20日の夕方になりましたので、「『やわらか頭クイズ2015 R』40」の正解を発表します。


では、もう一度問題を見てみましょう。



今回は、日本史クイズです。



大名行列(だいみょうぎょうれつ)

テレビや映画の時代劇で、参勤交代の大名行列に一般民衆が土下座して、その通過を見送るシーンが描かれています。

実は、この時代劇での大名行列を描いたシーンは間違っています。

いったい、何が間違っているのでしょうか?


①実は正座して大名行列を見送るだけでよかった

②実は胡座(あぐら)をかいて座って大名行列を見送るだけでよかった

③実は立って大名行列を見物することが許されていた


一つ選んで答えてください。




=解答および解説=

正解は、③「実は立って大名行列を見物することが許されていた」です。


江戸時代、一般民衆は路傍に立って参勤交代の大名行列を見物することが許されていました。

その様子を描いた絵が残っています。

安藤広重が描いた『名所江戸百景』の中の「筋違(すじかい)内八ッ小路」にあります。

一般民衆にとって、大名行列を見物することは、現代でスポーツ選手の優勝パレードを見物するのと同じような娯楽だったのです。

それで、見物される側の大名たちも、
「見物して喜んでくれるのなら、もっともっと楽しませてやろう。そうだ、行列を豪華にして我らが数ある大名の中でも最も大金持ちであることを自慢してやろう。」
と思い、行列をどんどん華美に仕立てていきました。

豪華な大名行列に見せるために、大名行列専門のアルバイトを雇って家臣の衣装を着せて人数を増やしていたこともありました。

そのため、大名たちの藩の財政を圧迫していき、『武家諸法度』(ぶけしょはっと)による人数規制を設けなければならなくなったのです。

一般民衆が土下座して見送らなければならなかった大名行列は、将軍や徳川御三家の尾張徳川家と紀伊徳川家の行列だけで、
この三つの大名行列は「土下座せよ」という意味で、「下にぃ、下にぃ」
と先触れの番士が声をかけたのです。

それら以外の他の大名行列の掛け声は「避(よ)けい、避けい」とか、「片寄れい、片寄れい」という「道をあけろ」というものでした。


ちなみに、参勤交代の参勤は「将軍に拝謁(はいえつ)する」という意味なので、本来は「参覲」と書くのが正しいのです。

将軍に拝謁するために江戸に向かって行くことを「参覲」と言い、

それらと入れ替わるように自分たちが治める領地に大名が帰国することを「交代」と言い、
「参覲交代で江戸に行く」というのは間違っています。

こういうことを知った上で時代劇を観ると、多くの間違いがあることが分かります。