教えて貰いたい…”
と。
更に次の日、
ウサギは決心して魔術師の元を訪ねる事にしました。
魂を売る覚悟で、いつもの場所に行ってみると…
魔術師は居なくなっていました。
魔術師がいた場所は廃墟と化していました。
もう何十年も前から誰も存在していなかったかの様に…
今まで何度もいろんな事から平気な顔で逃げ出してきたウサギですが、
この時だけは魔術師の前から逃げ出したことを後悔しました。
毎回日曜日に必ず見てくれてる方、有難う御座います。(*´人`*)