ウサギは、お酒に呑まれるタイプでした。


おごってくれる客にすすめられるままバンバン飲んで、毎日ヘロヘロでした。


一人のおごってくれる量は少なくても、一晩で合わせるとビン一本が空きます。


酔っ払うと…ついつい、
魔術師に習って必死で覚えた、“ちょこっとだけ不思議な技”を披露したくなります。


普段は良いのですが…、

マジック見せるのが好きな男性客が、

隣に居る女性客に必死で見せている最中に、

その女性客に“ウサギさんアレ見せて”って頼まれると、

サラッとその男性客より凄い事をしちゃうから…、

その男性客は面白くなくなり、それを見ていた店長さんはウサギを叱らざるをえなくなる悪循環…


しかし、

怒られているウサギを見ていたその男性客や他の客が大笑いするのを見て…、

ウサギは学びました。


自分は格好をつけたいのに、他人が失敗したり格好悪いものを見る方が、この国の人々は喜ぶのだ…と。


おとぎの国ではあまり見ない、“嫉妬”や“妬み”と言った感情を持つ種族でしたが、この国では沢山居ました。


逆にウサギは、そんな人々を見て、

“面白いなぁ”

…と、観察をすることにしました。