報道によれば、21日、人気グループSMAPが10月の9、10日に中国・上海で予定していた公演を延期することが発表された。
主催者などが、「「沖縄県尖閣諸島周辺で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件の影響で日中両国間で緊張が高まる中、安全確保が難しい。」と判断した。
SMAPメンバーも中国のファンも心待ちにしていた文化交流イベントが政治的な影響を受けるまで事件の余波は拡大している。
中国漁船衝突事件の影響から、上海でSMAPの公演チケット販売が停止されたのは19日。
直後からジャニーズ事務所は中国側の主催者と話し合いを進め、延期を決定した。
同事務所は21日午後5時、マスコミ各社にFAXで「昨今の状況をみて、お客様の安全の確保を考慮し、延期することに致しました。」と苦渋の決断を報告した。
中国でのチケット販売は基本的に現地代理店に委託されている。
「SMAP上海公演チケットは、チケット購入先で、25日~10月末日の期間内で全額返金する。」とのことだ。
公演は上海最大の施設、上海体育場で開催し、2日間2公演で8万人を動員する予定だった。
中国国内でも大々的に公演PRを展開していた。
チケット販売する現地代理店公式HPでは、この日までに完売と表示された。
同店社員は「中国人ファンも大勢チケットを購入した。」と話すなど、中国ファンもSMAP初上陸に期待を寄せていた。
SMAPにとって上海での世界デビューに再びストップがかかった形になってしまった。
6月に予定されていた上海万博でのイベントは、入場券をめぐる騒動が懸念された結果、万博側が開催1週間前に「安全を確保できない。」として中止を決定したばかりだ。
一方、9月中旬に行われた全国ツアー東京ドーム公演では、一部メンバーが中国語で自己紹介を行った。
SMAP全員が上海公演に向けて、張り切って準備を進めていた中での延期だった。
ジャニーズ事務所所属のタレントが、外的要因で海外公演の延期を余儀なくされた例は過去にもあった。
KAT-TUNが7月に予定していたタイ公演が、政情不安で無期延期になった。
ジャニーズ事務所は、
「次回コンサートの日程は、再度スケジュールなどを調整して決める予定です。決定次第、ご報告申し上げます。」としている。
また、「今回の上海公演は中止ではなく延期である。」と強調。
関係者も「政情、会場の確保、メンバーのスケジュールを見ながら、今後再調整していきたい。」と話すなど、上海公演実施に向けて、強い意欲を見せている。
大規模な反日活動が起きる危険性がある中での公演は避けた方が賢明だ。