今年の1月にパーキンソン病の主治医を受診した際に
ウェアリングオフを改善する目的で新たな薬が処方された。
ノウリアスト錠20mg。
わりと新しい薬でアデノシンA2A受容体拮抗薬と呼ばれるもの。
服用方法は朝食後1錠。
この薬は従来服用してきたメネシット、スタレボ、レキップといったドパミン自体の伝達を改善するタイプとは異なり
アデノシンの伝達を阻害することで相対的にドパミンの効果を高めるもので
前者のタイプの薬を既に服用している患者に用いられる。
世の中は色々なバランスのもとで成り立っているが
脳機能も同様に様々なバランスのもとで動作が成り立っている。
アセチルコリンとドパミン、そしてアデノシンとドパミン。
後者の関係改善が今回で、
前者の関係については2013年の秋にパーキンソン病と診断された際に対策が行われた。
メネシットが処方されると同時に
アセチルコリン側を強めて相対的にドパミン側を弱めてしまうドネペジル(アリセプト)が中止された。
この時に認知症対策として処方されたのはドネペジルとは作用が異なるメマリーで
現在ではレミニールも追加処方されている。
ちなみに、2012年に要介護となった時からパーキンソン病の症状はあったものの
レビー小体型認知症という診断だった。
そういえば、転院などの際の要注意事項として転院先の薬剤師の対応が挙げられる。
薬がジェネリック化される際にメマリーがドネペジルに勝手に変更される場合があるので
その場合はメマリー服用の経緯を薬剤師にしっかりと説明しないといけない。
レビー小体型認知症の第一選択薬はアリセプトになっているので無条件にドネペジルに変更されがち。
実際にうちは亜急性期に転院した際に勝手にドネペジルに変更されたのでメマリーに戻してもらったのだった。
さて、本題のノウリアストの効果だけど、
開始後2ヶ月くらいはウェアリングオフが若干改善されたかなあ?という程度の印象。
心配された副作用の不随意運動も少し増えたかなあ?という程度。
しかし、一番変わったのはレボドパが効いている間、
すなわち動ける時間帯の動きが随分良くなったという点。
3ヶ月くらい経過すると動ける時間帯の動きが劇的に良くなってきて
めちゃくちゃ動き回るようになった。
それに伴い不随意運動も激しくなり、不随意運動に力強さが加わるようになっている。
以前は動くだけだったが、テーブルなどをグラグラ揺らすほど強く体を動かすようになってしまった。
酷い時には意思疎通さえはかれず、デイサービスから電話連絡があったことも。
※ 主治医曰く、ある程度の不随意運動が出るくらいの方が動けるので良いとのこと。
薬の効きが悪い時ってほんと固まって動かないのでひと目で分かるもんなあ。
そういえば、大勢の患者を待合室で見るけど、
うちの親のように気持ち悪いくらい体をクネクネ動かし続けている患者は滅多に見ない気がする。
動けること自体は良いんだけど、こちらの言うことをまったく聞かず狂ったように動き回るのが困りもの。
家や庭に対する執着がとにかくもの凄くて、1時間や2時間ぶっ続けで掃除などを続けることも。
ドパミンの効果が出すぎてるのか、もう何を言っても無駄。
脳内で記憶が自分に都合が良いように改変されてるのか、言い訳も訳が分からないものが多いし。
そうかといえば、動けない時にほとんど動けなくなっちゃうからいちいち介助しないといけない。
この落差がめちゃくちゃ大きい。
以前よりも明らかにウェアリングオフは減ったものの落差の拡大が私のストレスの増大に。
しかも、動ける時には言うことを聞かず余計なことばかりするから堪らない。
動き自体は改善されたものの思考能力は変わらない、あるいはドパミンの効き過ぎでぶっ飛んでるので
以前よりも私のストレスが強くなってしまっている。
最近身にしみている。
動けない人を介護するのは肉体的に大変だが
認知症の動ける人を介護するのは精神的に大変だと。
ほんと最近はやばいくらい何もする気力がなくなってしまった。。。
在宅介護4年目。
親に対する呼び方も大きく変わってしまった。
もはや「お母さん」などと呼ぶことはない。
一番多いのは「あんた」かな?
バーサーカーモードの親に対しては「気違い」かなあ。
長期の親の介護さえしなければこんなことには。。。
なお、うちの親には常に体のあちこちに内出血で黒くなった箇所があるが
ワーファリン服用のせいで虐待行為によるものではない。
よほどのことがない限り痛みはないようなので、本人に聞いてもいつ出来たか分からないということが多い。
そうそう、ノウリアストの処方に伴いレキップCR錠の服用時間が朝から夕に変更された。
その効果もあってか現在では朝の動きも随分改善されている。
レキップCR錠って24時間効くという薬だから毎日服用しているといまいち効果が分からなくなってくる。
レボドパみたいに効果が顕著ではないし。
服用時間が朝から夕に変更になる場合、
通常の24時間に加えて約半日も間隔が空くことになる。
そのため普段なら問題ない時間帯、例えば午後の早い時間帯にウェアリングオフが起こったりする場合がある。
実際、うちの親はその状態に陥ってしまい、レキップが下支えしていることが再確認できたのだった。
このような処方の変更があった場合は一旦「昼」を挟んで変更するのが安全だと思われる。
つまり、朝→昼→夕といった具合に2日かけて服用時間を調節するのが良さそう。
逆に戻す場合は夕→昼→朝かな。