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第三話 「ついに......」
「パソコンの技術を用いた大会に出場します」
え、俺が言おうとしな事とだいぶ違うような......
「これは大きなチャンスです。伝統を重んじるあまり新分野への挑戦という切符が殆どない我が校にとって二度とないチャンスと申し上げたいのです」
國賀大学長、新藤イリア。接点はまだ短いがいきなり何か大きなことを起こすのが好きらしい。
「しかし......」学生の一人が意見を述べようと手を上げるが一瞬でイリアに阻止される。
「決定事項です。皆さんが能力を競い合える大会に出場することは國賀にとっても非常に大切な事ですから」
極上の笑みでイリアが学生を説得しようと立ち上がり振り返る。
「不参加を表明される方は直ちにご退場願います」
凍てついた空気を解凍しようと聡志が聞く。
「大会って具体的には何......ですか?」敬語は苦手なんだよ。
「仮想世界を題材にしたゲームを作成し大会委員に提出してもらいます」
会場がまた大きく騒めく。
「仮想世界、VR......現実困難なはずじゃ」
「大企業も共同で開発しているけどね」
「こんな旧式大学に何ができるのだか?」
失笑まじりの雰囲気に講義室が包まれる。
「できますか?」
イリアが振り返り聡志を見つめる。
「可能です」
聡志がハッキリと答える。
これには自信があった。
自分の義父はある大企業の顧問や社長を務める人間である。
中にはVR研究に取り組んでいる会社もある。
「それは、良かった。今日からよろしくお願いしますね。聡志教授」
えぇー!最初から教授?
「なんたってこの学校にパソコンや、それらに関係するような学部はありませんから」
サラッと恐ろしい事を言った......
旧式とかじゃないだろ
全く何もないじゃねぇーか!
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登場人物
新藤イリア:しんどう・いりあ
國賀大学の学長、教授、学生を務める謎の女
ストレートに物事をいい
かなり天然がかった所もある