MSNのニュースによれば、楽天の検索サイト(infoseek)にアクセスした利用者のPCから情報を収集し、広告配信に利用している事が判明し、行政や消費者団体から問題視されているという。


楽天が収集する情報は、我々消費者が所有するPCに搭載されているブラウザ(Internet Explorer や FireFox等)が蓄積しているインターネットのアクセス履歴だ。


それらを勝手に収集し、そのアクセス履歴を15種類に分類、利用者のアクセス履歴に合わせたネット広告を配信するのが今回問題視されている『楽天ad4U』と呼ばれる広告配信システムだ。


実際、利用者のアクセス履歴に合わせて広告を配信する仕組みは「行動ターゲティング広告」と呼ばれ、ヤフーやグーグルなど多くのサイトで導入されているが、現在は自社のサイト内だけのアクセス情報を収集するのが一般的だ。


この行為自体には違法性はない(単に法的整備が進んでいないので罰することが不可能なだけ)ということだが、楽天の場合は自社サイトだけでなく、全てのサイトの閲覧履歴を収集しているのだ。


元・某パソコン教室のセキュリティ担当兼パソコンインストラクターであった俺からすれば、この行為は極めて悪質性が高い。


なぜなら、いわゆる“スパイウェア”を侵入させ、そのスパイウェアに情報を盗ませて外部(この場合は、楽天の広告配信サーバー)へ配信、アドウェア(=広告配信ソフトの1種)による広告の強制表示を行うということを意味しているからだ。


スパイウェア、アドウェア(←詳しくは、俺が運営している「詐欺と闘うサイト『What's the Justice?』」URL:http://homepage3.nifty.com/fireblue/  を参照して欲しい)はそれぞれ“マルウェア”と呼ばれる不正プログラムの1種であり、それらの不正プログラムの元々の誕生目的が“情報を秘密裏に盗み出す”ことにあり、盗み出した情報で金もうけをするのが定石だ。


早い話が「我々消費者の知らないうちに自分のパソコン内の情報が盗み出されている」ということだ。


楽天は今後、グループ内の他のサイトでも、この『楽天ad4U』というシステムを適用させる計画だという。


総務省も「社会的なルールに反する」(消費者行政課)と批判的だという。


これらの行為については行政が何らかのアクションをとり、法的整備をしなければ混乱は避けられない。