ハンターの冒険死 「涙の訳は?-2-」
「私が泣いている理由は」
会場がざわつく。
普段はアリュが手を離すか離さないかで幼稚な戦争をするだけだが
今回は違った。
ハンターの中にはアリュを泣かせてしまった、というキモチと。
好きに泣いてろ!俺は関係ないぞ、というキモチが渦巻いている。
最終的に前者が勝ったのは、まぁ余談である。
「言わなくていいよ。聞いたら後悔しそう。アリュが僕の事を心配に思っている理由を今、聞いたらね」
ハンターの口から奇しくも「慰め」という言葉が並び始める。
それでも泣き止まないアリュ。
あぁー、もう。俺はバカだな。
内心はそう思いながらもハンターはアリュを大木の影に連れ出した。
「ホント、ごめん。何したら許してくれるかな?」
反則だが相手も反則なのでお相子である。
「私が思っていることをあててくれたら」
難しい。
ただただ。ひたすら。無限に。
難しい。
「ヒント」
ハンターがギブアップし両手を降参のポーズにする。
アリュが軽くあごをあげ、身長で勝っているハンターの顔に向ける。
そして、目を閉じた。
あぁー......