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第二話 「ニート脱出なるか???」

 

 「スキって何ですか?」

 

はい?

 

「......」こちらを覗きこんでいる真摯な瞳。どうやら本気らしい。

 

「え、えーとですねぇ。スキとは.......スイマセン、分かりません。ゴメンナサイ」

 

何、謝ってるんだろう。俺.......

 

「ちゃんと、答えて下さい」

 

「本当に分からないんですよ」

 

学長。しかもこんなに若い女に、こんな近くから問いかけられたのは何年ぶりだろう。

 

「言わないと通しません」

 

どうやら講義室には、この質問に答えない限り入れてくれないようだ。

 

「人をスキになるとは......大好きになることです!」言って気がついた、矛盾してない?

 

相手は笑っている。

 

あー、ミスった。今日でこの職場はお去らばかな。

 

「そんな答えをもらったのは初めてです」微笑みながら学長が呟く。

 

「私の名前は新藤イリアです(しんどう・いりあ)、学長でも良いですけど、イリアって呼んで下さい」

 

えぇ~、最初から名前呼び?俺はいいけど.......

 

「さぁ、講義室に入りましょう」学長...いや、イリアが扉を開ける。

 

「ワオ!」

 

奇声をあげてスイマセン。でも、本当に驚いた。

 

「第一回の授業ですよね」

 

「はい、そうですよ。皆さま、あなたのパソコン講義を聞きたくてここに来たんだと思いますよ」

 

絶対に違う。目当てはイリアだと、誰もが気づくが本人は天然ボケか、気づかない。

 

講壇に聡志があがると一斉に注目が集まる。

 

聡志は決してイケメンではないが、笑っている時は颯爽とした雰囲気があり。かっこいい。

が......

緊張で固まっている聡志も、またおもしろい。

 

「えぇー、えっと。はい」俺、マイクテストしてんのかよ!

 

「ワタシのナマエはゴドウです」外人かよ!日本語すら喋れなくなったか!

 

会場が騒めく。勿論、聡志のせいではない。

イリアが最前列に座り、授業を聞くき満々でパソコンの電源を入れたからである。

 

「みたところ、皆様。パソコンは十分に使えるとお見受けします」

 

それぞれのノートパソコンが馴染んでいる。

 

「そこで......」聡志も何か言おうとしたがイリアに先を越された。

 

「そこで、パソコンの技術を用いた大会に出場します」

 

会場が更に騒めく。

 

ニコニコ、しているイリアを見ながら聡志は不思議な感覚にかられた。

 

なんか、働くのも悪くないかもしれない。