国鉄分割民営化と組合潰し | ほたるいかの書きつけ

国鉄分割民営化と組合潰し

「JR不採用 東京地裁が違法認定 支援機構に賠償命令」(『毎日』)

 国鉄分割民営化の際に、JRへの採用で明らかに組合差別が行われ、国労・全動労潰しがなされた。それに関する訴訟で、全動労(現・全日本建設交運一般労組)が勝訴。1人当たり550万円(総額3億1900万円)の支払いを清算事業団を引きついた法人に命じた。

 当たり前ですよね。こんなムチャクチャがまかり通る世の中でいいはずがない。

 『赤旗』に詳報が幾つか載っています。

「JR採用差別を認定 全動労訴訟 国鉄は中立義務違反」  
「JR差別 全動労訴訟判決 全面解決 政府の責任 断罪された国家的不当労働行為」
「JR差別全動労訴訟 勝利判決 『交渉のテーブルに』 清算事業本部前で訴え」
「JR不採用事件 解決交渉に応じよ 全動労、鉄運機構に要請」  
(以上『しんぶん赤旗』)

この記事にも載っているが、とにかく当時政府は「一人も路頭に迷わせない」と言っていたのだ。それをこんな形で不採用にし、20年たっても解決していないのだ。上記『赤旗』の2番目記事には以下のようにある:

しかも政府は、「所属組合によって選別することがあってはならない」(当時の橋本龍太郎運輸相)「一人も路頭に迷わせない」(中曽根首相)との約束も投げ捨て、許されない国家的な不当労働行為を行ったのです。

 採用差別を否定できない国側は裁判で、「民営化に反対するものはJRにふさわしくない」とのべ、民営化を御旗に差別は当然だと開き直りました。しかし、使用者が労働者を差別しても当然だなどという論理が通用するわけがありません。判決は、国のこの姿勢を「中立義務に違反する」として断罪しました。


これが日本という国の現状なのだ。このような嘘が国家レベルでまかりとおり、大勢の人間の人生を狂わせる。何が自由か、何が民主主義か。自由も民主も上っ面の言葉だけで、実態が全く伴っていない。

 我々は、こういう人々に政治を委ねてしまっているのだ。このままでいいわけがない。