思い出してみると、そんなに恐ろしいことになるなんて全く思ってなかった。
そん時はなんでかピザの配達を待ってて、一回目のデカいのが来て、これ……ピザちゃんと来るのかな?とか、緊張感や危機感の欠片もない事を考えてた。
それでも律儀にピザは届き、それを食ってるときに二発目のデカいやつが来たんだけど、おー、こりゃやべえなあとか思いつつ、それでもピザの切れっ端を口に運ぶ手を止めることはしなかった。
テレビで、どっかの街が燃えてるのとか、津波でキレイに更地になってるのとか、塀の上に船が乗っかってるのとか見てやっと事の重大さに気付いた。
自分ちの周りは、ほぼ揺れただけって感じで、たいした被害もなく、食べるものに困った記憶もないんだけど、出身が東北なんでしばらく実家と連絡がつかなかったのには閉口した。
まあ、みんな無事だったけど。
でも、向こうにも数は少ないとはいえ友達はいて、直接の知り合いではいなかったんだけど、友達の友達とかくらいになると、亡くなった人や、行方不明の人がけっこういたみたいだった。
後々地元の親戚とか友達にいろんな話聞いて、俺の中で物凄くリアリティが増した。
なんと言うか、人間や、人間が暮らしている世界っていうのは、普段は意識しないけどとても脆いもので、ほんの一瞬で全部なくなっちゃうことが現実にあり得るってことを、知り合いの話やテレビやネットや新聞、雑誌なんかを通して思い知らされた。
だから自分がどう変わった、みたいなのはないけどね。
あまりに無さすぎて、この日記をどう締めたらいいのかわかんないくらいだよ。
うん、まあいいや。お風呂入ってくる。
こないだ入浴剤貰ったから試してみよう。
では!
-くろ-