血液型と性格についての補足 | ほたるいかの書きつけ

血液型と性格についての補足

こっちの掲示板 での議論、うかうかしてたらコメント数300で終了してしまったので、書けなかった事をここに書いておきます。

こちらの方の発言に対してのレスです(この人とはちょっと議論が成り立って嬉しい)。
その前の私の発言については、また改めてエントリを起こしたいと思います。

298.名無しさんLcz_8JJXv09R
>>295
どれも個人的な見解を述べてるだけだから、血液型性格判断の類いと何ら変わらんと思うが?

科学的証明というからには、一般外界から遮断された、いわゆる純粋培養的な子供を対象としなければ判断は出来ないだろう。

既に大人になっていたり、親や他者の影響が性格に大きく関与してしまった後では、血液型と性格の科学的証明は出来ないと思うがね。

如何かな?

まず、研究者コミュニティでは、自分の主張は互いの厳しい批判にさらされます。そこで生き残った主張だけが、(少なくともその時点では)正しい、と看做されます。ここでは、「本当は正しかったんだが周囲に理解されず不遇の時期があった主張」はごくごく例外ですので無視します。
 つまり、私が掲げたものは、基本的にはコミュニティによって「間違ってはいなさそう」と認められたと思って構いません。
 ところが、血液型性格判断を主張する人々は、彼らの根拠を論文にしません。一般向けの本で出すだけです。これは能見親子も同じです。プロの研究者は、仕方がないので彼らの本を批判します。しかし、肯定派は、ほぼ「我関せず」で自分の主張を垂れ流します。つまり、他者による検証が進まないまま、世の中に広められているのです。この違いはとても大きい。

 次に、検証の方法について。
 これは、何を主張したいかに依ります。いま問題になっているのは、現実社会に生きている我々に対して、血液型と性格に相関があるか、ということです。ですので、ここで示されている結果は、周囲から影響を受けて育った我々には、血液型と性格に相関が(ほぼ)ない、ということです。
 もちろん、これは「よくよく調べてみたら、ごく弱い相関があった」ということを否定しません。もしかしたらあるかもしれません。しかし、それは、あったとしても、よく調べないとわからないような関係で、日常生活で「使える」ようなものではありません。
 「純粋培養」はもちろん人道的に許されるものではないので、そんな実験はできません(おっしゃりたいことはわかります)。ただ、仮に「純粋培養」された人々には血液型と性格に相関が見られたとしても、それは通常の社会での育ち方をすれば、簡単に消されてしまうような相関でしかない、ということが、いままでの研究からは言うことが可能です。

 なお、いずれにしても、統計学的な研究です。これも科学的研究のひとつですね(言うまでもありませんが)。
 これとは別に、血液型物質が生物学的にどのような影響を及ぼしうるかというメカニズムの研究はもちろんありえます。ありえますが、既に統計学的に「強い相関はない」ということになってしまった以上、メカニズムが発見されたとしても、それはごく弱い相関しかもたらさないものであろう、ということは予言できます。入口と出口がおさえられてしまったので、その通り道がどのようになってても、別の出口には行けないと言うことですね。

ここをお読みになられているといいのですが…。