貧困と結核
と言っても女工哀史ではなくて、現代の話。ついでにもういっちょ『赤旗』から。
「結核注意 ネットカフェ感染 近い距離 複数店から同じ菌」 (『赤旗』3/31)
要するに、ネットカフェに泊まるという事は、長時間人の密集したところにいるわけで、結核に感染しやすくなる(そして実際にそういう事例があった)、という話。ワーキングプア問題などとあわせて考えると、貧困により寝る場所がなくネットカフェに寝泊りするようになると、感染はしやすくなるし、体力が落ちて発症もしやすくなるのだろう。
あちこちで言われているけど、もはや「格差」の問題ではなくて、「貧困」の問題だよね、これは。おそらく本人たちもその多くが自覚していないと思うのだけれども、確実にこの日本では貧困層が増大しているのだろう。そして「自己責任」という空気が、彼らにして「この状況は自分が悪いのだから仕方がない」と思わせているのだ。
また、橋下大阪府知事にかみついた女性職員に対して「オレたちもこんなヒドイ状況で我慢してるのに何言ってるんだ」というようなバッシングに象徴されるように、労働者がどんどん自分の首をしめるような状況になっている。より条件の低いほうへ合わせようと労働者自身の動きがつくられている。
こういう動き、財界からしてみればこんなに嬉しいことはないだろう。昔、「機動警察パトレイバー」だったか、「社長が一番欲しがるもの、給料を欲しがらない労働者」みたいなセリフがあったが(記憶違いかな。もう10年以上も前だもんなあ)、労働者が自発的にそうなっていくんだもんね。
国民を分断して互いを競わせ、足を引っ張り合うように誘導する。財界は喜び、孤立化した労働者は帰属意識も求めてナショナリズムに走り、国家と自分を同一視するようになる。あるいは完全に個にこもり、スピリチュアルな世界に救いを求める。いずれにしても政権は安定し、このような政策にポジティブフィードバックがかかる。さらに保守二大政党化を進め、同じ政策のもと定期的に政権を交代させることでガス抜きをし、より安定化を図る。まあちょっと単純化しすぎた図式だとは思うけど、しかしこの10年来進んでいることの本質はこういうことなのではないかなあ。
「結核注意 ネットカフェ感染 近い距離 複数店から同じ菌」 (『赤旗』3/31)
要するに、ネットカフェに泊まるという事は、長時間人の密集したところにいるわけで、結核に感染しやすくなる(そして実際にそういう事例があった)、という話。ワーキングプア問題などとあわせて考えると、貧困により寝る場所がなくネットカフェに寝泊りするようになると、感染はしやすくなるし、体力が落ちて発症もしやすくなるのだろう。
あちこちで言われているけど、もはや「格差」の問題ではなくて、「貧困」の問題だよね、これは。おそらく本人たちもその多くが自覚していないと思うのだけれども、確実にこの日本では貧困層が増大しているのだろう。そして「自己責任」という空気が、彼らにして「この状況は自分が悪いのだから仕方がない」と思わせているのだ。
また、橋下大阪府知事にかみついた女性職員に対して「オレたちもこんなヒドイ状況で我慢してるのに何言ってるんだ」というようなバッシングに象徴されるように、労働者がどんどん自分の首をしめるような状況になっている。より条件の低いほうへ合わせようと労働者自身の動きがつくられている。
こういう動き、財界からしてみればこんなに嬉しいことはないだろう。昔、「機動警察パトレイバー」だったか、「社長が一番欲しがるもの、給料を欲しがらない労働者」みたいなセリフがあったが(記憶違いかな。もう10年以上も前だもんなあ)、労働者が自発的にそうなっていくんだもんね。
国民を分断して互いを競わせ、足を引っ張り合うように誘導する。財界は喜び、孤立化した労働者は帰属意識も求めてナショナリズムに走り、国家と自分を同一視するようになる。あるいは完全に個にこもり、スピリチュアルな世界に救いを求める。いずれにしても政権は安定し、このような政策にポジティブフィードバックがかかる。さらに保守二大政党化を進め、同じ政策のもと定期的に政権を交代させることでガス抜きをし、より安定化を図る。まあちょっと単純化しすぎた図式だとは思うけど、しかしこの10年来進んでいることの本質はこういうことなのではないかなあ。