『European Union』(EU/欧州連合)とは、マーストリヒト条約により設立されたヨーロッパの地域統合体である。

 

『EU』とは、どういった連合なのか?

・外務省
欧州連合(EU)
・国土交通省
欧州連合の地域政策等の概要

 

 

 

 

 

●EUの仕組み

 

 

●欧州委員会の構成と機能

 

 

●European Central Bank

 

EUの中央銀行は、『European Central Bank』(ECB/欧州中央銀行)である。

 

中央銀行の仕組みは以下より。

【敵は銀行】「中央銀行制度」と「金融緩和」

https://ameblo.jp/firebird-1090/entry-12437124026.html

 

ECBの現在の総裁は、イタリア出身のMario Draghi(マリオ・ドラギ)である。

 

ドラギは、1991年4月から2001年まで、イタリア・アンドレオッティ内閣で総務局長を務めた。

 

2002年から2006年まではGoldman Sachs副会長を、2006年1月16日から2011年まではイタリア銀行の総裁をそれぞれ歴任した。

 

そして、2011年より、欧州中央銀行の総裁を務めている。総裁任期は2019年10月31日まで。

 

経歴だけで判断するわけではないが、ドラギは紛れもなくGoldman Sachsの使いの者…いやっ、もはやポチである。

 

ドラギは、Goldman Sachsの"ご意向"で動いており、EU圏内での独裁は横行し、緊縮財政を敷いているのが現実である。

 

 

スーパーマリオドラギwww

 

 

●経済収斂基準


EUには、マーストリヒト条約に定められた「経済収斂基準」という財政規律が存在する。これが非常に厄介な存在だ。

 

※「収斂」は、"しゅうれん"と読む。

 

 


・財政赤字…対GDP比で3%以内
・債務残高…対GDP比で60%以内

 

上記のルールや、目標のGDPに到達しなかった場合は、制裁金を課せられる事がある。ただし、現在のところ、制裁金を支払った例はないらしく、いついつまでにこれだけ改善すると約束する事で制裁金を免れる事があるようだ。

・内閣府
世界経済の潮流2010年 II

 

 

●欧州中央銀行のマネタリーベース(Base Money)

 

※単位は100万ユーロ

 

2015年から2018年末にかけて、大胆な金融緩和をしている事がわかる。しかし、雇用状況はなかなか思うように改善されていないのが現実である。(後述)

 

 

●緊縮財政

 

EUは、財政出動に上限をかけ、国家の権利も奪っている。

 

当然、EU諸国に通貨発行権などなく、欧州中央銀行によって金融財政をコントロールされている状態である。

 

「緊縮財政」を強いる事によって、政府の弱体化を狙い、国民には豊かな生活を与えない。

 

EUという名の金融支配だ。

 

 

●EUの失業率

 

EU諸国は、失業率が高水準に位置している。もちろん、緊縮財政が原因である事は言うまでもない。

 

量的金融緩和をし、ピークだった2013年と比べれば改善されてはいるが、それでもまだ高水準のままだ。

 

 

 

 

 

 

・JETRO(2018.12.07)
10月の失業率はEU、ユーロ圏ともに横ばい

・ユーロスタット(2018.11.30)

Euro area unemployment at 8.1% 

 

 

●ルクセンブルクのユンケル皇帝


Jean-Claude Juncker(ジャン=クロード・ユンケル/欧州委員長)とはどんな人物か。
 

まず、私は、彼を「ユンケル皇帝」と呼んでいる。由来は、佐藤製薬の「ユンケル黄帝液」から来ているwww

 

※なお、Junckerは、「ユンケル」とも「ユンカー」とも読めるが、前述の理由により「ユンケル」で統一する。

 

1984年に初当選を果たし、当時のサンテール政権の労働大臣に任命された。

1989年7月14日から2009年7月23日まで、ルクセンブルクの財務大臣に任命された。

 この頃、世界銀行の総務にも就任した。

1995年1月20日から2013年12月4日まで、ルクセンブルクの第23代首相を務めた。

 この頃、世界銀行の総務を辞任し、国際通貨基金(IMF)の総務に就任した。

 

所属政党は「キリスト教社会人民党」(Chrëschtlech Sozial Vollekspartei/CSV)

であった。

 

また、2回目の当選後、一気に地位が高まり、経済・財務理事会の議長を務め、マーストリヒト条約EU通貨・ユーロの創設と、大きな影響力を発揮し、条約には自ら署名した。

 

そして、2014年11月1日に、欧州委員長に就任した。任期は2019年10月31日までで、再任もできるが、本人は引退を表明している。しかし、策士のユンケル皇帝の事だ。果たしてどうなるか。

 

とにかく、欧州では物凄く影響力が大きく、頭は相当キレる人物だ。おそらく、天才肌の策士の一人であろう。

 

そんなユンケル皇帝が、ナント、日本に土下座外交をしたwww

 

あれは忘れもしない、2018年7月の事である。

 

 

●日欧経済連携協定(EPA)

 

2019年2月1日に、「日欧EPA」が発効した。

 

 

 

・外務省
日EU経済連携協定(EPA)

 

2013年4月より、アベが、EUのユンケル皇帝らと交渉に交渉を重ねてきた事でできた通商協定である。

 

当初は2018年7月11日にブリュッセルにて、EPA協定の署名をする予定であった。

 

しかし、7月5日に西日本豪雨により甚大な被害が拡大した事を受けて、アベの訪欧が取り止めとなった。

 

これまでの日本であれば、EUから「署名しに来れなくなった?ふーん、別にいいよ。じゃあこの話は無かった事にしようか?w」と、切られていたかもしれなかった。

 

ところが、我らが外交の天才・アベはやりやがったw

 

アベの訪欧取り止めの報を聞いたユンケル皇帝とトゥスク理事会議長は、一日でも早く署名締結したいと思ったのか、土下座外交に踏み切ったwww

 

7月17日に東京で、日欧首脳協議が開催され、そこで協定の署名に至った。

 

EPAの内容は、日本に有利なもので、アベの大勝利と言っていい!

 

EUとしては、イギリスの離脱する穴を日本との通商で補いたかったという事なのだろうと予想する。

 

 
ユンケル皇帝もホッと一息www

 

 

●反EUの台頭

 

そんなEUの傲慢なやり方に、EU諸国の国民は怒りを隠せない。

 

EU諸国民は、EUのトップや中央銀行の総裁を選ぶ事ができない。

 

そこは日本銀行の総裁人事も同様だが、そこには民主主義も国家主権もないのだ。

 

そりゃあ、この女性も怒りますわなw

 

 

 

 

ここ数年の間で、国民がEUの正体に気付き、反EUが台頭してきた。銀行勢力や一部のエスタブリッシュメント(貴族階級)らによる金融支配を破壊しようと思っている。

 

しかし、マスコミは、そんな反EU勢力を「極右」と揶揄して叩きまくる。

 

反EUの急先鋒に立ったのがイギリス、次いでイタリアだ。

 

 

△イギリス

 

イギリスの反EU・EU離脱勢力は、ここ数年の話ではなく、マーストリヒト条約発効前後からあった。1994年には、イギリスのEU離脱を党是とした政党が立ち上がったほどだ。

 

EUと言えば、通貨は「ユーロ」だが、イギリスはユーロの導入を阻止し続け、現在も通貨は「ポンド」である。

 

反EU勢力は年々増していき、ついには「イギリスのEU離脱是非を問う国民投票」へと発展した。2016年2月20日に、当時のキャメロン首相が発表した。

・The Gardian(2016.02.20)

EU referendum to take place on 23 June, David Cameron confirms

 

イギリスは、EU離脱派EU残留派に二分されていた。

 

EU離脱派には、保守党、イギリス独立党などがついた。

 

EU残留派には、保守党エリート(キャメロン首相を含む)、労働党、スコットランド民族党がついた。更に、Goldman SachsMorgan Stanleyなどの米投資銀行も多額の資金援助をした。

 

また、当時の内務大臣で、後に首相となるテリーザ・メイ大臣(保守党)は、消極的な残留派であった。

 

 

2016年6月23日に、「イギリスのEU離脱是非を問う国民投票」が行われた。

・離脱…17410742票(51.89%)

・残留…16141241票(48.11%)

・有効投票数…33551983票

 

・無効投票数…26033票

・投票総数…33578016票

 

・有権者数…46501241人

・投票率…72.21%

 

と、51対49の対決を制したのは離脱派であり、イギリスはEUから離脱する事が決定した。

 

この頃から耳にするようになった『Brexit』(ブレグジット)とは、「Britain」+「exit」を掛け合わせた造語である。

 

残留派のリーダーで首相のキャメロン氏は辞任を決意し、後任にはメイ氏が就任する事となった。

 

メイ首相は、消極的残留派でありながら、国民投票の結果を重く受け止め、イギリスのEU離脱のために動いた。親EU派という名の金融ポチやブリティッシュぱよちんからの激しい圧力や抵抗もあった。

 

離脱したら、イギリスの経済はどうなるのか?そういった懸念はもちろんあったが、そこに助け船を出したのが日本のアベが操縦する「TPP」である。

 

EUから離脱できそうで延期を繰り返しているイギリス。果たして、無事にEUから離脱する事ができるのか??!

 

 

△イタリア

 

イタリアの国民も目覚めた。反EU派のジュゼッペ・コンテ氏(無所属)が2018年6月1日に閣僚評議会議長(首相)になった事で、反EU派の勢力はかなり台頭した。我らがアベやトランプ米大統領との関係も良好だ。

 

 

 

 

中国・習近平国家主席と連携し、一帯一路の覚書にサインしたのは、EUと中国を分断するのが目的。

 

そして、銀行勢力の排除だ!

 

そもそも、一帯一路とは、米投資銀行がスポンサーだ。だからこそ、分断する必要がある。そういう文脈であると私は捉えている。

・ロイター(2019.03.25)
イタリアと中国、「一帯一路」覚書に署名 主要7カ国で初

 

 

●欧州議会議員選挙(2019)

 

日程:2019年5月23日~5月26日(4日間)

加盟国:28(イギリスを含む)
議席:751(イギリスを含む)
 ※定数配分は2014年と同じ

 

 

 

 

EU議会議員選挙とは、「金融銀行勢力支配・緊縮財政のEU派」vs「反緊縮・反移民・打倒貴族階級の反EU派」という対立構造である。

 

欧州議会選挙の結果は、EU諸国だけでなく、他国にも影響を及ぼす。日本の場合は消費税と日欧EPAであろうか。

 

世界に緊縮増税圧力を掛けてきたEUや銀行勢力の現在のチカラがどれほどのものなのか。反EU派が台頭すれば、消費税増税の凍結や延期も有り得るのではないか?という予想もされた。

 

また、通商において、日本とは「日欧EPA」という"貿易拡大"の協定を結んだが、消費税増税となればそれは萎んでしまい、EUは自らのクビを締める事となる。

 

いずれにしても、欧州議会議員選挙の結果は、様々な影響を与えるものと予想できる。

 

欧州議会選挙は、国によって日程が異なり、トップバッターは、いきなり注目のイギリスだった。反EU派がどれだけ伸ばせるか。離脱できるかどうかにも影響してくるイギリス。

 

そして、熱戦・烈戦・超激戦の火蓋は切られたのだ。

・EU MAG
2019年欧州議会選挙について教えてください

 

 

●欧州議会議員選挙の結果 (※2019年6月6日更新)

 

<親EU> ⇒512
EPP…中道右派⇒179
S&D…中道左派⇒153

ALDE&R…中道リベラル⇒106
Green/EFA…環境政党⇒74

 

<反EU、EU懐疑> ⇒214
ECR…保守派⇒64
ENF…右派⇒58
EFDD…右派⇒54
GUE/NGL…左派⇒38

 

<その他> ⇒25
NI…無所属⇒9
Others…その他⇒16

 

・European Parliament
2019 European election results

 

結果としては、

親EUの2大政党(EPPとS&D)の合計が332議席となり、過半数を割ったw
しかし、中道リベラル(ALDE&R)と怪しげな環境政党(Green/EFA)の合計が180と、議席を増やした。

 

反EU&EU懐疑派の左右合計は214議席で、全体の28.49%だった。

 

その他の議員25議席は、親EUと反EUのどちらなのだろうか??

反EUであれば、全体の3割を超える事になるが、3分の1には届かない。

 

しかしながら、ほぼ選挙前の予想通りの割合になったのではないか?と思う。

 

 

では、EU各国の結果はどうだったのか。特に気になった、イギリス、イタリア、ドイツ、フランスの4カ国を取り上げてみた。

 

 

・United Kingdom(73 Seats)

 

EU離脱派EU残留派の対決構造は以下のようになっている。

 

▼残留派 (39.31%)
Liberal Democrat (自由民主党/19.76%)
Green (緑の党/11.77%)
Scottish National Party (スコットランド国民党/3.50%)
Plaid Cymru プライド・カムリ/0.97%)
Change UK (3.31%)

 

◎合意無き離脱派 (33.96%)
Brexit Party (ブレグジット党30.75%)
UKIP (3.21%)

 

△融和的離脱派 (22.57%)

Labour (労働党13.72%)
Conservative (保守党/8.85%)

 

 

イギリスは、党単位で見れば、新党の「ブレグジット党」ほぼ圧勝と言っていい。しかも、結党して間もない政党であるが、ここまでの支持を得られたのは、それだけ国民のEUに対する不満が溜まりに溜まっていたという事だろう。

 

しかし、「労働党」と、メイ首相の「保守党」が惨敗し、「自民党」がかなり増やした。怪しげな「緑の党」もぼちぼち。

 

そのため、「合意無き離脱派」よりも「残留派」の方が多い。契約合意による融和的離脱を目指したい労働党と保守党はどうする???

 

 

・Italy (73 Seats)

 

・Germany (96 Seats)

 

・France (74 Seats)

 

●反EU勢力「EFDD」の内訳(54 Seats)

 

「反EU」の中でも最もその意志の強い会派が「EFDD」である。

 

・United Kingdom
Brexit Party(ブレグジット党)
⇒29 Seats(New Party) 第1党!

 

・Italy
Five Star Movement (M5S/五つ星運動)
⇒14 Seats(↓3) 第3党

 

・Germany
Alternative für Deutschland (AfD/ドイツのための選択肢)
⇒11 Seats(↑4) 第4党

 

 

●EU機関の今後の首脳人事

 

4人揃って、今年が任期満了であるが、再任はあるのだろうか?!

 

 

 

●イギリス・メイ首相は辞任の意向

 

EU議会議員選挙の前に、イギリスのメイ首相(保守党)は辞任の意向を表明していた。金融街のポチに阻止されまくり、マスコミにも散々叩かれ、なかなか思うようにEU離脱ができない状態である事と、選挙をすれば惨敗する事を予想していたのだろうか。

 

 

また、ユンケル皇帝からは既にハシゴを外されてしまっており、突き放されていた。

 

 

しかし、メイ首相が辞任しようとも、イギリスのEU離脱の流れはもう止まらない。

 

「合意なき離脱」の一択になるからだ!

 

EU、マスコミ、欧州中央銀行、そしてその上層にいるGoldman SachsやMorgan Stanleyなどの投資銀行…。コイツらがどれだけ悪足掻きしようと、選挙によって民意は示されたと言っていい。
 
次期首相には、合意なき離脱派のボリス・ジョンソン氏が最有力か?! どうなるか見物である。
・CNN(2019.05.30)
 
イギリスのEU離脱の期限は、2019年10月31日だ!