「○○イオンに効果があるとは言えない」ということ
またまた例のYahooの掲示板「マイナスイオン監視室」
に長文を投稿してしまった。「長すぎ」と怒られたので二つに分けました。まとめてここに掲載しておきます。No.1483
, No.1484
です。やっぱりループになっているので、ssfs2007さん(SSFSさん)には「おなかいっぱい」とか「つまらなすぎ」とか言う前に、多少長くても、ちゃんと読んで欲しいんですけどねえ。
でもまあ「○○イオンの効果がある」と現状では言えないという事はお認めになられたようで。そんな状況で「○○イオン」で物を売るのがどれだけ無責任か、ってことに思いを馳せてもらえればいいんですが…。
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> 松下はニュースリリースと技報と特許で用語や説明をわざわざ変えたりして一貫性がありません。しかし、技術的な説明をまったくしないメーカーがたくさんあるなかでは、技報は一定レベルの解説にはなっていると思います。そうした技報やらその他のネットコンテンツやらをたくさん集めて、だんだんと理解を深めていけばいいわけで、即断する必要はまったくありません。
ええ、「○○イオンに効果がある」と即断する必要はまったくありません。その通りです。
> >なので、科学的な立場に立つならば、「マイナスイオン」「ナノイーイオン」の効果であるとは言えない、という結論になるのです。
>
> その結論はまずいです。「効果であるとは言えるかどうかは現時点では分からない」がニュートラルな表現。
そうではありません。それはニュートラルではありません。以前もコメントしたように、帰無仮説は「効果がない」にしなければなりません。帰無仮説は、一つでも効果があれば否定できます。ですから、ニュートラルは「効果があるとは言えない」です。No.1330, 1332 の私のコメントをもう一度、どうかお読み下さい。
> ただし、非常に数多くのユーザーから非イオン系ドライヤーよりイオン系、マイナスイオンよりナノイオンというコメントが出ているので、それは勘案すべきでしょう。
先日触れた「技報」で言えば、古い手持ちのドライヤーよりは新しいドライヤーが良い、新しいドライヤーでマイナスイオンのオン・オフの違いは誤差の範囲、ということになります。なので、定量的に示されたデータの範囲で言えば、現時点での暫定的な結論は、(1)確かに新しいドライヤーは良さそうであるが、(2)それが「○○イオン」の影響であるとは言えない、というものです。ついでに言えば、「○○イオン」の影響は、劇的なものではない、ということも示していますね、あの「技報」は。
なおこれも以前触れたことですが、使用感と言えどもなんらかの形でのブラインドテストは必要です。なんで「利き酒」をするのか、考えてみてください。
> >そして、効果の根拠を断定できないにも関わらず、「○○イオンの効果だ」と断定して販売するメーカーを、マーケティングだからと言って許容していいんですか?と話はつながるわけですね。
>
> 先に家電公取協の仕事を取り上げましたが、まず誰かがマーケティングの落ち度を指摘する必要があるでしょう。イオンの効果ではないことを fsm_fireflysquidさんが例証できますか? 私がkikulog以来ずっと言っていることはそれですよ。イオンの効果という宣伝が気に入らないなら、文句ばかり言っていないで、何か説得材料を見つけなきゃ。
上で述べたように、誰かが述べた「○○イオンの効果である」という結論に対し、「それは本当か?」と考えるのが批判的思考というものです。なぜなら「効果はない」というのが帰無仮説であり、それが何かを主張しようとする場合の標準的なやり方だからです。「○○イオン」の効果であることが立証されていないのに、「これは○○イオンの効果だ」と言って売るのは無責任でしょう?気に入る気に入らないの話じゃなくて、確定していないものを確定したかのように言うのが無責任だ、と言っているのです。「マイナスイオン」では人は死なないだろうから薬事法にも引っかからないですが、話としては薬と同じですよ。「○○イオン」を宣伝文句に何かを売ろうとするなら、ちゃんと効果を証明してからじゃなきゃ。
何度も言いますが、説得するのは売るほうですよ。無責任な言動で商売するのは、少なくとも道義的には問題あるでしょ?私が言っているのは、「メーカーは無責任なことをするな」ということです。「技報」で報告するのは責任を取ろうと言う姿勢が多少なりとも伺えるので評価はしたいところですが、物を売りながら効果について調べるってのは順番が逆じゃないですかね?
なお、ssfs2007さんが引用された私のコメントの前段を再掲します。「なので、科学的立場に立つならば~」の前の部分です。
> つまり、本来、「マイナスイオン」「ナノイーイオン」は重要である、という主張をすべき(あるいは実証すべき)メーカーが出している「技報」において *さえ*、「○○イオンの効果である」と断定できるほどのデータは出せていない、ということを意味しているのです。メーカーでさえ断定できないものを、第三者が「穴があるから」云々ということで無視はできないでしょう。ssfs2007さんが何を持って「穴」とおっしゃっているのかわかりませんが(指摘していただけると助かります)、「穴」も含めて根拠と言っていいかと思います。
どうか「おなかいっぱい」でも読んでください。どれもすでに書いたことです。とりあえず、「○○イオン」に効果がある、と断定はできない、という点で認識が一致できたのは議論が進展している証拠だとは思いますが…。
でもまあ「○○イオンの効果がある」と現状では言えないという事はお認めになられたようで。そんな状況で「○○イオン」で物を売るのがどれだけ無責任か、ってことに思いを馳せてもらえればいいんですが…。
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> 松下はニュースリリースと技報と特許で用語や説明をわざわざ変えたりして一貫性がありません。しかし、技術的な説明をまったくしないメーカーがたくさんあるなかでは、技報は一定レベルの解説にはなっていると思います。そうした技報やらその他のネットコンテンツやらをたくさん集めて、だんだんと理解を深めていけばいいわけで、即断する必要はまったくありません。
ええ、「○○イオンに効果がある」と即断する必要はまったくありません。その通りです。
> >なので、科学的な立場に立つならば、「マイナスイオン」「ナノイーイオン」の効果であるとは言えない、という結論になるのです。
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> その結論はまずいです。「効果であるとは言えるかどうかは現時点では分からない」がニュートラルな表現。
そうではありません。それはニュートラルではありません。以前もコメントしたように、帰無仮説は「効果がない」にしなければなりません。帰無仮説は、一つでも効果があれば否定できます。ですから、ニュートラルは「効果があるとは言えない」です。No.1330, 1332 の私のコメントをもう一度、どうかお読み下さい。
> ただし、非常に数多くのユーザーから非イオン系ドライヤーよりイオン系、マイナスイオンよりナノイオンというコメントが出ているので、それは勘案すべきでしょう。
先日触れた「技報」で言えば、古い手持ちのドライヤーよりは新しいドライヤーが良い、新しいドライヤーでマイナスイオンのオン・オフの違いは誤差の範囲、ということになります。なので、定量的に示されたデータの範囲で言えば、現時点での暫定的な結論は、(1)確かに新しいドライヤーは良さそうであるが、(2)それが「○○イオン」の影響であるとは言えない、というものです。ついでに言えば、「○○イオン」の影響は、劇的なものではない、ということも示していますね、あの「技報」は。
なおこれも以前触れたことですが、使用感と言えどもなんらかの形でのブラインドテストは必要です。なんで「利き酒」をするのか、考えてみてください。
> >そして、効果の根拠を断定できないにも関わらず、「○○イオンの効果だ」と断定して販売するメーカーを、マーケティングだからと言って許容していいんですか?と話はつながるわけですね。
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> 先に家電公取協の仕事を取り上げましたが、まず誰かがマーケティングの落ち度を指摘する必要があるでしょう。イオンの効果ではないことを fsm_fireflysquidさんが例証できますか? 私がkikulog以来ずっと言っていることはそれですよ。イオンの効果という宣伝が気に入らないなら、文句ばかり言っていないで、何か説得材料を見つけなきゃ。
上で述べたように、誰かが述べた「○○イオンの効果である」という結論に対し、「それは本当か?」と考えるのが批判的思考というものです。なぜなら「効果はない」というのが帰無仮説であり、それが何かを主張しようとする場合の標準的なやり方だからです。「○○イオン」の効果であることが立証されていないのに、「これは○○イオンの効果だ」と言って売るのは無責任でしょう?気に入る気に入らないの話じゃなくて、確定していないものを確定したかのように言うのが無責任だ、と言っているのです。「マイナスイオン」では人は死なないだろうから薬事法にも引っかからないですが、話としては薬と同じですよ。「○○イオン」を宣伝文句に何かを売ろうとするなら、ちゃんと効果を証明してからじゃなきゃ。
何度も言いますが、説得するのは売るほうですよ。無責任な言動で商売するのは、少なくとも道義的には問題あるでしょ?私が言っているのは、「メーカーは無責任なことをするな」ということです。「技報」で報告するのは責任を取ろうと言う姿勢が多少なりとも伺えるので評価はしたいところですが、物を売りながら効果について調べるってのは順番が逆じゃないですかね?
なお、ssfs2007さんが引用された私のコメントの前段を再掲します。「なので、科学的立場に立つならば~」の前の部分です。
> つまり、本来、「マイナスイオン」「ナノイーイオン」は重要である、という主張をすべき(あるいは実証すべき)メーカーが出している「技報」において *さえ*、「○○イオンの効果である」と断定できるほどのデータは出せていない、ということを意味しているのです。メーカーでさえ断定できないものを、第三者が「穴があるから」云々ということで無視はできないでしょう。ssfs2007さんが何を持って「穴」とおっしゃっているのかわかりませんが(指摘していただけると助かります)、「穴」も含めて根拠と言っていいかと思います。
どうか「おなかいっぱい」でも読んでください。どれもすでに書いたことです。とりあえず、「○○イオン」に効果がある、と断定はできない、という点で認識が一致できたのは議論が進展している証拠だとは思いますが…。