image

 

先日行われた自由民主党総裁選挙2021の感想戦を、テキトーにやろうと思う。

 

 

●立候補表明の時系列

 

8月26日に、岸田文雄氏が立候補を表明。

 (2020年以来、二度目の登場)

 

9月3日に、菅義偉氏が立候補しない事を表明。

 

9月8日に、高市早苗氏が立候補を表明。

 (初登場。8月5日に立候補意思の報道はあった。)

 

9月10日に、河野太郎氏が立候補を表明。

 (2009年以来、二度目の登場)

 

9月15日に、石破茂氏が立候補しない事を表明。

 

9月16日に、野田聖子氏が滑り込みで立候補を表明。

 (初登場。過去に立候補の噂は何度かあった。)

 

 

●ガースーはアベ政治の本来の残り任期を全うする事に

 

不出馬を表明する前日までは、

「党の役員人事を刷新する!」

「総裁選前に衆議院を解散する!」

など、ゴミのマスコミ報道が先行していた。

 

ところが、ガースーはそんな報道を全て覆し、内閣支持率の低下を考慮し(このままでは衆議院選挙を戦えないと思った?)、安定した自民党政権の継続を選択。自身は任期満了まで新型コロナウイルス対策に専念することとなった。

 

ガースーは、元々、アベ政治の残り任期を継承する形で総裁総理になったし、ここが一区切りと判断したのかもしれない。コロナ対策の連続で、体力の限界だったかもしれない(72歳やぞ)。何より、トップにしがみ付く強欲さも無さそう人だからねw

 

 

●岸田氏は入念な準備をしていた

 

岸田氏は、一年前の総裁選挙2020でガースーに大敗して以降、一年後の総裁選挙2021を睨んで密かに入念に準備をしていた。

 

ガースーが不出馬を表明する前の8月26日に早々に立候補を表明。ガースーと選挙戦で再び対峙する覚悟であった。

 

 

国民の声を聞く事をテーマに「岸田BOX」を設け、できるだけ多くの疑問や質問に答えてきた。

 

岸田氏が派閥主を務める「宏池会」は、保守本流と言われているが、そういう色を出す事はあまり無かったように思う。

 

 

●高市氏は保守層を繋ぎ止めるための駒

 

高市氏が立候補を表明したのは9月8日になるが、8月5日に「立候補するのでは?」という報道が流れていた。

 

また、以前から、アベに再び立候補するように勧めていたようだが、アベが固辞したために自分が出ようという事になったようだ。

 

ガースーが立候補していたらどうなっていたかはわからないが不出馬を表明したために、一気に立候補に傾いた。

 

 

掲げた政策こそ素晴らしいものがあったが、偏った保守層に支持されているという事で、世間からも右に寄りすぎているとさえ言われた。そうでないとしても、高市氏がタカ派であるのは疑いようがない。

 

 

そんな高市氏だが、以前から、森羅万象すべて担当するアベとの繋がりは深い。(政治的な意味で)

 

という事は??? アベが送り込んだ刺客なのでわ???

 

・自民党から離れかけているであろう保守層を繋ぎ止める。

・決選投票に持ち込ませるための票割り要員。

 

個人的に、そう思えてならなかったw

 

 

今の時代、外務大臣や防衛大臣を経験していないと、総理大臣としての外交はキツイものになると考えられる。そう思うと、高市氏では荷が重いし、アベが本気で熱烈に支持するとも思えない。

 

高市氏に投票した私が言うのもアレだがww

 

 

●河野氏は本気だったのか?

 

ガースーが不出馬を表明して以降、立候補が取り沙汰されたのが河野氏だ。所属する派閥主の麻生閣下と何度も面会を重ねた上での表明となったようだ。面会時にどんな話があったのかが非常に気になるところだw

 

 

ところが、9月10日の会見で河野氏は、こう決意表明した。

「少しずつ手を伸ばしていけば、星にだって手が届くかもしれない」と。

 

あの徹底した超の付く現実主義者で、実務突破型の王道を突き進んできた河野氏が、あんなお花畑脳満開な表現を言うのが信じられなかった。

 

表明会見の内容も、いつもの河野氏とは違って、どこか曖昧な表現ばかりで、いかにもB層受けするような発言が多かった。

 

これは意図的な作戦だったのか? それとも、実は本気じゃないアピール???

 

 

●「ミスター総裁選」の石破茂氏は立候補を見送り

 

総裁選に出ては(2008年・2012年・2018年・2020年)、党員票こそ善戦する事はあっても、人望の無さから議員票では人気のないゲルさんは立候補を見送り、河野氏を支持すると表明。

 

河野氏はゲルさんを受け入れたが、素直に受け入れる河野氏ではなかろうよw

これまた何か策略でもあるのではないか?と思った。

 

それともゲル潰し???

 

 

●ネット工作員による扇動

 

高市氏と河野氏が立て続けに立候補を表明した頃、河野氏に関するデマが、ネット工作員やビジネス保守連中によってネット上で飛び交うようになった。かなり酷い誹謗中傷の書き込みや画像も飛び交った。

 

・河野は女系天皇容認派だ!

・河野は脱原発派だ!

・河野は会見の時だけブルーリボンバッジを付けた!

・河野は親中で中国ポチだ!

・河野は親族の会社(日本端子)を通して、太陽光パネル利権を得ている!

 

 

そして、このネット工作員らは、河野叩きをするのと同時に、高市ageをしていた。

 

執拗な河野叩きに耐えかねた高市氏が、ツイッターで声明を出すにまで至った。これは、さすがの私もシビれましたね。

 

だが、効果はあまりなかったようだ。もはや、ネット工作員を自白しているようなものだ。

 

こうして、左寄りの河野氏、右寄りの高市氏という構図が作られた。

 

そんな中、岸田氏は粛々と温和に政策をアピールしていた。

 

 

●滑り込みで立候補した野田氏

 

公示日の1日前になって、滑り込みで立候補を表明したのが野田氏である。9月14日の時点で、立候補を匂わすツイートをしていた。

 

野田氏が掲げた政策は、前出の3候補とは異なり、

「多様性」「子どもまんなか」「女性」「男女共同参画」「障がい者」「高齢者」「介護政策」「LGBTQ」「貧困の格差」「少子化問題」「孤独・孤立」といった、実際に障害者の子を持つ母親の視点ならではの考えを打ち出し、更に若手議員が取り組んでいる「こども庁」を、総裁選の政策議論のテーブルに乗せてきた。

 

自民党議員では少ない、どちらかというと野党的な政策……というか、本当にバカ野党が言い出しそうな政策が多かった。

 

だが、野田氏こそが、総裁選2021のキャスティング・ボートを握る人物であった。

 

役割としては、議員票の票割りはもちろんだが、それ以上にバカ野党が言い出しそうな政策を全て奪い取った。ここまでくると、総裁選の刺客でもありながら、野党潰しの刺客でもあった。

 

もっとも、野田氏を背後から操ったのもアベだけどwww

 

 

●総裁選挙2021の政策討論は非常に盛り上がった

 

4名の候補者が、それぞれの政策を持ち寄って、テレビのニュース番組や記者クラブ、ネット上で討論を繰り広げていった。

 

気が付けば、総裁選挙2021はかなりの注目を集めた。

バカ野党の存在感など皆無で、せいぜい「アベノミクス検証」などで批判するのが精一杯のブザマな有様www

 

12日に渡る政策討論会を通して、自民党の政策や基本方針を、党員だけでなく一般の視聴者にも幅広くプレゼンできたし、アピールできたのではないか。そうした中で、自民党全体としての政策も洗練されていったと思う。

 

「総裁総理が誰になるのか?」に焦点が集まりがちだが、一番の目的は、風通しの良い開かれた政策討論をする事で、世間に対して自民党という政権・与党をアピールする事にある。

 

全ては、国政選挙で勝つため。

 

最終的には、堅実さや実直さを貫いた岸田氏が決選投票を制して、第27代自民党総裁になった。

 

河野氏は、議員票で伸び悩んでしまったが、党員票ではトップ。ツイッターのフォロワーが240万人以上だけの事はあって知名度が高いのだろう。ネット上でのネガキャンなど何の効果もなかった事が改めて判明したw

 

高市氏は、当初は泡沫候補とさえ言われていたが、最終的にかなりの議員票を得る事ができたのは今後に繋がるだろう。

 

 

●総裁選挙2021の最大の殊勲者は野田氏

 

ガースーが不出馬を表明し、岸田氏・高市氏・河野氏の3名が立候補に名乗りを上げた時点で、決選投票の可能性はかなり高かったが、新たに野田氏が立候補した事によって、決選投票にもつれ込むのは100%確実なものになった。この4名ならいきなりワンサイドで決着はつかないからね。おかげで、穴だらけの党員票の効力を封じ込める事ができた。

 

そして、政策討論する中でも他候補者とは違う視点で政策が語られる事もあったり、時には他候補者に鋭く切り込んだりなど、一番盛り上げてくれたのではないか。

 

何やかんや言われている野田氏だが、郵政大臣や総務大臣、内閣府特命担当大臣を歴任してきただけの事はある。選挙にも強い。党内野党という見方もできるが、特化型の役職でチカラを発揮するタイプなのではないか。

 

 

 

●やっぱりアベw

 

だが、総裁選挙の裏側では、権力闘争や巧妙な駆け引きが行われている事も忘れてはならない。これが政治であり、決してキレイ事ではやっていけないのが政治の世界なのである。

 

最近の世界情勢や今秋の衆議院選挙を見据えた時、"今"は岸田氏が適任であるという事なのだろう。

 

河野氏に関しては、アベの中で優先順位は決して低くないものの、"今"ではないという事で今回は外した感を演出したのではないか。ゆえに、アベ政治で外務大臣・防衛大臣を歴任した河野氏の本気はもう少し先になるだろう。

 

そして、4名のうち、誰が総裁総理になろうとも一致団結できる環境を整えていたのも凄い。

 

 
やっぱりアベ!
 
森羅万象すべて担当しているのはダテじゃないw
 
総裁総理が新しくなろうと、これからも私はアベ政治を許していきます。

image