2020年4月7日に、『緊急事態宣言』が発出された。
・首相官邸(2020.04.06)
・首相官邸(2020.04.07)
新型コロナウイルス(COVID-19)が国内で発生し、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したと認められたからだ。
まず、日本では、『緊急事態宣言』を出しても、海外のような「都市封鎖」を意味しない。
日本の法律上、「しない」のではなく、「できない」ため。
これまで『緊急事態宣言』をしなかったのは、その時は必要な状況下にはなかったから。
そして、4月7日に『緊急事態宣言』をしたのは、"今"必要になったから。
それ以外の何モノでもない。
"今"でしょ!
『緊急事態宣言』という事で、これまで以上に「自粛」の要請を求めていく事から、経済活動は更に影響を受けて停滞してしまう事は容易に想像できる。
従って、発出期間の「自粛」と「生活保障」は、セットでなければならない。そのための経済政策など、様々な方面に根回しする必要があった。
◎『緊急事態宣言』の理由
・爆発的な感染の拡大を防ぐため
→感染につながるヒトとヒトとの接触を極力減らす
→「密閉」「密集」「密接」の3密を避ける
・医療提供体制をしっかりと整えていくため
◎発出期間
2020年4月7日から5月6日までの1ヵ月間。
ゴールデンウィークが終わるまでだが、感染拡大の状況等から措置を実施する必要がなくなれば、速やかに解除される。
◎対象地域
「東京都」「神奈川県」「埼玉県」「千葉県」「大阪府」「兵庫県」「福岡県」の7都府県。
その理由は、感染源(リンク)が未知の感染者数の推移が高いから。
・厚生労働省(2020.04.01)
なお、愛知県は、兵庫県と同程度のようだが、現時点では必要ないという判断のようだ。愛知県は、累計が多い割に新規感染者数の増加率は緩やかなになっている。
・愛知県
●そもそも、『緊急事態宣言』とは何か?
民主党野田内閣時代の2012年4月27日に「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(特措法)が成立したが、2020年に新型コロナウイルス感染症の蔓延のおそれにより、2020年3月13日に改正案が成立した。
法改正により、2021年1月31日までの間、新型インフルエンザ等の"等"に、新型コロナウイルス感染症も含まれる事となった。
そして、第32条により、新型インフルエンザ等が国内で発生し、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したと認める時は、新型インフルエンザ等『緊急事態宣言』を行えるようになった。
・電子政府の総合窓口e-Gov
・内閣府
・厚生労働省
『緊急事態宣言』において、特定都道府県知事には権限が強化され、主に以下の措置を講ずるよう協力要請する事ができるようになった。(第45条以降)
(1)外出自粛の要請(生活の維持に必要な場合を除く)
(2)学校、福祉施設、興行場、多数の者が利用する施設の管理者や開催者に対する使用制限もしくは停止の要請・指示
(3)イベント開催の制限及び停止の要請・指示
(4)緊急物資の運送の要請・指示
(5)臨時医療施設開設のための土地等の強制使用
(6)政令で定める特定物資(医薬品、食料等)の売渡しの要請・収用
これまでの「外出自粛」は、各自治体の判断で呼びかけられていたが、『緊急事態宣言』によって、法的根拠を持つ事になる。
正当な理由がないのに「要請」に応じない時、特に必要があると認める時に限り、要請に係る措置を講ずべき事を指示する事ができる。要請や指示をした時は、遅滞なく、その旨を公表しなければならない事になっている。
※(5)(6)には罰則がある。また、損失補償の規定がある。
●『緊急事態宣言』の後の経済社会活動
社会機能維持のために可能な限り維持していく。
・電車などの公共交通機関は動く
・スーパーなども引き続き営業する
宣言の発出によって会社が休業になった場合でも、「雇用調整助成金」を活用すれば良い。
●『緊急事態宣言』による経済政策
《緊急経済対策の規模》
◎財政支出…39.5兆円
・国・地方の歳出…27.0兆円
・財政投融資…12.5兆円
◎事業規模…108.2兆円
※GDP(国内総生産)の2割に当たる。
・内閣府
◎無利子融資
→民間金融機関に拡大!
◎納税や社会保険料の支払い猶予制度
→総額26兆円規模!
・財務省
《令和2年度一般会計補正予算》
・財務省
令和2年度予算 (2020年3月27日成立済:102兆6580億円)
・財務省
令和2年度補正予算 (2020年4月7日閣議決定:16兆8057億円)
・経済産業省
※但し、令和2年度の補正予算案が成立する事が前提なので、閣議決定した4月7日の時点では"正式決定ではない"ところに注意。
歳出の内容はどれも重要だが、特に(2)の「雇用の維持」「事業の継続」の2点を理解しないと、一律給付ガーの現金クレクレ厨になってしまうw
そのために、「中小・小規模事業者等」や「生活に困っている世帯」に給付金を出す。
23176億円+40206億円=6兆3382億円!
これが、アベが言っていた「6兆円を超える現金給付」に当たる。
まずは、彼らを優先的に支援していかないと、企業は立ち行かなくなってしまい、そこで働く人たちや何らかの形で関わっている人たちの収入源が途絶える事になってしまう。
現時点で、現金クレクレ厨の主張みたいに、全国民に一律現金給付でバラ撒いたところで、外出を自粛されている今、効果が限定的なのは目に見えて分かる事(これはベーシックインカムにも同じ事が言える)。何より、企業が倒れて仕事が無くなってしまったら何の意味もないだろ。
というわけで、この補正予算によって、事業の継続を後押しし、雇用を守り抜いていく。
歳出合計と歳入合計は、それぞれ、16兆8057億円!
・建設公債…2兆3290億円
・特例公債…14兆4767億円
・財務省
マスコミは、特例公債の事を「赤字国債」と表現しているが、"赤字"という、庶民にとって決して良い印象を持たない語句をあえて使う事で、経済無知の不安や怒りの矛先をアベに向けようとしているのがよくわかるなw
●トラブルは素晴らしいチャンス
新型コロナウイルスが出現して以降、マスコミや言論人などによって大騒ぎとなってしまい、それにビビって扇動されてしまう人が多い中で、アベ政治は毎日ギリギリの政治判断をしながらよくここまで対処していると感心するね。
一時は、相当披露が溜まって疲れてるんじゃないの?と思ったものだが、ココにきて、トラブルを素晴らしいチャンスに変えるアベの目が輝いてきた!
・(Youtube動画)
ココからの1カ月間の国民一人一人の行動に命運が懸かっている!
壇蜜wwwww
壇蜜さん pic.twitter.com/d36NYdLOoI
— EARLの医学ツイート (@EARL_Med_Tw) April 7, 2020
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