海岸沿いをあてもなくテクテク歩いていたウサギは、とある魔術師に出会います…



魔術師は自分の家の前に座り込んでいて、ちょこっとだけ不思議な技を見せてくれました。

ウサギはその不思議な術の虜になってしまいました。



魔術師は毎日同じ時間にちょこっとだけ、術を見せてくれました。



ウサギは、毎日毎日飽きずに見ていました。

“ウサギに会いたくなったらその時間のその場所へ行けば会える”

と、みんなに言われるくらい、毎日毎日通いました。





ある日、

ウサギは覚えたい不思議な技を目の当たりにします。



意を決して、魔術師に教えを請う事にしました。

魔術師は笑顔でその技を教えてくれました。



ウサギは必死で覚えて体得しました。



そしてまた、毎日毎日魔術師の元へ通い、

毎日毎日ちょこっとだけ不思議な技を見せて貰いました。



数年が経ったある日、

魔術師は物凄く不思議な技をウサギに見せてくれました。



ウサギは思わず、

“その技も教えて欲しい!”

と、魔術師にお願いしました。


魔術師は少しだけ困った顔になり…、


その後、以前よりも、もっともっと素敵な笑顔で答えました。

“もちろん良いとも!”



ウサギが笑顔になりそうになったその瞬間、

魔術師はこう続けました。

“ただし、君には魂を譲って貰うよ、どうするかい?”





ウサギはびっくりして…、







その場から走り去りました。



あくる日、ウサギはすごく悩んでいました。

“魂を売ってでもあの技を教えて貰いたい…”

と。



更に次の日、

ウサギは決心して魔術師の元を訪ねる事にしました。





魂を売る覚悟で、いつもの場所に行ってみると…






魔術師は居なくなっていました。


魔術師がいた場所は廃墟と化していました。

もう何十年も前から誰も存在していなかったかの様に…




今まで何度もいろんな事から平気な顔で逃げ出してきたウサギですが、

この時だけは魔術師の前から逃げ出したことを後悔しました。




毎回日曜日に必ず見てくれてる方、有難う御座います。(*´人`*)

怪我の治ったウサギはこんどこそ海を目指します!。


初めて見る大量の水!。 ̄(✨∀✨) ̄


当然飲みますが、

しょっぱい。/(+ω+;)\ブベーッ…




ずっと向こうにとび魚が翔んでいました。

楽しそうに翔んでいました。


ウサギは仲間に入れて貰おうと泳いで近付きます。


もちろんウサギは飛べません。


いいな~…と眺めていると、横に居た小さなワニが、

“いいなー…”

と呟きます。


ウサギは、子ワニの夢を叶えたくなって

“飛んでみる?投げてあげようか?”

と言ってしまいます。


“いいの?”

子ワニのつぶらな瞳が輝きます。



えいっ!

子ワニは恐らく一生出来なかったであろう空を飛ぶ経験に大声で笑いました。



…ふと気配に気付き、ウサギは後ろを見ました。


物凄い数の子魚やその他大勢の子供達が1列に並んでいます。


“もしかして…、今のやって欲しいの?”

ウサギが問うと、皆がキラキラした目で頷きます。


それからウサギはひたすら子供達を飛ばしました。


全員を飛ばしても、もう一度また並ぶエンドレス。

子供達は容赦が有りません。



夕日が沈む頃…

親魚や親ワニ達が子供達を迎えに来たところで、

やっとウサギは岸へ帰る事が出来ました。


やはり海とワニとウサギが揃うと、事件が起きる様です。


しかし、
ヘトヘトでしたがウサギは誇らしげな笑顔です。


子供達の笑顔がウサギを笑顔にしてくれました。



山頂から海が見えました。


ウサギは見たことがない真っ青なキラキラに心奪われました。


砂漠の事はスッカリ忘れ、海を目指します。
下山していると、綺麗なミヤマキリシマが

“また来てね”

と声を掛けてくれました。


鼻の下を伸ばしながら足元を見ずにミヤマキリシマに手を振るウサギ…









崖に気付かずに転落。


滑落じゃなくて、ただの余所見で転落。


20[m]以上を真っ逆さま。


さすがの強運のウサギでも怪我をしてしまいました。



偶然通りかかった天使が、

ウサギを見付けて近付いて来ました。


ウサギは気弱に聞きました。

“ああ、天使さん、あの世への御迎えですか?…”


天使は言います。

“馬鹿!こんな程度じゃ君は死なない!”


天使は怪我を治療してくれました。




ウサギは天使に感謝して、海へ旅立ちました。


天使は、ウサギって馬鹿だなぁ…と、微笑んで見送りました。