生徒(以下S)「何で英語なんて勉強しなくちゃならないの?僕、一生英語使わなくていいよ」

僕(以下T)「英語は使うじゃん、これから必要だよ?ゲームだって最近のFPSだったら、海外の人とやるから英語でチャット必要でしょ?これからのゲームはどんどんそうなるよ?」

S「じゃあ微分積分とかいらないじゃん。絶対必要ないよ」

T「いるよ。世の中意外と微分積分が必要なんだよ。君が気付いてないだけ。例えばこの家建てるのだって、強度の計算とかは微分積分の概念が必要なんだよ」

S「いや、だって家建てないから」

T「そうじゃなくて、他にも色々な所で役に立ってるんだって。微分積分が分かってないと理解できない概念って多いから。勉強してないからその効能に気付いてないだけ。」

S「いや、そうは言ってもやっぱり微分積分はいらない」

T「じゃあさ、その微分積分の勉強をする代わりにその時間で何したいの?」

S………

T「ゲームするか、寝るか、ネットするかでしょ?」

S………

T「それは微分積分より役に立つの?」

S………いや、それは分からないけど………でもとりあえず楽しいじゃん」

T「まあね」

S「役に立つか分からないことに必死になるくらいなら、楽しい方がいいじゃん」

T「それは一理あるけど。じゃあさ、君にとって『役に立つ』って何なの?」

S「楽しかったり、お金になったり……要するに実際に使えるってことかな」

T「よし、じゃあ英語とか微分積分が、何でゲームより役に立つか教えてあげるよ」

S「???」

T「君がこれから高校卒業まで必死で勉強して東大とか国立医学部とか早慶とか、とにかく『いい』大学に入ったとするだろ。そうしたら勉強しなくて、大学行かなかったり、いわゆる『簡単な』大学行くよりも、1億円生涯収入が増える。つまり1億円貰える。これ以上人生に役に立つことって他にそうそうないよ。」

S1億円?」

T「正確な数字は知らないけどね。医学部ならもっとでしょ」

S………

T「君に夢がなくたって、英語話せなくてよくたって、勉強しなくちゃいけない。だって1億円貰えるんだよ?本当はお金のために勉強するんじゃないけどね。でも勉強の本当の意味は君が自分で感じるしかない。でも君が『勉強が具体的な役に立つのか?』って言うのであれば、『1億円貰えるから』って答えられるってこと。たしかに道で出会った外国人に道案内できるかどうかなんて、どうでもいいよ。でも1億円はどうでもよくないでしょ。こんなに具体的に勉強は役に立つんだよ」

S「そ、そ、そんなにお金なくてもいいよ。ネットさえ繋がってれば」

T「言うと思った。そんなにお金なくてもいいって。たしかに清貧は美しいかもしれないよ。でも君の親は、君を私立の一貫校に入れて、塾に通わせて、家庭教師付けて、iPhone買って、プレステも買って、こざっぱりした服を買ってくれる」

S「確かにゲームとか買ってくれなかったら困る」

T「もし君が勉強しないせいで十分に稼げなかったら、君は子供にしてあげられることは確実に減る。ゲームもスマホも無理かもしれない。お金ないからiPhoneなしって言われたら、君は生きていけないだろ?女の子が生まれたとして、可愛い○○っていう服着たいって言っても、買ってあげられない。もちろん子供にゲームも高い服もいらないかもしれないし、してあげられることはお金だけじゃないけど、お金でしかしてあげられないことはあるんだよ。たとえば子供が難病にかかっても、最高の治療をしてあげられないかもしれないんだよ?留学したいって言われてもさせてあげられない。そもそも収入が低ければ結婚ができないかもしれない。もちろん勉強以外で稼げるならいいけどね」

S「ユーチューバーになって稼ぐから

T「別にそれはそれでいいよ。僕はユーチューバーを馬鹿にしてるわけじゃない。でもユーチューバーで生活していくためにはものすごい努力が必要だよ。勉強よりずっと大変なはず。運も必要だし。それにユーチューバーは日本だったらトップ10人くらいしか食べていけないだろ?12千万人のうちの10人だよ。そのトップだって将来どうなるか分からない。それはスポーツ選手だって同じ。でも勉強なら、その学年で1万位くらいで十分。東大だって毎年3000人取るんだから。大したことない。12千万人の中の3000人じゃないよ?最近は一学年で大体120万人くらいだから、120万人中の3000番だ。医学部、東大京大、早慶なんて合わせたら3万人くらいになるんじゃないかな。そこに入ればいいんだ。ただそれだけで1億円貰えるんだよ」

S「お金のためってことね。確かに役には立つけど

T「だから違うって。何か具体的に役に立つかっていうんなら、勉強ほど具体的に役に立つものはないって話。本当の意味は別にあるんだよ。でもそれはいっぱいありすぎる。それに自分で感じるしかないものだから」

S「全然感じられないんだけど」

T「感じてるんだよ、本当は。例えば君さ、『今の知識とか記憶を保ったまま幼稚園に戻りたい』って言ってたじゃん」

S「そりゃそうでしょ、ヒーローじゃん」

T「知識とかいらないって本当に思ってるなら、それもリセットしていいんじゃない?本当は勉強が大切で、できたらカッコいいって分かってるんじゃん」

S「まあそうかもしれないけどしっくりこない」

T「君さ、分数の計算出来ない小さい子を見てどう思う?」

S「いや、特に

T「『分数なんて人生にいらないから、やらなくていいよ』って言える?」

S「さすがに言わないかな」

T「それと同じだよ。確かに買い物には分数出てこないけど、分数は大切だろ?それはある程度数学やってきたなら誰にでも分かる。それが分からないのはやってないやつだけ。微分積分もそうなんだよ。どんな勉強もそう。大人だって別に君を苦しめたくて勉強させてるわけじゃない。これまでに何億、何十億人っていう大人が『やってよかった』って思う教科を、子供にやらせてるんだから。やったら必要って分かる。やらないと分からない。君だって自分がやった勉強が必要だって分かってるから、幼稚園に転生するときに知識を維持したいんだろ?」

S「うーん、、まあ完璧っていうわけじゃないけど分かった。時間ももったいないし、勉強の続きに戻りましょう」


『なぜ勉強するのか』については、様々な意見があり、僕の意見はかなり偏っているとは思いますが、実際に多くの子供と接し、子供の考え方や反応を予期した上での対応を紹介しました。