作品を書いて応募して採用されると、それに対する感想がもれなくもらえるという特典に魅力を感じて、今月だけその作品執筆にチャレンジしてみよと思って少しブログをお休みしまたが、その作業途中で思い出した出来事を今日はこちらに書きたいと思います。
『いつ再開するんですか?』というお声をかけて下さったり、メッセージを下さった皆様、ありがとうございました。自分がやりたい、好きだというだけでは、このブログがここまで存続していないどころか、もっと前に面倒になって挫折していたかもと、改めて実感しました(^_^;)
~相手のためを思っていっているのに!~
『すみません、来月のイベントの件、こんな感じで進めようと思っているんですが、確認してもらってもいいですか?』
お客様と一緒に行うイベント企画を担当していた上田君(仮名)が、運営・内容に関する案をまとめて僕のところへ相談しにきた。
じっくり目を通してみて、僕自身は今のところ特に意見するようなところはなく、会場や必要な備品の手配に関することを確認して資料を返すと、上田くんが不安そうに聞いてきた。
『こんな感じで大丈夫ですかね?なんかもっと面白い工夫とかあればと思ってるんですけど』
もう一度資料を受け取ってじっくり目を通しながら2人で考えてみたが、僕としては良い内容に思えたので他の人にも意見を聞いいてみることを勧めてみた。
『そうだ、西本さん(仮名)に聞いてみたら、こういうイベントの企画運営の経験をかなりしてきているから、なんかアイディアあるかもよ』
そう言うと、『いや~・・・西本さんですかぁ。』といってさらに表情が曇る。
『西本さんに相談しても、どうせダメ出しばっかりで、私の意見なんて聞いてもらえないような気がして、相談しにくいんですよ。すみません、こんなこと言ってしまって。でも、他の人にもいろいろと意見は聞いてみようと思います。ありがとうございました。』
申し訳なさそうな感じでそう言った。
何ともキニナル答え。上田くんと西本さんの間で、お互いに譲れない何かがあるのかと思い、西本さんに上田くんが僕に言ったことを婉曲しつつ尋ねてみた。
『私はただ上田くんのためを思って自分の意見を言っているだけで、別に上田くんのことを否定したりしたり、私の考え方が正しいとか、そんなつもりでは言っているわけじゃないんですよ。』
と言う。これを聞いただけで何やらこれまでに意見の衝突のようなものを繰り返してきているのが想像できた。何回かそんなやりとりがあったのだろう。
しかし、そんなふうになってしまった経緯となる出来事以上に僕が気になったのが、西本さんの『上田くんのためを思って言った』という言葉。
『彼は西本さんがそんなふうに彼のことを考えて言ってくれているようには感じていなかったみたいだったなぁ。ただ何となく、西本さんには相談するのはちょっと勇気がいるような。そんな感じだったよ。』
『それは上田君がそう思っているなら仕方ないことですけど、私は本当に彼のためにと思って言ってあげてるのに、そんふうにしか受け取れないのも何だか残念ですよ。』
この言葉を聞いて何となく分かった。続けてでてきた『彼のためを思って』という言葉。
西本さんは、上田くんに比べて年齢も仕事の経験値も立場的にもはるかに先輩。僕個人の考え方としては、上田くんが苦手意識を感じることのないような受け入れる態度で接してほしいなと思い、西本さんに話しはじめた。
『上田くんのため、と言っていたけど、僕は今の西本さんの話や話し方を見聞きしていてそんなふうに考えているような感じがしなかったんですよ。もし本当にそう思っているなら、上田君が西本さんには相談しにくいなぁということを知って、余計に彼のことを心配してあげる気持になるもんじゃないかなぁと思ったからです。』
西本さんの表情は変化し、いやいやそれは違うよと顔に書いてあるのがあからさまに分かる。
『さっき、「私の考えが正しいとか、言っているつもりはない」って言ってたけど、彼のためを思ってと言っているという時点で、それはやっぱり「自分は正しいことを言っている」という気持がどこかにあったんじゃないかなぁ。』
西本さんが何かを言い返しそうに口を開きそうになる瞬間、僕は間髪いれずに聞いてみた。
『今、上田くんのためを思ってと言ってた時、どんな気持でそう言っていたか落ち着いて思い出してみませんか?』
一歩間違えれば気持を逆なで、口論になりかねない僕の質問だったが、何となく僕の言いたいことが伝わってくれているように西本さんが一点を見つめて沈黙しはじめた。
『僕は西本さんが「彼のためを思って言ってる」というのが嘘だなんて全然思っていませんよ。でも、それを言ってしまったら、その気持が彼に伝わっていないのも、西本さんの考えを彼が理解できなかったのも、全部上田君だけの責任になってしまう気がするんですよ。』
『もし、本当に上田くんに必要だと感じるようなことがあったら、それが上田くんにしっかり届くようにコミュニケーションをとって、彼が喜びそうなアドバイスをしてあげてほしいのですが、どうかお願いしてもいいですか?』
『それは全然別にいいですよ、分かりました』
やや無表情だったものの、そう答えてくれた。
古い話なので、会話の内容は多分もっと違ったかも知れないが、西本さんのその言葉を聞いて一気にカラダの力が抜けたことだけは今でもはっきり覚えている。
上田くん以上に僕の方が緊張していたというか、女性にこういう話をする時は本当に不安なものだ。これまでにも予想外の被害妄想や反論を受けてタジタジになった経験は何回もある。
西本さんはいつも誰よりも周囲を思いやる言動がしっかりと出来ていて、僕も見習うべきところが多々ある人だった。そのおかげで思い切って話ができたようなものだ。
『相手のためを思って言っている』
その言葉が出てくる時というのは、まずその時点で自分の伝えたいことことを相手が理解してくれていない状況であることは確実。
さらにその言葉が意味するところは『私の考え方は正しい』としているのと変わらない。それでは相手が自分の言っていることを受け止めてくれないのも不思議じゃない。私が正しい、あなたは違うと言われているようなものだ。間違っても面と向かって相手に言う言葉ではないなぁと思う。
『でも実際に、本当に相手が間違っていて、自分の言っていることが正しいこともあるのでは?』
であれば、なおさら『あなたのためを思って言っている』などと言ったり思ったりせずに、それが相手に伝わる努力を優先しなくてはいけないだろう。
何となく、ふと思い出した出来事を文章にしていて思わずドキっとした。こんなこと書いているけど、自分もこの言葉を無意識に思ってることが絶対にありそうだな。何となくそんな気がした。無意識だろうからすぐには思い出せないが、気をつけたいことだ。
ところで『相手のためを思って』と言っている人が、みんなそんなふうにコミュニケーションの工夫を怠っているのかというと、そうではない人ももちろんいる。
本当に相手のためを思って、心配しながら残念そう言ってくれる人だ。
そういう人は、いつも相手に対する自分の感情や思いを本人だけでなく周囲にも話しているものだ。
残念に感じたことや、不満に感じてしまったことだけではなくて、良いと感じたことや、嬉しく思ったことなどがあれば、本当に嬉しそうに周囲にも話す。
これはあくまで僕の主観なので、共感していただけるか分かりませんが、普段からそういう人だと知っている相手ならば、僕は何を言われても素直な気持で受け入れられる。
本当は言いたくない、言いにくいようなことでも、本当に相手のためになればと思い言ってくれているように感じるからだ。
『あなたのためを思って言っている』そんな言葉が出そうになったり、気持がわきおこった時には、そういう人のことを思い出しながら考えてみるくらいは何とか今の僕にもできそうな気がする。
そう言いたくなった時、僕はその相手に対して信頼されるようなコミュニケーションをとる努力をしているだろうかと。
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