積読
最近はどうも「積読」が通じなくなりつつあるようで悲しいんですが。
最近行ってなかった古本屋に久々に行った。買い物ついでに。で、真っ先に行くのは当然100円コーナー。ついつい何冊も買ってしまうんですが、今回買ったもの(のうち、興味深いもの)はこれ。
・『右脳教育で子どもは変わる』七田眞
・『マイナスイオン療法の凄い効果を検証』師岡孝次
・『なぜそれは起こるのか』喰代栄一
七田はなんとかせなあかんと思って色々買い集めてるんですが、ざっと目を通す度に実にバカバカしくって逆になかなか読めない。いや、これが実際に行われてると想像すると、実に恐ろしいんですが、書いてあることは滅茶苦茶だし到底理論とは言えないレベルなので。典型的な議論の展開の仕方は、「AはBなのです。なぜならCだからです」というパターン。で、「AはB」というのがまず無茶苦茶で、例えば「イメージには予知力があります」とかイキナリ断言する。この本はずっとそういうのが書いてあるみたいで、後半になって「右脳は四次元的感覚を持ち、意識ではキャッチできない宇宙の全ての情報(波動情報)をキャッチする超高感度の受信機として働きます」なんて感じで「論証」しちゃう。
どの本もこんな感じみたいなんで苦痛なんですが、それでも如何にトンデモかというのをわかりやすく示せるような文章を探してまた買ってしまうんですよねえ。100円だし。
師岡さんという人は初めて見る名前なんですが、パラパラと見たら最初にどうも「マイナスイオン」批判が書いてあるようなので、ついつい買ってしまった。第一章のタイトルが「間違いだらけのマイナスイオン・ブーム」で、節を見ると「大流行のマイナスイオンはウソかマコトか」「マイナスイオン効果に異論続出」「空気マイナスイオンと活性マイナスイオンは違う」「マイナスイオン効果が一人歩きをしている」「空気マイナスイオン実験を実現する」「従来の交流式電位治療器にマイナスイオン効果はあるか」と来るわけです。しかもざっと眺めてみると、長年マイナスイオンの批判をされている安井至さんの発言を肯定的に引用したりもしている。
で、その上でですよ。第2章第1節のタイトルが、「宇宙医学から誕生したタカタイオン療法」で、最初のページを見ると、1938年に太陽に起源を持つ放射線、名づけて「太陽第四線」、というような記述が出てきて、これあ読まねば、とムラムラと来てしまったわけですね。
これ、2003年の本なので、もうマイナスイオンに対する差別化戦略が始まっていたってことですかね。そういう意味でもちょっと興味深い。
最後の喰代さんのやつなんですが、副題に「過去に共鳴する現在 シェルドレイクの仮説をめぐって」とあるとおり、そっち系(ってどっちだ^^;; 共鳴系というか100匹目の猿系というか)のシンクロニシティー本。サンマークで、帯に「船井幸雄氏も絶賛した驚愕の書」とあるとおり、この人の名前は船井の本には時々出てくるので知っていて、それで見つけて買ったわけです。
あ、巻頭にシェルドレイクの写真もデッカク載ってます。ってどうでもいいか。
この人とか、あとちょっと前に買ってこれもまた読んでないんですが飯田史彦(『生きがいの研究』とか)とか、現代資本主義をオカルト的に支える理論づくりをしている面があるように見えるので、一度きっちり見ておかないとな、とは思っているんですが、それだけに彼らの主張の本質を理解するのが一筋縄では行かなくて、ついつい後回しにしてしまうんですよねえ。
『シンクロニシティー』なんか読むのが実につらくて。物理用語がバンバン出てくるんですが、なまじ正しい意味を知っているだけに、著者がどういう意図で使っているのかがなかなか理解できなかったりする(ついつい正しい意味で解釈しようとしてしまうので)。
いや、限られた人生、こんなの読んだってなあ、と思いはするのですが、しかしこれも現代の病理を理解する一つの道かもしれん、と思うと、読むべきかなあ、などと思ってしまい、積み上げられたトンデモ本を前に悶々とするわけですが…。
トンデモ本の積読ほど哀しいものはないので、読むぞ、という決意を込めて書いてみました。(^^;;
最近行ってなかった古本屋に久々に行った。買い物ついでに。で、真っ先に行くのは当然100円コーナー。ついつい何冊も買ってしまうんですが、今回買ったもの(のうち、興味深いもの)はこれ。
・『右脳教育で子どもは変わる』七田眞
・『マイナスイオン療法の凄い効果を検証』師岡孝次
・『なぜそれは起こるのか』喰代栄一
七田はなんとかせなあかんと思って色々買い集めてるんですが、ざっと目を通す度に実にバカバカしくって逆になかなか読めない。いや、これが実際に行われてると想像すると、実に恐ろしいんですが、書いてあることは滅茶苦茶だし到底理論とは言えないレベルなので。典型的な議論の展開の仕方は、「AはBなのです。なぜならCだからです」というパターン。で、「AはB」というのがまず無茶苦茶で、例えば「イメージには予知力があります」とかイキナリ断言する。この本はずっとそういうのが書いてあるみたいで、後半になって「右脳は四次元的感覚を持ち、意識ではキャッチできない宇宙の全ての情報(波動情報)をキャッチする超高感度の受信機として働きます」なんて感じで「論証」しちゃう。
どの本もこんな感じみたいなんで苦痛なんですが、それでも如何にトンデモかというのをわかりやすく示せるような文章を探してまた買ってしまうんですよねえ。100円だし。
師岡さんという人は初めて見る名前なんですが、パラパラと見たら最初にどうも「マイナスイオン」批判が書いてあるようなので、ついつい買ってしまった。第一章のタイトルが「間違いだらけのマイナスイオン・ブーム」で、節を見ると「大流行のマイナスイオンはウソかマコトか」「マイナスイオン効果に異論続出」「空気マイナスイオンと活性マイナスイオンは違う」「マイナスイオン効果が一人歩きをしている」「空気マイナスイオン実験を実現する」「従来の交流式電位治療器にマイナスイオン効果はあるか」と来るわけです。しかもざっと眺めてみると、長年マイナスイオンの批判をされている安井至さんの発言を肯定的に引用したりもしている。
で、その上でですよ。第2章第1節のタイトルが、「宇宙医学から誕生したタカタイオン療法」で、最初のページを見ると、1938年に太陽に起源を持つ放射線、名づけて「太陽第四線」、というような記述が出てきて、これあ読まねば、とムラムラと来てしまったわけですね。
これ、2003年の本なので、もうマイナスイオンに対する差別化戦略が始まっていたってことですかね。そういう意味でもちょっと興味深い。
最後の喰代さんのやつなんですが、副題に「過去に共鳴する現在 シェルドレイクの仮説をめぐって」とあるとおり、そっち系(ってどっちだ^^;; 共鳴系というか100匹目の猿系というか)のシンクロニシティー本。サンマークで、帯に「船井幸雄氏も絶賛した驚愕の書」とあるとおり、この人の名前は船井の本には時々出てくるので知っていて、それで見つけて買ったわけです。
あ、巻頭にシェルドレイクの写真もデッカク載ってます。ってどうでもいいか。
この人とか、あとちょっと前に買ってこれもまた読んでないんですが飯田史彦(『生きがいの研究』とか)とか、現代資本主義をオカルト的に支える理論づくりをしている面があるように見えるので、一度きっちり見ておかないとな、とは思っているんですが、それだけに彼らの主張の本質を理解するのが一筋縄では行かなくて、ついつい後回しにしてしまうんですよねえ。
『シンクロニシティー』なんか読むのが実につらくて。物理用語がバンバン出てくるんですが、なまじ正しい意味を知っているだけに、著者がどういう意図で使っているのかがなかなか理解できなかったりする(ついつい正しい意味で解釈しようとしてしまうので)。
いや、限られた人生、こんなの読んだってなあ、と思いはするのですが、しかしこれも現代の病理を理解する一つの道かもしれん、と思うと、読むべきかなあ、などと思ってしまい、積み上げられたトンデモ本を前に悶々とするわけですが…。
トンデモ本の積読ほど哀しいものはないので、読むぞ、という決意を込めて書いてみました。(^^;;