今日は…
ちょっと…
ネガティブな内容かな?
イタリアでは計55日間に渡るロックダウンが行われました。
ロックダウンが始まった当初はウイルスへの恐怖と、自由を奪われた危機感で、多くの人がストレスを感じていたと思います。
それをかき消すかのように、テラスコンサートやフラッシュ モブ、虹の絵に"andrà tutto bene"(全てうまくいく)と書かれた子供たちの絵がイタリア中で見られました。
"andrà tutto bene"(全てうまくいく)というイタリアの間で合言葉になったフレーズ。
私も好きでした。
最初の頃は。
でも、途中、私自身"全てうまくいく"とは思えなくなってきました。
特に気持ちが沈んでいたわけではありません。
ただ、毎日、500人、600人、700人…900人以上の人がイタリア国内だけで亡くなっているという現実。
毎日何百人という人たちが亡くなり、彼らには家族も友達もいるという事実。
亡くなった人たちはもちろん、大切な人を失った人たちにとっては、既にその時点で
全てがうまくいっていない。
そう思えてきたからです。
命は助かったとしても、今回の騒ぎで職を失った、もしくは失うであろう自営業の人たち。
彼らにも"全てうまくいく"というのはただの理想論にしか聞こえなかったでしょう。
理想論が必要な時もあると思います。
今でもイタリアのマンションのテラスに見える、子供たちが描いた虹の絵と"andrà tutto bene"の文字は私の心をあたためてくれます。
ただ、理想論は時として、高みの見物になってしまうと感じたのは、やはり私の気持ちが沈んでいたという証なのでしょうか?
知り合いの医療関係者、軍隊関係者やその家族から聞く北イタリアの一部の現実。
その現実と向き合っている人たちに"すべてうまくいくよ"とは私は言えないと思いました。
そして、問題は"今から"です。
ロックダウンが緩和されたイタリアですが、それはウイルス問題が収束したからではなく、経済の限界によるもの。
そして、ここ数日、散歩をしていても目に留まる、空きテナントの数。
「2ヶ月前まではお店、あったよね?」と目を疑いました。
北イタリアだけでなく、今度こそイタリア全体が直面するであろう、これまで以上の不景気という大問題。
自営業の人だけでなく、多くの従業員が現在"一時解雇"になっており、一定の期間給料を国が保証すると言われていますが、それもどこまでできるのか…。そもそもそのお金はどこから出てくるのでしょうか?待っているのは更なる増税?
これから直面するであろう問題が、一体どれ程のものであるか想像もつきません。
ただ、感じるのは、"今まで通りではないだろう"ということ。
一日も早く"日常"に戻って欲しいと思います。
でも、私が言う"日常"は、これからはもう"日常"ではなくなるのかもしれません。
全てうまくいかないかもしれない。
でも、"全て"うまくいかなくても、大切な人、そしてその人の幸せと健康をできる限り守っていきたいです。
こんなことを書きましたが、将来に不安はあっても、大きく悲観しているわけではありません。
世界がどう変わっても、与えられた環境でそれに順応し、できる限りのことをするだけ。
幸せや、喜びを感じる感情が失くなってしまうわけではありません。
ただ、色々な意味で変化の時なのかもしれません。
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