辞める教師 | ほたるいかの書きつけ

辞める教師

 昨年度、新任教員約2万2千人のうち、1.4%が1年のうちに辞めたという。

 新人教員300人ということよりも(70人に1人の割合で辞めてるんだから、十分多いとは思うが)、その1/3が「病気」、それも精神疾患を中心にした病気というから、異常と言わざるを得ない。

 詳細がわからないので言い過ぎにならないよう注意する必要はあるが、やはり、新人教員を含め、教員集団が分断化され、個々の教員の負担が心理的にも急増していることが背景にあるのだろう。その昔は、校内教師集団が集団として機能していて、新人教師は先輩教師がみんなで現場で育てていくという雰囲気が全国にあったと聞くが、いまは1年目でイキナリ担任をさせられたり、先輩教師も指導する暇がなく全部一人で1からやらないといけなかったり、そんな中でストレスがどんどんたまって…というのは容易に想像できる。

 これで自分が担任のクラスが荒れでもしたら、そりゃ「水伝」にも走るよなあ…とか思ってしまう。

『朝日』 より。
新人教員300人、教壇去る 5年で2.7倍、07年度

2008年10月18日8時35分


 採用されて教壇に立ったものの、1年のうちに学校を去った新人教員が301人に及ぶことが17日、文部科学省の07年度の調査でわかった。5年前の2.7倍に増えており、うち3人に1人が精神疾患を中心にした「病気」を理由にしていた。文科省は「教育現場を取り巻く環境が厳しくなっているのが一つの要因」としている。

 教員は最初は「条件付きの採用期間」で、1年後に正式に採用される。07年度の調査では、全採用者2万1734人のうち1.4%の計301人が依願退職などで1年のうちに学校を去った。5年前は111人(0.6%)で増加ぶりが目立つ。原因をみると「病気」という人が103人で、5年前の10人から10倍以上に急増。このほか、自己都合、理由不明などを合わせた「その他」が178人いた。

 文科省によると、病気で辞めた人の多くがストレスから来る神経症やうつなどの精神疾患だという。1年目から担任を持って対応しきれず追いつめられたケースや、親や社会のニーズが複雑化している中でうまく適応できないケースがあるという。

 一方、子どもたちと適切な関係が築けないなどとして都道府県や指定市の教育委員会から「指導が不適切」と認定された07年度の教員の数は371人。認定されると教壇を離れて研修を受けねばならないが、こちらはピークだった04年度(566人)から減少傾向にある。ただし、文科省は実際の人数が減ったとはみておらず「先手を打って市町村教委や学校が独自の研修などをすることが多くなった」と分析している。(上野創)

 教師を増やさずして改革だのなんだのやってりゃ、現場の負担は増えるばかり。それとも「精神力」が足りないとでもいうんですかね?


 教師に余裕がなければ影響は子どもにも出てくるよね。結局、政府はその程度の教育しかやろうとしていないということなんだな。人を人としてみていない。モノ扱いというのがこういうところにも表れるのだと思う。