Yahoo掲示板の使い勝手
Yahoo掲示板の「マイナスイオン監視室
」という知ってる人は知ってるトピがあるのだが、まあ以前あるエントリを書いたせいで、どうにもこうにも参入せざるを得なくなり、少し書き込んでいる。fsm_fireflysquidというIDである。このためにわざわざ取った。
で、さっき、投稿しようとしたのだが、最初に文字数オーバーで蹴られ、とりあえず前半のみにして投稿。次に後半を投稿しようとしたら、「このメッセージは既に投稿されているか、投稿制限により現在投稿できない状態です」みたいなメッセージが出て怒られ、投稿できなくなってしまった。
さらに短くしたりと色々試したのだが投稿できず、試しに一行だけのメッセージでやってみたらできちゃったので(これは削除した)、やっぱり文章が長すぎるのかなあ、と思って、どんどん短くしたりしてたのだが…。
ちょっと検索したら、どうも連投を規制しているようなので(スパム対策かな)、時間を置けばよかったらしい。時間がたったところに「テスト」なんつって投稿しちゃったもんだから、余計に時間がかかった。(涙)
というわけでもう1時半!明日も仕事。もう力尽きました。すいませんが他のメッセージへの返信は、また明日、ということで…(明日の晩、時間取れるかなあ…)。
くやしいので、投稿したメッセージをここにも転載しておきます。
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こんばんは。
> 従来のドライヤーにはなかった効果を何がもたらしたか。いまのところ、マイナスイオンの効果を否定する材料を持ち合わせていないので、とりあえずメーカー が言うようなマイナスイオン(おそらく広義には帯電微粒子水)の効果があるのだろうと考えています。放電による帯電微粒子水の放出は、物理的・化学的にみ ても興味深い現象です。
>
> 帯電微粒子水は関与しないという材料が出てくればさらに検証を進め、もしもマイナスイオンの効果が否定されるのであれば、思う存分ニセ科学扱いしてやるだ けの話です。これは過去にも書いていること。否定する材料も探していますが、なかなか見つかりません。どなたか見つけてみてください。
一消費者ということであればそれでいいのだと思います。「このドライヤー、性能いいなあ。マイナスイオンのおかげだって?ふうん」という反応が普通ですよね。
でも、「検証」ということになると、それでいいのでしょうか?やはりヌル仮説として(1)以前のドライヤーとの性能差はない、(2)(性能差があるとして)その性能差は「マイナスイオン」のせいではない、を設定し、議論を進めるのが通常の方法だと思います。
で、下の「技報」やあちこちで見られる「性能が良い」というクチコミ的報告から、私を含め多くの人は「定量的には、あるいは厳密にはともかく、どうやら仮 説(1)は棄却してもよいのではないか(つまり、ドライヤーの性能は良くなっている)」という意見に傾きつつあるのではと思います(少なくとも私はそうで す)。
問題は仮説(2)の方です。少なくとも私は、下に示してある技報からは、仮説(2)を棄却するに足るデータが出ているとは読み取れません でした。また、同じくそのデータから、仮説(2)を検証(あるいは棄却)するためには、もっと定量的な調査が必要であり、体験談で検証できる精度よりも もっと詳細な検証が必要だと考えています。
> ドライヤーは医薬品ではないので、ダブルブラインド評価は必要条件ではありません。他人が見ても髪質が変わったことが分かるときがありますから。いったん ニセ科学とみなしたものについて、高いハードルを課すのは不健全なニセ科学批判者のやり口です。ご注意ください。
医薬品でなければダブル ブラインド評価をする必要がないのはなぜでしょうか?「他人から見ても髪質が変わったことが分か」ったとしても、それがドライヤーのせいなのか、シャン プー・リンスを変えたからなのか、栄養状態が最近はいいのか、睡眠をしっかり取れているのか、など考慮すべき要因が多々あり、それらを一つ一つ排除してい かなければ本当の効果がなにによってもたらされたのかは分からないと思います。
「利き酒」なんてのもありますよね。これも一種のブラインドテストです。「味」は飲めばわかりますけど、プロでも様々な思い込みに左右され、このような評価方法を採らないと本当の味の違いはわからない、と言うことなんだと思います。
上で示した仮設(1)については、各種の体験談で大体おおまかには判定して良さそうな気がしますが、仮設(2)の検証となると、実験のデザインをきちんと考えた検査をしないとわからない、というのが、今のところの私の結論です。
> 技報はこれでしょうか?
> http://www.mew.co.jp/tecrepo/561j/pdfs/561_06.pdf
> 松下は有意な差と言い、yokoyamahotchillipeppersさん(主語はこれでいいでしょうか?)は誤差の範囲と言う。それについて、私は なんとも申せません。効果が実際にあるのに、それがメーカーの言うナノイーの効果ではない、とみるならば、効果をもたらした原因を何か示さないと次の議論 が始まりません。
その「技報」の2.1.2から引用します:「毛髪のしなやかさを向上させる効果は、『nanoe』イオンがマイナスイオ ンよりも水分量が多いため、毛髪水分率が増加するという仮説を立てて検証する」つまり、ヌル仮説としては、「毛髪水分率は増加しない」です(勿論、これを クリアしても、次には「毛髪水分率の増加は『nanoe』イオンのせいではない」というヌル仮説を棄却する必要がありますが)。
ちょっとややこしくなりましたが、要するに、「nanoe」のおかげであるというための必要条件(十分条件ではありません)として、毛髪水分率が増加しているかどうか検証しましょう、ということですね。
この節の終わりのほうにはこう書いてあります:「その結果を図5に示す。この図から、時間経過に関係なく毛髪水分率は『nanoe』イオンが一番高く、次 いでマイナスイオンが高いことがわかる。」では次のページの図5を見てみましょう。横軸に経過時間、縦軸に水分率が取ってあります(それぞれの定義はすみ ませんが当該『技報』をご覧ください>皆様)。これを見ると、処理直後は nanoe が一番水分率が高く、次いでマイナスイオン、イオンなし、となっています。マイナスイオンとイオンなしは平均値の順番はその通りですが、エラーバーが平均 値の違いを大きく上回っているため、マイナスイオンとイオンなしの順番について語ってはいけません(これは統計のルールです)。nanoeとマイナスイオ ンについては、両者のエラーバーは若干重なっているものの、それぞれの平均値にまではのびてはいません。なので、通常の感覚としては、nanoe の場合は若干水分率が高いね、と読むと思います。
問題の一つ目はその後です。例えば4時間後は、3者とも、それぞれのエラーバーが互いの平均値 のズレを上回っています。つまり、3者に違いはない(正確には「違いがあるとはいえない」)ということになります。2時間後、8時間後もそうです。要する に、ヌル仮説を棄却できない、ということです。
問題の二つ目は、例えば経過時間とともにどれだけ水分が抜けるかを考えると、むしろnanoeの 方が急速に水分率が下がっている、ということです。グラフの縦軸を「水分率」ではなく、処理直後の値に対する相対的な水分率にする(つまり、処理直後を1 とし、時間ともに処理直後の水分率に対してどれだけの水分率を保持しているか)と、nanoe の「悪さ」はよりはっきりするように思われます。もちろんグラフの縦軸になにを取るかは何を見たいかによりますから、絶対的な水分率を取るか相対的な水分 率を取るかは議論の分かれるところだと思います。私の印象としては、時間変化を調べるのであれば、処理直後の条件は揃えたほうがいいのでは、と思っていま す。
もしこの『技報』が査読誌に投稿されて、私がレフェリー(査読者)になったとしたら、この部分については次のようなコメントをつけ るでしょう:「図5を見る限り、nanoeが毛髪水分率が一番高いとは言えない。それにもかかわらず本文で一番高いと主張するのは強すぎである。このコメ ントを削除し、有意な差を検出できなかったと書くか、せめて、有意な差は検出できなかったが過去の我々の研究から違いがある可能性があるため今後はサンプ ルを増やしより良い精度で検証を行いたい、程度に主張を弱めて書くべきである」。
ちなみに私は本業で査読誌に論文を投稿しますしレフェリーがま わってくることもあります。このようなやり取りはしょっちゅうあります。やっぱり、みんな自分のデータがかわいいのですよね。だから、ついついデータから 読み取れる以上のことを主張してしまう(私もやっちゃうときがあります)。なので、他人が冷静に「それだけの主張ができるデータか?」という目で検証する 必要があるのです。
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うわ、長っ。こんなに長けりゃ蹴られても仕方ないな、と改めて見て思ってしまった。(^^;;
しかし、なにかを論じようとすれば、どうしたって長くなるよねえ…。短い文章でスパッと核心に迫るコメントを書ける人がうらやましいです(それが自分にできないのがわかっているので、このブログを立ち上げるまで、他所様でコメントすることはなかったのですが)。
で、さっき、投稿しようとしたのだが、最初に文字数オーバーで蹴られ、とりあえず前半のみにして投稿。次に後半を投稿しようとしたら、「このメッセージは既に投稿されているか、投稿制限により現在投稿できない状態です」みたいなメッセージが出て怒られ、投稿できなくなってしまった。
さらに短くしたりと色々試したのだが投稿できず、試しに一行だけのメッセージでやってみたらできちゃったので(これは削除した)、やっぱり文章が長すぎるのかなあ、と思って、どんどん短くしたりしてたのだが…。
ちょっと検索したら、どうも連投を規制しているようなので(スパム対策かな)、時間を置けばよかったらしい。時間がたったところに「テスト」なんつって投稿しちゃったもんだから、余計に時間がかかった。(涙)
というわけでもう1時半!明日も仕事。もう力尽きました。すいませんが他のメッセージへの返信は、また明日、ということで…(明日の晩、時間取れるかなあ…)。
くやしいので、投稿したメッセージをここにも転載しておきます。
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こんばんは。
> 従来のドライヤーにはなかった効果を何がもたらしたか。いまのところ、マイナスイオンの効果を否定する材料を持ち合わせていないので、とりあえずメーカー が言うようなマイナスイオン(おそらく広義には帯電微粒子水)の効果があるのだろうと考えています。放電による帯電微粒子水の放出は、物理的・化学的にみ ても興味深い現象です。
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> 帯電微粒子水は関与しないという材料が出てくればさらに検証を進め、もしもマイナスイオンの効果が否定されるのであれば、思う存分ニセ科学扱いしてやるだ けの話です。これは過去にも書いていること。否定する材料も探していますが、なかなか見つかりません。どなたか見つけてみてください。
一消費者ということであればそれでいいのだと思います。「このドライヤー、性能いいなあ。マイナスイオンのおかげだって?ふうん」という反応が普通ですよね。
でも、「検証」ということになると、それでいいのでしょうか?やはりヌル仮説として(1)以前のドライヤーとの性能差はない、(2)(性能差があるとして)その性能差は「マイナスイオン」のせいではない、を設定し、議論を進めるのが通常の方法だと思います。
で、下の「技報」やあちこちで見られる「性能が良い」というクチコミ的報告から、私を含め多くの人は「定量的には、あるいは厳密にはともかく、どうやら仮 説(1)は棄却してもよいのではないか(つまり、ドライヤーの性能は良くなっている)」という意見に傾きつつあるのではと思います(少なくとも私はそうで す)。
問題は仮説(2)の方です。少なくとも私は、下に示してある技報からは、仮説(2)を棄却するに足るデータが出ているとは読み取れません でした。また、同じくそのデータから、仮説(2)を検証(あるいは棄却)するためには、もっと定量的な調査が必要であり、体験談で検証できる精度よりも もっと詳細な検証が必要だと考えています。
> ドライヤーは医薬品ではないので、ダブルブラインド評価は必要条件ではありません。他人が見ても髪質が変わったことが分かるときがありますから。いったん ニセ科学とみなしたものについて、高いハードルを課すのは不健全なニセ科学批判者のやり口です。ご注意ください。
医薬品でなければダブル ブラインド評価をする必要がないのはなぜでしょうか?「他人から見ても髪質が変わったことが分か」ったとしても、それがドライヤーのせいなのか、シャン プー・リンスを変えたからなのか、栄養状態が最近はいいのか、睡眠をしっかり取れているのか、など考慮すべき要因が多々あり、それらを一つ一つ排除してい かなければ本当の効果がなにによってもたらされたのかは分からないと思います。
「利き酒」なんてのもありますよね。これも一種のブラインドテストです。「味」は飲めばわかりますけど、プロでも様々な思い込みに左右され、このような評価方法を採らないと本当の味の違いはわからない、と言うことなんだと思います。
上で示した仮設(1)については、各種の体験談で大体おおまかには判定して良さそうな気がしますが、仮設(2)の検証となると、実験のデザインをきちんと考えた検査をしないとわからない、というのが、今のところの私の結論です。
> 技報はこれでしょうか?
> http://www.mew.co.jp/tecrepo/561j/pdfs/561_06.pdf
> 松下は有意な差と言い、yokoyamahotchillipeppersさん(主語はこれでいいでしょうか?)は誤差の範囲と言う。それについて、私は なんとも申せません。効果が実際にあるのに、それがメーカーの言うナノイーの効果ではない、とみるならば、効果をもたらした原因を何か示さないと次の議論 が始まりません。
その「技報」の2.1.2から引用します:「毛髪のしなやかさを向上させる効果は、『nanoe』イオンがマイナスイオ ンよりも水分量が多いため、毛髪水分率が増加するという仮説を立てて検証する」つまり、ヌル仮説としては、「毛髪水分率は増加しない」です(勿論、これを クリアしても、次には「毛髪水分率の増加は『nanoe』イオンのせいではない」というヌル仮説を棄却する必要がありますが)。
ちょっとややこしくなりましたが、要するに、「nanoe」のおかげであるというための必要条件(十分条件ではありません)として、毛髪水分率が増加しているかどうか検証しましょう、ということですね。
この節の終わりのほうにはこう書いてあります:「その結果を図5に示す。この図から、時間経過に関係なく毛髪水分率は『nanoe』イオンが一番高く、次 いでマイナスイオンが高いことがわかる。」では次のページの図5を見てみましょう。横軸に経過時間、縦軸に水分率が取ってあります(それぞれの定義はすみ ませんが当該『技報』をご覧ください>皆様)。これを見ると、処理直後は nanoe が一番水分率が高く、次いでマイナスイオン、イオンなし、となっています。マイナスイオンとイオンなしは平均値の順番はその通りですが、エラーバーが平均 値の違いを大きく上回っているため、マイナスイオンとイオンなしの順番について語ってはいけません(これは統計のルールです)。nanoeとマイナスイオ ンについては、両者のエラーバーは若干重なっているものの、それぞれの平均値にまではのびてはいません。なので、通常の感覚としては、nanoe の場合は若干水分率が高いね、と読むと思います。
問題の一つ目はその後です。例えば4時間後は、3者とも、それぞれのエラーバーが互いの平均値 のズレを上回っています。つまり、3者に違いはない(正確には「違いがあるとはいえない」)ということになります。2時間後、8時間後もそうです。要する に、ヌル仮説を棄却できない、ということです。
問題の二つ目は、例えば経過時間とともにどれだけ水分が抜けるかを考えると、むしろnanoeの 方が急速に水分率が下がっている、ということです。グラフの縦軸を「水分率」ではなく、処理直後の値に対する相対的な水分率にする(つまり、処理直後を1 とし、時間ともに処理直後の水分率に対してどれだけの水分率を保持しているか)と、nanoe の「悪さ」はよりはっきりするように思われます。もちろんグラフの縦軸になにを取るかは何を見たいかによりますから、絶対的な水分率を取るか相対的な水分 率を取るかは議論の分かれるところだと思います。私の印象としては、時間変化を調べるのであれば、処理直後の条件は揃えたほうがいいのでは、と思っていま す。
もしこの『技報』が査読誌に投稿されて、私がレフェリー(査読者)になったとしたら、この部分については次のようなコメントをつけ るでしょう:「図5を見る限り、nanoeが毛髪水分率が一番高いとは言えない。それにもかかわらず本文で一番高いと主張するのは強すぎである。このコメ ントを削除し、有意な差を検出できなかったと書くか、せめて、有意な差は検出できなかったが過去の我々の研究から違いがある可能性があるため今後はサンプ ルを増やしより良い精度で検証を行いたい、程度に主張を弱めて書くべきである」。
ちなみに私は本業で査読誌に論文を投稿しますしレフェリーがま わってくることもあります。このようなやり取りはしょっちゅうあります。やっぱり、みんな自分のデータがかわいいのですよね。だから、ついついデータから 読み取れる以上のことを主張してしまう(私もやっちゃうときがあります)。なので、他人が冷静に「それだけの主張ができるデータか?」という目で検証する 必要があるのです。
---
うわ、長っ。こんなに長けりゃ蹴られても仕方ないな、と改めて見て思ってしまった。(^^;;
しかし、なにかを論じようとすれば、どうしたって長くなるよねえ…。短い文章でスパッと核心に迫るコメントを書ける人がうらやましいです(それが自分にできないのがわかっているので、このブログを立ち上げるまで、他所様でコメントすることはなかったのですが)。