このところ、有名人による違法薬物使用・所持での逮捕事件が後を絶たない。


なぜ、そんなくだらないものに手を出すのか?


麻薬をはじめとする違法な薬物は、短期使用、長期使用にかかわらず、身体的・精神的ダメージをもたらす。


では、どのようなことが起きるのか、調べてみた。



薬物乱用による症状は、種類により様々であるが、コカイン、ヘロイン、覚醒剤などの薬物では薬物依存症に陥りやすく、依存症状が深刻になりやすい。


また、コカインや覚醒剤では長期の薬物使用による幻覚状態や譫妄(=「せんもう」と読む。記憶障害が起きるため、まともに会話すらできない状態)・錯乱状態に陥り、暴力・殺人などの犯罪を引き起こす。


さらに、違法な薬物を購入するための資金を得るために、強盗などの犯罪の常習者に成り下がることもある。


依存症に陥ったり、犯罪を犯すこと、逮捕されることによって、精神的にも社会的にもダメージを受け、人間関係が崩壊することで、自殺までに至るケースもある。


薬物依存者は、周囲の人間に発覚すること、逮捕されることを恐れるため、薬物使用の事実を隠す。

このため、薬物依存症の患者として医療施設で治療が行われているのは、患者群の一部に過ぎない。


覚醒剤、ヘロインなどの麻薬では耐性を獲得しやすく、逆耐性の機序を持つために治療は長期化する。


加えて、薬物依存症患者の意志が弱い場合、過去の麻薬入手の経験から、一般市民より麻薬の入手が容易である(←ブラックマーケットとのつながりが既に出来上がっている)ために、治療が中断することも起きる。


逮捕され、刑務所に収監されたとしても、刑務所内部で麻薬関連犯罪で逮捕された者と出会うことで「ドラッグ仲間」が出来てしまい、出所後に薬物の購入を持ちかけられたり、密売などの犯罪に誘われるケースもあるのだ。


だから、違法薬物による犯罪は再犯率が高いのである。



現在、日本国内で法律により禁止されている薬物は、以下の通りだ。


1日本において麻薬及び向精神薬取締法で麻薬に指定されているもの
ヘロイン
コカイン
LSD(リゼルグ酸ジエチルアミド、通称エル、紙)
MDMA(3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン、通称エクスタシー、X(エックス)、バツ、罰、玉)
MDEA(通称イブ)
マジックマッシュルーム(成分:シロシビン、シロシン、通称MM(エムエム))
2C-B(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェネチルアミン、通称イル、電池)
GHB(ガンマヒドロキシ酪酸)
BZP(1-ベンジルピペラジン)
5-MeO-DIPT(5-メトキシ-N,N-ジイソプロピルトリプタミン、通称ゴメオ、フォクシー)
AMT(3-(2-アミノプロピル)インドール)
2C-T-7
2C-I(知事指定薬物から麻薬に変更)
2C-T-2 同上
2C-T-4 同上
ケタミン(ケタラール)
モルヒネ
ジヒドロコデイン
フェンタニル
ペチジン
オキシメテバノール

2日本において麻薬及び向精神薬取締法で向精神薬として規制されているもの
ベンゾジアゼピン(セルシン、ホリゾン)
メチルフェニデート(リタリン)

3日本においてその他法令で規制されているもの
アヘン(あへん法・刑法)
大麻(マリファナ)(大麻取締法)
覚せい剤(アンフェタミン・メタンフェタミン ヒロポン)(覚せい剤取締法)


4麻薬と同様の作用機序をもち、社会問題を引き起こしている中毒性物質
有機溶剤(シンナー、ベンゼン、トルエン、キシレン)
タバコの喫煙(ニコチン)(未成年者喫煙禁止法)
アルコール飲料類(エタノール)(未成年者飲酒禁止法)


5日本において規制の対象ではないが広義の麻薬に含まれるもの
キノコのうち向精神性作用をもつもの(テングタケ、ベニテングタケ)
カート
笑気ガス(←手術における全身麻酔で使用される)



ざっと見ただけで、これだけのものがあるのだ。


そして、もっと言えば、違法薬物を取り締まる法律が抜け穴だらけであるため、脱法ドラッグと呼ばれる違法薬物も蔓延している。


こういった違法薬物を完全に取り締まるには、さらなる法整備が必要不可欠であり、急を要する。