Farewell | 電気羊の夢を見たアンドロイドの憂鬱……

電気羊の夢を見たアンドロイドの憂鬱……

 脳トレの一環で文章的な何かを時々書いているだけですすみませんでした!


海岸のベンチで、夜空を流れる雲を眺めていた。



地上の光を反射した雲は、意外な速さで風に流されていた。



目を閉じると、絶え間ない波と、まだ少し冷たい海風の音だけが聞こえる。



目を開くと、明るい夜空を相変わらず雲が流れていた。



また、ぼんやりと眺める。



何も考えずに、ただ眺める。











僕はいつでも、あの夜の海に戻る事ができる。



目を閉じて、ゆっくり深呼吸して、一つ一つ思い出せばいい。



潮の匂い、波の音、風の感触……。



そうして目を開ければ、目の前にはまた、あの夜空が広がっている。



あの雲が流れている。



それから、視界のやや左側に目を向ける。



そして僕は、少しだけ微笑む。