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第201回国会に提出された議案『国家公務員法等の一部を改正する法律案』について。

・内閣府

国家公務員法等の一部を改正する法律案の概要

・衆議院(第201回国会)

国家公務員法等の一部を改正する法律案

・参議院(第201回国会)

国家公務員法等の一部を改正する法律案

 

結論から言うと、第201回国会での成立を見送り、継続審議となる事が濃厚。

 

 

●関連法律

・電子政府の総合窓口e-Gov

国家公務員法

検察庁法

地方公務員法

 

 

●現在の定年制度

 

「年金制度改革」によって、公的年金(厚生年金)の支給開始年齢が段階的に65歳に引き上げられる事になった。

 

それによって、これまでは「60歳で定年退職」だったのを、65歳にまで定年を引き上げる必要性が出てきた。なぜなら、60歳定年退職以降、嘱託などの継続雇用を希望しても、なかなかその通りにならず、すぐに年金が支給されず、65歳まで待たなければならなくなる可能性が生じるからだ。

 

その後、「高年齢者の雇用の安定等に関する法律」の改正案が2012年8月29日に成立し、2013年4月1日に施行された事で、民間企業において「定年を65歳まで引き上げ」「継続雇用制度の導入」「定年の定めの廃止」のいずれかの措置を導入する義務が生じる事となった。

 

つまり、雇用継続と年金受給との接続である。

・厚生労働省

高年齢者雇用安定法の改正~「継続雇用制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みの廃止~

「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律」の概要

 

だが、その法律はあくまでも「民間企業」に対する適用であり、「公務員」には適用されない。

 

よって、年金支給年齢を考慮した時、公務員も同様に定年を65歳にまで段階的に引き上げる必要性に迫られた。

 

 

●人事院の意見の申出

 

人事院の公式サイト内に、「定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正について」の意見の申出がある。

・人事院

人事院の意見の申出

 

二つあるが、古い方の日付は「平成23年9月30日」とあり、当時の総理大臣は野田ヨシヒコ君である。

・人事院

意見の申出(本文)

意見の申出のポイント

意見の申出の骨子

 

 

つまり、悪夢の民主党政権の時から、公務員の定年引き上げの要望があった事になる。

 

そりゃそうです。

 

民主党の支持団体は労働組合であり、その中には公務員の労働組合である「全日本自治団体労働組合」(自治労)「日本自治体労働組合総連合」(自治労連)もいるのだから。彼らにとって、定年引き上げ案は肝煎りと言っていい。

 

しかし、悪夢の民主党政権時には実現されず、それをアベ政治が引き継いだ形となった。

 

 

『国家公務員法等の一部を改正する法律案』の提出

 

上記の経緯もあり、野党である国民民主党の後藤祐一議員ほか7名が2018年6月1日に提出している。議案番号は「衆法196-30」。

 

第196回国会…2018年6月1日提出、2018年7月18日付託。その後、閉会中審査。

第198回国会…2019年1月28日付託。その後、閉会中審査。

第201回国会…2020年1月20日付託。

・衆議院

第196回国会30 国家公務員法等の一部を改正する法律案経過本文

 

 
●東京高等検察庁検事長・黒川弘務の定年延長を閣議決定

 

1月31日。

東京高等検察庁検事長を務める黒川弘務氏の定年延長が閣議決定された。

 

黒川氏は、1957年2月8日生まれ。

2020年2月8日に63歳となり、「検察庁法」の第22条の定めにより、誕生日前日の2020年2月7日に定年退職する事となっていた。

・検察庁法 第22条

検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する。

 

しかし、それを閣議決定により半年間(2020年8月7日まで)延長した。

 

で、これに対して、バカ野党どもは、「検察庁法」の第22条及び第32条の2を持ち出して「違法行為だ!」と主張したわけだ。

 

 

検察庁法国家公務員法

 

「検察庁法」第32条の2によると、第15条・第18条~第20条・第22条~第25条の規定は「検察庁法」に則る事になっているようだ。

 

1981年(昭和56年)4月28日の衆議院内閣委員会の「国家公務員法」改正の審議において、当時の人事院の事務総局任用局長が「検察官に国家公務員法の定年延長は適用されない」といった旨の答弁があり、その後、改正案が可決・成立した経緯もある。

・国会会議録検索システム

第94回国会 衆議院 内閣委員会 第10号 昭和56年4月28日 (239より)

 

その時の「国家公務員法」の改正にて、定年に関する規定が導入された。

・国家公務員の定年退職年齢の規定………第81条の2

・国家公務員の定年退職年齢の特例延長…第81条の3

 

一方で、「検察庁法」は、

・検察官の退官年齢の規定………第22条

・検察官の退官年齢の特例延長…検察庁法には規定されていない

 

従って、

「検察庁法」(特別法)に規定されていない場合はどうすればいいのか?

何らかの理由で検察官の退官年齢を延長させたい場合はどうすれば良いのか?

という話になってくる。

 

 

約39年後の2020年2月3日の衆議院予算委員会において、森雅子法務大臣は、「国家公務員法」第81条の3第1項を根拠に、「検察庁法は国家公務員法の特別法。特別法に書いていないことは一般法の国家公務員法が適用される」と答弁し、法解釈の変更はあるものの、法的には問題ないとの見解を示した。
 

また、黒川氏の定年延長の理由を「重大かつ複雑、困難な事件の捜査・公判に対応するため、黒川氏の指揮監督が不可欠だと判断した」と説明した。

 

これは「法務省としての人事決定」でもあり、法務省からの請議(総理への要請)によって、内閣で閣議決定したという事である。

 

 

特別法(検察庁法)に規定されていない法律は、一般法(国家公務員法)を適用する。

 ↓
特別法(検察庁法)に「検察官の退官年齢の特例延長」は規定されていないから、一般法(国家公務員法)を適用する。

 

これがアベ政治の解釈である。そこんところは、法解釈の問題でしかなく、今回の解釈変更そのものが違法行為とは言えない。

 

 

1981年政府見解について、2月12日衆議院予算委員会にて、人事院の給与局長は「"現在"まで特に議論はなく、解釈は引き継いでいる」と答弁したが、2月19日に「"現在"という言葉の使い方が不正確だった」として、"現在"を"1月22日に法務省から相談があるまでは"に答弁修正した。

 

だが、それが逆に火に油を注いだのか何なのか、バカ野党は猛反発したようだwwwww

 

 

『国家公務員法等の一部を改正する法律案』の提出

 

2020年3月13日。

『国家公務員法等の一部を改正する法律案』が内閣より提出された。議案番号は「閣法201-52」。

それに併せて、「地方公務員法の一部を改正する法律案」も提出された。議案番号は「閣法201-53」。

・内閣官房

国会提出法案(第201回 通常国会)

国家公務員法等の一部を改正する法律案の概要

国家公務員法等の一部を改正する法律案の要綱

国家公務員法等の一部を改正する法律案・理由

国家公務員法等の一部を改正する法律案新旧対照表

国家公務員法等の一部を改正する法律案参照条文

 
法律案のポイントを見ればわかるように、『国家公務員法等の一部を改正する法律案』として、それに関わる33の法律(国家公務員法、検察庁法、警察法、自衛隊法など)が一括して束ねられている。いわゆる「束ね法案」である。
 

肝心の法律案の趣旨は、定年年齢を段階的に65歳に引き上げる事と、それに伴った給与や退職手当に関する改正案である。

 

なお、成立した時の施行日は、2022年4月1日となっている。

 

ここで騒ぎの種となったのが、「検察庁法改正案」の内容である……らしいw

 

 

「検察庁法改正案」の要点

 

ザックリまとめると、以下のようになっている。

 

(1)"定年による退職"(定年年齢の規定)の65歳への引き上げ

  ※役職に関係なく、検察官は統一して65歳定年にする。

  ※但し、63歳になった次長検事・検事長・検事正らは、一般の検事に退く。

 

(2)"定年による退職の特例"(定年の延長)を追記

  ※特例で最大3年間の勤務延長を可能にする。

  ※「国家公務員法」第81条の3に揃える。

 

定年の延長については、

「内閣の定める場合に限るものとする」

「内閣の定めるところにより」

「内閣が定める事由があると認めるときは」

といった文章が含まれている。

 

で、バカ野党どもは、定年年齢を65歳へ引き上げる事には賛成だが、"定年による退職の特例"(定年の延長)には猛反対という事のようだw

 

 

●バカ野党が「検察庁法改正案」に反対した理由w

 

何故か?

 

 アベは黒川を定年延長させて、自分の手下にする気か!

 アベは検察人事に介入するのか!

 アベの恣意的人事のせいで三権分立が破壊されるゥ!

 

などと言っているわけだが、全くの的外れであるw

 

まず、黒川氏が65歳になるのは2022年2月8日。

改正案が成立したとしても、施行されるのは2022年4月1日であり、たとえ、検察総長になれたとしても、この法律案が施行される前に65歳定年退官となってしまう。

従って、今回の改正案と黒川氏の人事とは何ら関係が無い!

 

次に、検察官のトップ人事においては、「検察庁法」第15条により、内閣が任免(任命と免職)する事と定められている。

つまり、既に内閣が人事権を持っているという事で、何らおかしな事ではない!

・検察庁法 第15条

検事総長、次長検事及び各検事長は一級とし、その任免は、内閣が行い、 天皇が、これを認証する。

 

そして、検察庁は司法だと思っているバカがいるようだが、検察庁は「行政機関」であり、法務省の特別機関という位置付けである。行政機関の長は内閣なわけで、恣意的もクソも無いわけw

 

 

 

 
 
そういうわけで、バカ野党やその支持者の言っている事は、全て推測の域を出ない陰謀論である、という事がハッキリとわかるw
 
 

#検察庁法改正案に抗議します というハッシュタグ

 

『国家公務員法等の一部を改正する法律案』が提出されて以降、「コロナを利用した火事場泥棒だ!」 と言わんばかりの反対勢力がいたわけだが、コロナに関係なく、前々から準備していた法案の一つである。しかも、前述にも記したように、民主党政権の頃からねwww

 

5月10日頃に、Twitterで、 #検察庁法改正案に抗議します というハッシュタグがトレンドのトップにきていた。そして、一部の芸NO人もこのハッシュタグを付けて抗議してきた。

 

その後も、類似のハッシュタグが現れたようだが、大半はスパムによるものと判明しており、それらのアカウントを抹殺した途端に、そのハッシュタグの件数が大幅に減ったのは言うまでもないwww

 

 

●そして見送りへw

 

2020年5月18日。結局、『国家公務員法等の一部を改正する法律案』は、今国会(第201回)の成立を見送り、継続審議とする事となった。

 

あっさりと引っ込めたアベ政治www

 

検察ばかりがクローズアップされてきたが、今国会に「検察庁法改正案」という法律案は提出されていない。あくまでも「束ね法案」の一つであるわけで、先送りするなら『国家公務員法等の一部を改正する法律案』を丸ごと一括よね。

 
で、アベ政治がそれをあっさりやって退けたので、マスコミはここぞとばかりにアベ政治を貶めるために叩きまくるわけだが、ハッキリ言って、アベ政治にはほとんどダメージが無いと言ってもよく、ほとんど困らないw

 

 

●一番お困りなのは誰か?

 

それは、地方公務員の労働組合である「自治労」と「自治労連」であろうw

 

『国家公務員法等の一部を改正する法律案』が引っ込められた事で、同日提出された「地方公務員法の一部を改正する法律案」が道連れにされるのはほぼ確実だ。

 

なぜなら、「地方公務員法」は、基本的に「国家公務員法」に準拠した内容になっているからだ。給与条例など一部の相違点もあるが、「国家公務員法」を定めなければ「地方公務員法」も定める事はできないだろう。

 

で、その法律案が改正されないと、公務員の継続雇用と年金受給はいつまで経っても接続されず、年金受給年齢65歳になるまで働きたくても働けずに待つしかなくなるわけだ。老齢年金もあるにはあるがw

・自治労

第158回中央委員会~春闘方針を決定  「参加する春闘」の実現を

・自治労連

シリーズ31 いちから学ぶ仕事と権利 公務員定年引き上げ 今通常国会で法案提出へ

 

 

定年引き上げは、まさに公務員労働組合にとっては肝煎りと言っていいものだが、SNSで芸NO人や工作員やスパムを用いてまで、法律案の改正を張り切って大妨害したのはバカ野党連中である。

 

張り切りすぎたがために、かえって墓穴を掘って自ら落っこちてしまったようだwwwww

 

定年が引き上げられると喜んでいた「自治労」(民主系)や「自治労連」(共産系)は、定年引き上げをぶち壊されてしまって、激オコなんじゃないのwwwww

 

見送りの報を受けて、焦っているのは寧ろバカ野党だろwww

自分たちの支持団体の顔色が気になって仕方がないwww

 

そして、そこに全く気が付かないバカ野党支持者は、何とも滑稽であるwwwww

 

 

●まとめると…

 

バカ野党やその支持者が、『国家公務員法等の一部を改正する法律案』「検察庁法改正案」にすり替えて妨害工作。

 ↓

アベ

「枝野寝てろちゃん、そんなにコレ止めてほしいの?」

「う~ん、まぁ、国民の理解なしでは前に進められないからね~。」

「じゃあ、この法律案は引っ込めるよw まぁ頑張ってね~。」

 ↓

バカ野党の支持団体の「自治労」や「自治労連」が激おこw
 ↓
バカ野党、窮地に立たされて焦り出すw

 ↓

必死になって、 #検察庁法改正部分は切り離し とか言い出すwww

 ↓

バカ発見器・バカッターの本領発揮wwwww

バカ野党や芸NO人が炙り出されるwww

 

この流れを見たら、今のバカ野党が必死こいて、「特例で最大3年間の勤務延長を可能にする」だけを抹殺したくてしたくてたまらない事が伺える。

 

 

 

 

 

そういう事で、現在は、『国家公務員法等の一部を改正する法律案』という「束ね法案」から「検察庁法改正案」を切り離せ!という流れになってきた。

 

だがもう遅いwww

 

そんな事をすれば、紛れもない職業差別にもなるし、検察官と他の国家公務員とで定年の違いが生じてしまう。だからこその「束ね法案」なのに。

 

たかだか、定年年齢の引き上げと定年の延長、それに伴う給与の改正なのだから、切り離さずに一括でやればいいんだよw

 

 

●更にダメ押しw

 

5月19日。自民党の世耕弘成 参議院幹事長が、『国家公務員法等の一部を改正する法律案』の今国会での成立が見送られたことについて言及した。

 

非常にやんわりとお答えいただいているが、要約すると、

 

「公務員の定年引き上げをしてもいいけど、引き上げ年齢分の給料も民間と同様に下げるからなw」

「天下りはさせないからなw」

「それがイヤなら、失業した若者や就職氷河期世代を公務員採用するからなw」

…と言っているようにしか聞こえないwwwww

 

つまり、公務員労働組合にとって「定年引き上げ」は、将来的に、しても地獄(給与激減)、しなくても地獄(60歳定年退職から65歳年金受給開始まで空白期間が5年ある)というふうになりそうな予感wwwww

 

これが世耕さんの上手いところ!

 

何にしても、『国家公務員法等の一部を改正する法律案』を巡って、陽動作戦を展開し、バカ野党を巧みに手のひらで踊らせたアベ政治の大勝利は確実だ!

 

アベ、恐るべし!!