タレントの田代まさし容疑者が覚せい剤取締法違反で逮捕されたことは記憶に新しい。
その逮捕の直接原因となったのは、コカインという麻薬の一種の所持と、吸引のためのライター、ストローが車内から見つかったことによるというのは報道であった通りだ。
では、このコカインとはいったい何なのか、調べてみた。
コカイン (cocaine) は、コカノキに含まれるアルカロイドだ。
ちなみに、アルカロイド (alkaloid)とは、窒素原子を含み、塩基性を示す天然由来の有機化合物の総称だ。
コカインの化学式は、C17H21NO4、分子量 303.35。
無色無臭の柱状結晶である。
アメリカやヨーロッパの各国で麻薬として所持や使用が規制され、日本でも麻薬及び向精神薬取締法で規制対象になっている麻薬だ。
コカインの作用は、粘膜の麻酔に効力があり、局所麻酔薬として用いられる。
また中枢神経に作用して、精神を高揚させる働きを持つ。
コカインを摂取した場合、「中枢神経興奮作用によって快感を得て、爽快な気分になる」とのことから、薬物依存症の原因になっている。
コカインによる依存症は極めて強く、中でも精神依存による依存症が強く出現する。
このコカインの中枢神経への作用は覚醒剤(アンフェタミン類)と類似している。
これは、モノアミントランスポーターの阻害により、カテコールアミンを遊離させ、脳のカテコールアミン作動神経に作用するためだと考えられている。
また、コカインは作用が強烈で短時間しか作用しない。
そのため、連続で使用する連中が後を絶たない。
短時間しか作用しないからといって、脳へのダメージが少ないわけでなく、強烈なパンチを食らうように脳細胞を破壊する。
ちなみに、覚醒剤の作用はコカインより弱いが長時間作用する。
つまり、長く作用が続く分、脳へのダメージが長時間持続するのである。
そして、コカイン中毒患者の治療は対症療法しかない。
ここまで読めば分かると思うが、コカインのような違法薬物は、身体を蝕むだけでなく、確実に脳を破壊する。
薬物依存は、それほど恐ろしいのだ。
薬物依存症は、意志や人格に問題があるというより、依存に陥りやすい脳内麻薬分泌を正常に制御できない状況が引き起こした病気だ。
「まだ大丈夫。」と問題性を否認しているうちに、肉体・精神・実生活を徐々に確実に破壊し尽くしていく。
それは、家族などの周囲をも巻きこみながら進行し、社会生活や生命の破滅に至る。
しかも、麻薬の薬物依存は基本的に一度なったらその後は治ることはなく、一生依存症と付き合っていかなければならない。
油断すると再度使用してしまうため、周りの人間の手助け、そして本人が一生「止め続ける」強い意志を持ち続けることでしか日常生活に戻れない。
これが現実だ。
正に“百害あって一利なし”を地でいくのが麻薬なのだ。
こういった麻薬類は、ブラックマーケットにおける莫大な利益を上げていることは明白な事実だ。
そして、その利益は非合法組織の資金源となっているのだ。
そんな“くだらぬ物”に金を使って身体と精神を破壊する必要はない。
廃人になりたくなければやめておくべきだ。