大手セキュリティ・ソフトウェア・ベンダー McAfee の最新報告によれば、世界で最も危険で熟練したクラッカー(=パソコンの技術に長け、パソコンを犯罪目的で使用する者)の一部は、中国を本拠地としているという。


これらのクラッカーは、日に日に破壊力を増しているサイバー攻撃の張本人だ。



9日に発表された『McAfee Threats Report: Fourth Quarter 2009』(PDF ファイル) によれば、米国で作成されたボットネットの総数が世界全体に占める割合は、2009年第3 四半期の13.1%から第4 四半期には9.5%に減少したという。


その一方で、マルウェアをばらまくゾンビ コンピュータ総数で12%以上の割合を第2 四半期連続で占めた中国が、第4 四半期には米国を抜いて首位に浮上したことが判明した。


同報告の内容でさらに気がかりなのは、第4 四半期には、IT 管理者が最も頭を痛めている急速に広まりつつある SQL インジェクション攻撃の54.4%以上が、中国でホスティングされていたという点だ。


McAfee の CTO (最高技術責任者) Mike Gallagher 氏は、

第4 四半期には、スパム活動の減少が見られたが、サイバー攻撃の地理的分布と仕掛けられる攻撃の種類という点では、興味深い傾向がいくつかはっきりし始めている。

中国は、ゾンビ コンピュータ の作成および SQL インジェクション攻撃の実行において、世界第1位となった。

また、インターネット ベースの攻撃が勢いを増したが、人気の高いソーシャル サイトがサイバー犯罪の標的となることから、この傾向は2010年も続くだろう。」と、同報告の中で述べている。



また、スパムメールについて、McAfee は、第4 四半期の1日あたり平均スパムメール数が1,355億通を超えたと述べている。


これは驚くべき数字だが、実のところ、第3 四半期に比べて24%減少しているという。


国別では、米国が相変わらず世界第1位のスパム送信国となっており、これにブラジル、インドが続いている。