今日初めて内定先にいった。

30社以上受けて何一つひっかからなかった俺にとって、俺に内定をくれた会社は神様のように見えてしまって、今日会社の門をくぐるまでは高揚感に包まれていたのをよく覚えている。

 

考えてみればおかしな話である。今まで自分に内定をくれた企業は他になかった。それは企業に見る目がなかったわけでもなく、自分に魅力がなかったから。でもその企業だけは違った。

俺に「一緒に働きたい」と言ってくれるその企業にまんまと騙されたわけだ。

 

俺はいつだってそうで、目の前の甘い蜜や自分の欲望に忠実で、それ以外はなにも見えなくなってしまう。これは今までの人生で再三度失敗してきた。なのにそれは形を変えて何度も繰り返す。

きっとこれが俺の本質。

今回だってそうだった。「残り少ない大学生活」「残り少ないモラトリアム」という目先の焦りと欲望に身を任せて、よく考えもせず就職活動をやめてしまった。完全に俺の敗北。

 

俺は就職活動を始める時期は決して遅かったわけではないと思う。2月には合同説明会や1次面接に参加していたし、それなりに知識もつけて、相談もして就職活動に取り組んでいた。

なのに失敗した。

 

色んな人が「今からでもまだ間に合う」「今から自分に合う所を探そう」と言ってくれた。そういってくれるのはとても嬉しいし、そうするべきなのはわかっているが、どうしても自信が沸かない。

真剣に努力してここまで結果が振るわなかった人間にいまさら何ができるのだろうか、それをいつだって考えてしまう。

でもそれでも、時間は容赦なくやってくるし、自分で命を絶つほどの度胸のある人間にも育てなかった。

 

自分のできることを探して、俺らしい「泥臭さ」を大切に前を向いていくしかないと思う。

いつまでも後ろばかり向けない。