メーカーにとってのマイナスイオン(追記あり) | ほたるいかの書きつけ

メーカーにとってのマイナスイオン(追記あり)

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(追記)Yahooの掲示板で色々取り上げていただいたので、関連してもう一つエントリを上げました。「メーカーにとってのマイナスイオン(2)」 です。こちらもよろしく。
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 『パリティ』2008年5月号の、大槻義彦さんのエッセイ「essay パリティのココロ」は、マイナスイオンの話であった(いろいろ事情があって、やっと5月号が読めた)。
 マイナスイオン製品を作っている大手家電メーカーに、マイナスイオンについての記事の執筆を依頼したところ、丁重に断りの返事が来たらしい(断られるだろうと思って依頼したとしか思えんけど、依頼するところが偉いよね)。
 途中の部分を引用する。
 これらのばかばかしいオカルトまがいの商品(引用者注:マイナスイオンの腕輪やネックレス、車の燃費向上グッズなど)は公正取引委員会にまかせるとして、れっきとした日本有数の大企業が”マイナスイオン掃除機”では捨ておけない。
 わが『パリティ』の編集委員会はこれを議論、さる大手の家電メーカーに対して執筆依頼をすることにした。「マイナスイオン掃除機はどんな仕組みか、またなぜマイナスイオンが体によいのか解説してほしい」と。
 さっそくこのメーカーからていねいな返答をいただいた。「あいにく当社にはこれに関し、説明ができる者がおりません」というものだったのだ(笑)。解説できる人がいないだと?それならこのメーカーの誰が、この”マイナスイオン掃除機”を設計したのか?
 ホント、技術者の人々は可哀想だなあ、と思う。原理もよくわからんものを搭載しなきゃいけないんだから(上から言われて仕方なく付けてると想定してますが、もしかしたら違うかも)。

 さてマイナスイオンといえば、Yahooの掲示板で活躍されているSSFSさん(ssfs2007さん)ですが、この投稿 にはびっくり。
「水分を高電圧で微細に分解することで発生するnanoe(ナノイー)を野菜室いっぱいに拡散させ、おいしく新鮮なまま野菜を保存します」って書いてあるでしょう。野菜が簡単にしなびてしまえば、ナノイーは効果なしという判断につながります。tsunchan_samaさんはここの古株なんだから、もっとしっかりしてくださいな。
「ナノイー」で指しているものがかなり広い概念のようなので幾らでも言い抜けができそうな気はするけれども、それはともかく、野菜がなかなかしなびないのが「ナノイー」の効果なのか、冷蔵庫の基本性能の効果なのか、単純に湿度を上げたからなのか、原因の切り分けが出来ているんですかね?
 ソレっぽいメカニズムがメーカーサイトには書いてあるけど、ビタミンやポリフェノールが増えるのが「ナノイー」の効果だ、って、検証されているのかな。
 メーカーの宣伝に書いてあるからそうなんだ、って態度(そうとしか見えませんが)はちょっといかがなものかと思いますが。

 『パリティ』には、マイナスイオンドライヤーについても原稿執筆依頼を出して欲しいと思います。「技報」だって出してるんだし、あのメーカーなら引き受けてくれるんじゃないかしらん。(^^)