Sさん、教えて下さってありがう
ございました。
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先日、上司がかしてくれた一冊。

ファーストリテイリングの柳井社長の
新著。
本の内容は、
『今の日本への警鐘』である。
今のまま国民の意識と行動が変わら
なければギリシャ危機は3年以内に日
本でも現実となる指摘している。
でも、
ギリシャ財政破綻のニュースを知っ
た時、僕はそれが日本で起こるかも
知れないなどと、これっぽっちも考
えなかった。正直他人事である。
日本にそんな財政破綻が起こるなど
全く想像も出来ない。何も知らない
くせに、根拠もないのに、日本はそ
こまで堕ちるような国ではないと、
どこかでそう考えているかも知れな
い。
確かに、
満期になった国債の元金返済のため
にさらなる国債の発行、その財源は
政府資産の売却もあるだろうが、増
税へと動いている点では変わらない
ことぐらいは分かっていてもだ。
それでも『へ~大変なんだなぁ』と
しか感じなかった。
心のどこかで日本は大丈夫だと思っ
ている。今の生活がずっと続くと
思っている。
でも、この本のプロローグで述べら
れている部分だけで、それが間違い
だということに十分に気づかされる。
例えば、
かつて日本の家電製品は圧倒的な
強さを誇っていた。しかし、大手の
数社が巨額の赤字に見舞われた
ニュースなどは記憶に新しい。
メイドイン・チャイナやコーリアな
んて聞くと、以前は「安かろう、悪
かろう」的な印象で、メイドイン・
ジャパンこそが安心・高品質と考え
られていた。
しかしサムスンやLGなどにあっと
いう間に逆転され、ハイセンスも日
本も日本市場を席巻し、日本製が一
番良いなんて思っているのは世界中
で日本人だけかも知れない。
経済や産業の発展は教育水準の
高さにも比例し、『頭のいい日本人』
という言葉ももはや死後だ。日本の
大学進学率も年々下がってきている。
ちょうど僕が購読している日経ニュ
ースにもこんなプレビューの記事が。
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先端技術が次々と韓国に吸い取ら
れていく・・・。サムスン電子やL
Gディスプレーが最近、日本の中小
企業にしきりに接触している(略)
日本の家電メーカーの凋落(ちょう
らく)で、売り先を失った中小企業
は差し出された手をつかむしかない。
技術流出は止まらないのか。
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僕は政治・経済についてなんかそ
れほど詳しいわけではないし、そん
な話をこの本を引用して述べたい
わけでもない。
ただ、危機感の欠落の怖さを感じ
ないわけにはいかない出来事を僕
自身は体験している、その時の衝
撃をこの本の前半で思い出した。
今から確か12~3年くらい前だ
ろうか。僕がTDKでお世話にな
っていたとき、ITバブル崩壊の
現状を目の当たりにすることにな
る。これは本当に強烈な出来事だ
った。
当時のTDKは主に携帯電話に使
われる電子部品の製造で好景気を
迎えていた。全世界に一気に携帯
電話が広まっていった時期。
ペーペーの僕は会社のことなんて
よ実はよく知らなかったが、ある
時、何かで国内の携帯電話製造
メーカーが、突然数十億円の業
績下方修正を発表したこと知る。
その話が気になり、なんとなく上
司をはじめ、部署のメンバーが
集まる場で、「うちも携帯関係が
メインだけど、大丈夫なんですか
?」という発言をしてみた。
今でもその場の空気が
『ぷ、お前何言ってんの?』
的になったのを覚えている。
そして、とある部署の課長が、笑
いながら僕にこう言った。
『うちは国内じゃなくて、世界が相
手だから全然心配ないから』
へ~、そうなのか。じゃ大丈夫な
なんだ。その課長の言葉を聞いて
僕も安心した。
・・・
・・・
・・・
それから一年も経たずに、ITバブ
ルは崩壊した。
携帯電話の普及は加速度的に増加、
世界中が在庫調整に入る。電子部
品工場の生産ラインはストップし、
やることが何もない会社へ出勤す
る日々。
呆然と設備の前につったている人。
床に座り込んで雑談ばかりをして
いる人。そうやって1日の大半を
過ごす。
大規模な早期希望退職が募られ、
残った社員も調整休暇といって、
公休以外に、休みを週に1~2回
くらいとらなくてはいけないこと
になり、もちろんその分給料も減
る。
大卒で入社した僕の当時の手取り
は確か8~9万くらいにまでにな
った。
真剣に生活が苦しくなり、当時通
っていた月会費たった3千5百円
のジムに通うすることすらも困難
だった。
それ以外にも、ちょっとここには
書けないような悲惨な状況が続く
ことになる。
この話自体は、先に書いた柳井氏
の指摘とは少し違うのですが、共
通しているのは、当時の某課長が
僕に対して言ったように、誰もが
1年もたたないうちにそんな事態
が起こるなどと微塵も考えなかっ
たことだ。
『TDKは世界的な大企業だ』
僕もそう思っていたし、それは事
実だった。その時が来るまでは。
あんな状況が起こっても、それで
も僕の周りにはその考えから抜け
出せない人もいた。
『TDKはな、確かに社員は今大
変だけど、会社自体はもう5年く
らい今の状況が続いたって耐えら
れるくらい強い企業だよ』
麻痺していたとしか言いようがな
い。過去から抜け出せないでいる。
未だにメイドインジャパンの家電
が一番と思っている日本人と似て
いる。
柳井氏は本書で
『優秀な人間ほど、過去の思考パ
ターンに引きずられる傾向がる』
といっている。
それが将来の成功を見失わせる
要因になるから、成功は1日で捨
てさらなければいけないとも付け
加えている。
意外だった。
これだけ成功している人なんだか
ら、むしろ『成功パターン』を自
分の中に持っていてもおかしくな
いだろうと考えてしまう。
しかし本当にそういう型やこれま
での実績にとらわれるようではい
けないと考えている発言や行動も
確かにある。
今年3月にオープンしたユニクロ
銀座店。記者会見で『年間100
億の売り上げ』を宣言したが、実
は当初の予算はその半分程で組ま
れていたという。社員たちはどれ
ほど驚いただろうか・・・
今までのやり方では達成不可能
な目標を打ち立てることから始め
る。その宣言をしてから、方法論
を考えはじめたという。
実は似たような話を、僕はこのブ
ログでも紹介していた。
【ユニクロ社長の途方もない計画】
『いや、そんな言動が出来るのは
柳井さんだからだろ。次元が違い
すぎる話だよ』
おそらく多くの人がそう感じるん
ではないだろうか。
僕も、『やっぱ凄いよな~、こうい
う本読むと勇気がでるな~』とは
思いつつも同じこと感じていた。
別格だと。
でも、そうではないんです。
『何かに挑戦したら10回に9回は
失敗するのが当たり前』
そうはっきり言っているんですね。
失敗を恐れるな、とは良く聞く言葉
ですよね。頭では分かっていても
なかなか僕にはそれが出来ない。
でもこの本の中では、本当に見事
に失敗した事例も少しだけですが
触れられていて、その後に登場す
してくるその言葉は、今まで聞いた
『失敗を恐れるな』の中でも断トツ
で腹に落ちてくる。
この気持ちをどれだけ持ち続ける
ことが出来るかは分かりませんが、
今の僕にとってはタイムリーにヒッ
トしてくる部分だった。
この本の内容自体は、冒頭でご紹
介したように他国が急成長してい
る間に昼寝をしている日本への警
鐘といったところですが、それは
政治的な要因も大きいし、読んで
自分が何か変わる必要かあるのか?
という感じでピンとこないかと思
う。スケールが違うんですね。
でも、どうやって自分を変えてい
けばよいのか?それはまず目標設
定だなということだけは分かる
過去の傾向から妥当性のある目標
では変わらないということ。
『本当に出来るの?そんなこと?』
周囲にそう言われるくらいの目標
を立てて、やらざるを得ないよう
な宣言の仕方。
そこからの行動力が肝だが、柳井
氏の言う成長というのは、まずそ
こから始まっているように感じる。
現在、仕事で何かにチャレンジし
ている、あるいはしようという状
態の人にとっては、そういった部
分がかなりの刺激になるお奨めの
一冊です。
僕も、もう一回読み返してみよう。