ムペンバ効果:過冷却?
なんかムペンバ効果について色々考えてしまったので、「ムペンバ効果」というテーマを新たに設けました。以前のエントリも、そちらに変更する予定。
さて、ムペンバ効果があるとした場合の話であるが、「ガリレオ工房」の滝川洋二さんの解説に引きずられて、とりあえずマクロ系の決定論的な解釈をいままで試みてきた。ただ、もちろん別の解釈もありうるのである。その一つが、過冷却によるものだ。
これは wikipedia の解説 にも簡単に触れられている。水は通常は0℃まで冷やされたら、そこで水は一旦温度低下が止まり、液体から固体への相転移が始まる。潜熱を解放して固体になったら、そこからまた冷却が始まる。ところが、固体になるためには、核となるものが必要だ。まあ通常は不純物がバリバリに含まれているので、そう簡単に過冷却になるとは思えない(が、実際のところどの程度のものかは私はよく知らない)。wikipediaの解説に基づけば、高温の水のほうが過冷却状態になりにくく、一方低温から冷やし始めると過冷却になりやすいので、過冷却状態から相転移を起こして固体になるまでの時間が長く、その間に高温の水が氷になってしまう、ということのようだ。
上で書いたように、通常は不純物が大量に含まれているし、容器(製氷皿など)の表面もでこぼこなので、過冷却状態がそう長く続くとは(私の)直感的には思えないのだが、果たしてどうだろうか。
この間見つけて画面上だけでざっと眺めた論文があるのだが(ざっと眺めて、そのうち時間があるとき読もうと放置^^;;)、どうも同じ論文を apj さんが紹介 してくれているようだ。
apj さんの解説によると、どの温度から冷却を開始しようが0℃まで達する時間は事実上短く、過冷却になってから氷になるまでの時間のほうが長い、またいつ相転移が起こるかは確率的で、えらい長い時間かかるやつもいる、なので、低温から冷やし始めたほうが氷になるまで時間のかかるやつがいてもおかしくない、ということのようだ。
また大阪市大の吉野さんによる解説(PDF) でも、そのような解釈が述べられている(「という説明が提案されている」という表現で)。
上記の論文はおそらくコレ で、このFIG.1を見ると、確かに過冷却に達してからえらい長時間がたって、確率的に氷に転移しているように見える。まあ apj さんの解説を読んだ上で、その図を見て言っているだけなのですが。ちゃんと論文読まないかんな。
そうだとすると、氷になるまでの時間は、最初に入れる水の温度とは事実上無関係、ということになり、ムペンバ効果が観察されることの説明にはなっても、確率的な事象ということで、私としてはイマイチ面白くない。まあ説明できるほうがいいのではあるけれど。
ただまあ論文ちゃんと読まないとわからないけど、不純物ありきの状態でもそんなに過冷却が続くものなんだろうか?つまり、日常生活でも、そんなに過冷却が長時間起きているものなんだろうか?そこが解決しないと、個人的にはどうもスッキリしないのだなあ。
さて、ムペンバ効果があるとした場合の話であるが、「ガリレオ工房」の滝川洋二さんの解説に引きずられて、とりあえずマクロ系の決定論的な解釈をいままで試みてきた。ただ、もちろん別の解釈もありうるのである。その一つが、過冷却によるものだ。
これは wikipedia の解説 にも簡単に触れられている。水は通常は0℃まで冷やされたら、そこで水は一旦温度低下が止まり、液体から固体への相転移が始まる。潜熱を解放して固体になったら、そこからまた冷却が始まる。ところが、固体になるためには、核となるものが必要だ。まあ通常は不純物がバリバリに含まれているので、そう簡単に過冷却になるとは思えない(が、実際のところどの程度のものかは私はよく知らない)。wikipediaの解説に基づけば、高温の水のほうが過冷却状態になりにくく、一方低温から冷やし始めると過冷却になりやすいので、過冷却状態から相転移を起こして固体になるまでの時間が長く、その間に高温の水が氷になってしまう、ということのようだ。
上で書いたように、通常は不純物が大量に含まれているし、容器(製氷皿など)の表面もでこぼこなので、過冷却状態がそう長く続くとは(私の)直感的には思えないのだが、果たしてどうだろうか。
この間見つけて画面上だけでざっと眺めた論文があるのだが(ざっと眺めて、そのうち時間があるとき読もうと放置^^;;)、どうも同じ論文を apj さんが紹介 してくれているようだ。
apj さんの解説によると、どの温度から冷却を開始しようが0℃まで達する時間は事実上短く、過冷却になってから氷になるまでの時間のほうが長い、またいつ相転移が起こるかは確率的で、えらい長い時間かかるやつもいる、なので、低温から冷やし始めたほうが氷になるまで時間のかかるやつがいてもおかしくない、ということのようだ。
また大阪市大の吉野さんによる解説(PDF) でも、そのような解釈が述べられている(「という説明が提案されている」という表現で)。
上記の論文はおそらくコレ で、このFIG.1を見ると、確かに過冷却に達してからえらい長時間がたって、確率的に氷に転移しているように見える。まあ apj さんの解説を読んだ上で、その図を見て言っているだけなのですが。ちゃんと論文読まないかんな。
そうだとすると、氷になるまでの時間は、最初に入れる水の温度とは事実上無関係、ということになり、ムペンバ効果が観察されることの説明にはなっても、確率的な事象ということで、私としてはイマイチ面白くない。まあ説明できるほうがいいのではあるけれど。
ただまあ論文ちゃんと読まないとわからないけど、不純物ありきの状態でもそんなに過冷却が続くものなんだろうか?つまり、日常生活でも、そんなに過冷却が長時間起きているものなんだろうか?そこが解決しないと、個人的にはどうもスッキリしないのだなあ。