『内海さん、時間ある時で良いんでちょっと相談あるんでけどいいですか?』
というメッセージがFBのメッセンジャーに入ったの目にした。
もうとっくに就業時間は過ぎているから、急いで終わらせたいことがあったので後から返事をしようと思ったが、「相談」と言われると心理的に放っておけないものだ。
仕事を切り上げ電話してみると、メッセージをくれた吉田さん(仮名)が、やや元気なさそうな口調で切り出してくる。
『言葉は悪いんですが、生理的に受け付けないというか、どうしても無理な人とどうやってうまくやっていけばいいんですかね?』
という話。吉田さんとは業種はまったく違えど、やっぱりどんな悩みも人間関係にいきつくということは不変ですね。
職場にそういう相手がいて、自然とその人を嫌う態度が表にでてしまう。内心それは悪いことだと自分で認めつつも、どうしても普通に接することができないという。
吉田さんとしては態度にださずにうまくやっていきたいとう意思は確かにあるから相談してきたのだろう。自分は歩みよろうとしているのに、相手がその気持ちや行為を遠ざけるような言動をとるために、嫌な感情が沸いてしまい、うまくいかないのだという。
「わたしが頑張っても、むこうは全然それを分かってくれない!」と感じて感情的になるってこと。
状況は分からなくもない。そういうのは、僕も散々経験してきた。で、結局「無駄だ」と相手のせいにして、イライラしてしまう。そんなことをいい歳になってからも繰り返してくると、気づくこともあるもんです。
相手がどうとかじゃなくて、
■自分はどうするのが「良いこと」だと思っているのか?
これで完結する以外にないと思う。
自分が良いことだと思ってしていることに対して、相手もそれに応えるという見返りを求めるのは、ただの「交換条件」なんですよね。わたしはこうするのが良いと思うから、そうしている、そこで完結すべき。そんな話を吉田さんともしたわけです。おそらくこれが唯一の解決方法。
僕は以前にまったく意図していないことで、一方的な非難を受けて、カッとなったことがあったことがあったんだけどその時の体験から、そう思うようになった。
僕を感情むき出しで責めてくる相手の姿を見て、僕の主張が無意味であることを感じ、相手がそこまで取り乱すような気持ちになったという事実についてはちゃんと謝ろうと思ったんですね。
ところが相手は「そんな謝られたって、本当にそんなふうに思っているか分からない!」と返してくるわけです。まぁ感情的になっているんだろうから、それもしょうがないか、と何も言い返そうとせず、ただ謝るのみでした。
その翌日、僕はその相手に対して「○○さん、昨日はすみませんでした。○○さんの気持ちを分かってあげられなくて」と自分が感じたことを伝えた。
しかしまたしてもその相手は、僕の何が悪いのかを改めて細かに説明してくるだけだった。「なんで?こんなに謝ってるんだから、そっちもちょっとは大人になったら?」と思ってもいいところだったが、僕はまったくそんな気がしなかったんですね。
僕自身はその相手のことを人としては好きだったし、信用もしていたというのもあったせいかも知れないが、そんな相手をみて感じたのは・・・
苦しそうだな。
ただそう感じて、何も言えなかった。以前の僕だったらこの相手に対してかなりイラついていただろうに。
だってね、人を許さないどころか、翌日になっても謝っている相手に対して何が気にくわないのかをわざわざ説明するのって結構なエネルギーと勇気を使うことだと思いません?恋人同士のケンカじゃないです、職場ですよ。
だからなんだか、その相手は自分で自分のことを苦しめているように見えたんですね。「あぁ、僕もこうやって人に対してイライラしまくっていたことがあったなぁ」って、その時はじめてよく分かった。
どんな言い分があろうとも、僕が悪いってことは『相手にとっては事実』であり、それは相手の受け止め方で決まる。
「こんなに謝っているのに、なんなんだよ!」
と僕がそんな感情になったところで、何の意味もないし、苦しいだけ。そんなことをその出来事からより深く学んだ気がした。
■自分がこうした方が良いと思っているから。ただそれだけで完結すればいい。
■求めるから苦しくなる。相手には条件をつきつけない。
苦しさから抜け出すには、これが唯一の方法なのだと思う。そんな話を吉田さんともして、改めて思った。求めるってことは、自分から相手に振り回されにいっているようなものだな。
『いやいや、そんな達観したような考え方は現実的じゃないでしょ。感情ってもんがあるんだから。』
そんな声が聞こえてきそうだけど。
でも、人は、自分が急いでいる時に、自分より遅く動いている人が前にいるだけでイライラしたりするし、いつでも自分が一番普通なんだ。自分が重視していることを、同じように相手が重視してくれないと感情が害される勝手な生き物。
だから相手が悪いんじゃなくて、そう思いイライラする自分へ指を向けて考えてみる。どうだろう、これはキレイごとだろうか?現実的な解決方法だろうか?
現実的ってのは、
■正しいか間違っているかじゃやなくて、「うまくいくかどうか?」ってこと。
『人の気持ちって難しいなぁ』と思っていたことが嘘のようにシンプルなる。吉田さんとの話を思い出しながら、改めてそんな気がした。
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