「Hado」2月号(3)「歴史的に肉食を禁じていた国」って…
太田龍と江本勝の対談の続き。三回目。
この太田の発言を受けて、江本はまずこう答える:
次の発言がまた凄い。
この唐突な意味の分からない文章を受けて、次の節に移る。続きはまた明日。
「歴史的に肉食を禁じていた国」だそうです、日本は。大陸から様々な文化や技術が持ち込まれた際に、家畜も導入された。しかし、天武天皇が「肉食禁断の詔勅」を発布、食肉用家畜の飼育が禁じられた。一回の詔勅では伝わらないので、その後の天皇も、何度か詔勅を出し、桓武天皇以降は完全に殺生肉食は禁止された、と。
…完全に殺生肉食は禁止されました。こういう民族は世界中にどこを探してもいないでしょうね。と。私はこのあたり詳しくないので間違っていたら指摘していただけると有難いのだが、表向き禁止されたとはいえイノシシを始めとして狩猟による肉食文化はずっと生き続けたのではなかったのか?それにそもそも禁止したのは仏教の影響で、民族云々ということではないだろう。表向きにせよ定着したのが特殊だと言うにしても、そこに至る様々な歴史的過程を無視し、特殊性だけを強調するのは問題だろう。
この太田の発言を受けて、江本はまずこう答える:
古代から肉食を禁じているということは、今の時代、子孫として狂牛病や鳥インフルエンザで大騒ぎしていることは、恥ずかしいかぎりです。まず一つ確認しておきたいのは(江本の意図がどこにあるかは別として)、江本によれば、明治の「文明開化」は恥の第一歩だったのですね、ということである。肉食を禁じたことが良いことだと言うのだから。安倍晋三に代表される自民党・民主党内の右翼勢力を始めとする安易に南京事件や従軍慰安婦を否定するような人々は、江戸以前を無視し、とかく明治以降の戦前の体制を賛美する傾向が強いが、江本の論理によれば、明治はダメな時代であったと、そういうことになる。
次の発言がまた凄い。
肉食を禁じた古代の天皇たちは、エコロジーとともに霊的な意味でも、日本人の魂を守るという意味をご存知だったのですね。…言葉が見つからん。何をどう考えたら、どう論理をつないだら、この発言が出てくるのか。まず、肉食を禁じたということとエコロジーの関連がよくわからん。そして唐突に「霊的な意味でも」と出てくるが、どういう意味かわからん。次の「魂」に対する枕詞以上の意味があるのだろうか。で、さらに、肉食を禁じると言うことがどうして日本人の魂を守ることにつながるのかがまったくわからん。つまり、この文章には理解できるところがない。
この唐突な意味の分からない文章を受けて、次の節に移る。続きはまた明日。