【地方創生】「中枢中核都市」と「総合区」

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政府は「中枢中核都市」を推進している。

中枢中核都市について
地方創生推進事務局
(平成30年12月18日・首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/chusuchukaku/houdou.html

中枢中核都市の機能強化について
(平成30年11月22日)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/tiikisaisei/souseikoufukin/kentokai_dai2/181207kentoukai_shiryou3-1.pdf

 

「中枢中核都市」とは一体どんなものなのか?

 

自分なりに考察していきます。

 

 


「中枢中核都市」に選定されたのは、政令指定都市や道府県庁所在地市を中心に82自治体。もちろん、大阪市も含まれている。

 

東京圏への一極集中を抑制し、各地方の経済を活性化させて住民生活を支える。つまり、地方創生の推進を担う戦略。

 

コレは、日本政府のアベ政治の政策であり、アベ率いる政権与党の自民党が大阪都構想に反対する根拠であると推測します。

 

※但し、「国家の安全保障」に関しては地方に分散させてはならないという考えです。あくまでも経済の観点から、各地方経済の底上げを推進するものと理解しています。

 


▼大阪都構想

 

ザックリ言うと、

「大阪市」を廃止・解体
 ↓
複数の『特別区』に分割
 ↓
指定都市「大阪市」が所持していた行政権や財源を〈大阪府〉に返上
 ↓
残された行政権や財源を、複数の『特別区』に分割

 

という手順で、〈大阪府〉と「大阪市」を統合・合併する[府市統合]。

 

 

 

▼〈大阪府〉と「大阪市」の関係

 

以前は、〈大阪府〉と「大阪市」で意見が対立し、ベクトルの向きが違っていた事が多かった事から『府市合わせ』(不幸せ)と揶揄されてきた。

 

こうした経緯から、大阪維新の会は「話し合いでは解決は困難」として、『大阪都構想』という発想になったようだが……。

 

 

▼大阪維新の会の主張

 

(1)府市の二重行政を解消する
(2)住民に身近なサービスは身近で決定できる仕組みを作る
(3)民間でできることは民間でやる
 ↓
行政の最適化
 ↓
税金の無駄遣いを無くす
 ↓
大阪が成長する


との事だが、果たして本当にそうなのだろうか????

 

 

▼大阪都構想=政令指定都市「大阪市」の弱体化

 

前述の通り、都構想実現となると、指定都市「大阪市」が所持していた権限や財源の大半を〈大阪府〉に譲渡する事になる。

 

それにより、『再編成された特別区』は権限も財源も弱体化する事になり、〈大阪府〉の支配下となる。

 

 

 

▼都構想と道州制

 

「大阪都構想」が実現すれば、広域行政の一元化の実現例になり得る。そうなる事で「地方独立」にも弾みがつき、『道州制』へと向かっていく事になる。

 

『道州制』とは、都府県を廃止して、行政区画として道と州を置く地方行政制度である。廃藩置県ならぬ"廃県置州"である。

 


▼都構想の正体
 
都構想
 ↓
政令指定都市の解体・弱体化
 ↓
地方分権
 ↓
道州制、連邦制
 ↓

政府機能の弱体化

 ↓
国家分断、地方独立(小さな政府)

 ↓

反政府勢力が台頭するリスクの増大
 ↓
国家・国力の弱体化

 

そして、その先に待ち受けているのは、金融銀行勢力、ヘッジファンド、個人投資家たちによる乗っ取り…つまり、国家破壊である。

 


▼府市合わせ=不幸せ

 

・大阪都構想…大阪府を中央集権化
・道州制…各地方に権限を譲渡

 

一般的に『府市合わせ』とは「府市の二重行政」による《不幸せ》を指している。しかし、都構想や道州制の本質を見て取れば、[府市統合]という意味合いでの『府市合わせ』こそが《不幸せ》である。

 


◆自民党の道州制推進本部

 

かつて、自民党には道州制推進本部があった。

 

2007年11月2日、設置。

2008年5月29日、区割り案を提示。

http://www.pref.okayama.jp/uploaded/attachment/163928.pdf

2012年9月6日、道州制基本法案(骨子案)を提示。

https://www.jimin.jp/s/news/policy/130282.html

 

2018年10月15日、廃止。
(但し、自民党公式サイト内には残ったまま)

 


◆かつてのアベの見解?

 

アベは、2015年1月27日の代表質問で、大阪都構想と道州制について言及している。

2015.01.27(産経新聞)

【大阪都構想】安倍首相「目的は重要だと認識」衆院代表質問で答弁 - 産経ニュース https://www.sankei.com/west/news/150127/wst1501270051-n1.html

 

 

 

また、2014年4月に出演したテレビ番組では、「大阪都構想は応援したい?」という質問に【〇】と答えた事からも、アベは大阪都構想には賛成だと思われていた。

 

 

しかし、その頃は、オバマ(シティグループ)、ヒラリー婆(ゴールドマン・サックス)、メルケル婆(ドイツ銀行)が国際社会に幅を利かせていた全盛期だ。

 

金融緩和、都構想、道州制、世界最速級の永住権…。 これら全て国際情勢にある程度の歩調を合わせるためのリップサービスとパフォーマンスである(金融緩和は実施)。つまり、ウォール街に迎合するフリをする必要があった。

 

 

しかし、2016年11月8日、ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選挙に当選し、2017年1月20日に大統領に就任すると、国際勢力図の状況が一変する。

 

 

 

そして……

 


◇アベは大阪都構想に反対したw

 

2018年4月14日の自民府連党員大会で、アベは大阪都構想に反対である事を公言した。

 

「自民党大阪府連が決めたことは党の考え方であり、総裁たる安倍晋三の考え方でもある。」

2018.04.14(産経新聞)

安倍首相 大阪都構想反対を支持、自民府連党員大会 https://www.sankei.com/west/news/180414/wst1804140039-n1.html

 

 

こうして、維新の会は、一国の総理大臣にハシゴを外された。

 

「リップサービスでしょw」「総裁選対策でしょw」と、顔を真っ赤にして強がる都構想信者もいたが、
2018年9月20日、総裁選でアベは大阪府の自民党員の有効票の6割の支持を得た。

2018年10月15日には、自民党の道州制推進本部そのものを廃止した!

2018.10.15(ロイター/共同通信)

自民、総裁直属5機関を廃止

https://jp.reuters.com/article/idJP2018101501002210

 

そして、中枢中核都市の公表に至った。

 

 

 

※以下は、あくまでも私なりの解釈※

 

◎中枢中核都市
・政令指定都市、中核市、施行時特例市、道府県丁所在地など82自治体の強化
・東京圏への過度な人口流出を抑止する

 

▽大阪都構想
・大阪市の解体
・再編成された特別区は、金と権限を大阪府に奪われて弱体化
→中枢中核都市計画と逆行する愚策

 

 


☆中枢中核都市の機能強化で地方の発展を!

 

現時点で、政府資料があまり多くなく、議論も成熟していないだろうから、今のところはこれ以上の事は何とも…。

 

そして、地方創生を推進していくためには、ここから片山さつき内閣府特命担当大臣の力が必要になる。

 

という私なりの解釈です。

 

 

中枢中核都市について、わかりやすく説明しているブログを見つけた。

三重県四日市市の現役市長のブログです。

森智広「【『四日市市』が「中枢中核都市」に】全国で82市を選定。活力ある地域社会を維持する為の拠点都市へ」
https://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12443638992.html

 

 

 

そして、「中枢中核都市」とは別に、指定都市における「行政区」を『総合区』にする事も目指している。

 

◎指定都市 (政令指定都市、政令市)

 

・都道府県とほぼ同等の権限
※但し、都道府県に扱えて政令指定都市に扱えない事務処理もある。
※現在、20市ある。

 


◎行政区

 

・政令指定都市の内部組織
・行政区長は一般職(市長が職員から任命)
・市長に与えられた裁量の範囲内で執行
・予算意見可

 

※但し、法的にこのような名前になっているわけではなく、あくまでも通称で「行政区」(Ward)としている。

 

 

◎総合区

 

・政令指定都市の内部組織
・総合区長は特別職(議会の同意を得て市長が職員から選任)
・自ら行政事務を執行
・予算意見具申権あり

 

・政令指定都市の市長の権限に属する事務のうち、主としてその区域内に関するものを処理させるため、行政区に代えて設ける地域の事

 

総合区の制度は、「地方自治法の一部を改正する法律」の一部改正で導入され、2016年4月1日に施行された。現在、総合区に該当する所は無い。

 

 

◎特別区

 

・「都の区」と規定されている。(「東京都の区」ではない)
※現在、該当するのは東京23区のみ

・市町村とほぼ同等の独立した基礎的自治体
※但し、市町村に扱えて特別区に扱えない事務処理もある。

・特別区長は公選職(選挙により公選)
・自ら行政事務を執行
・予算編成可

 

 

◇権限の序列

 

(1)都道府県
(2)指定都市
(3)中核市
(4)施行時特例市
(5)上記以外の市
(6)町・村
(7)特別区 (地方自治法281~283条)

 

 

◆大都市地域における特別区の設置に関する法律(大都市法)

 

・この法律の成り立ち

2011年11月27日:大阪市長選挙と大阪府知事選挙で、大阪維新の会の候補(橋下徹と松井一郎)が当選

2012年03月09日:みんなの党と新党改革が「地方自治法の一部を改正する法律案」を提出

2012年04月18日:自民党と公明党がに「地方自治法の一部を改正する法律案」を提出

民主党と国民新党が「大都市地域における地方公共団体の設置等に関する特例法案」を提出

2012年06月13日:各会派で一本化に向けた協議が行われる

2012年07月30日:「大都市地域特別区設置法案」が共産党と社民党を除く超党派の7会派によって共同で国会に提出

2012年08月29日:可決・成立

2012年09月05日:公布

2012年09月21日:施行

 

と、民主党・野田政権の時に成立施行した法律により、特別区を包括する道府県の事務の分担や税源の配分、財政の調整等に関する意見の申出をする事ができるようだ。

 

「特別区設置協定書」にその旨を記し、議会の承認を得れば、それに記された通りの権限になると考えられる。

大都市地域における特別区の設置に関する法律(平成24年法律第80号)概要

http://www.soumu.go.jp/main_content/000182529.pdf

 

しかし、この法律自体は、特別区を設置する際の手続き等の内容を記したものであり、

 

・「都」と見なすだけで、呼称を「◎◎都」に改称するものではない
・事務権限の意見の申出ができるだけで、事務権限の範囲そのものを明確に定めるものではない

 

と、読み解ける。

 

従って、「◎◎都」に改称したり、権限を「中核市"並"」にするには、別途、法改正が必要と考えられる。

 

 

この法律によって、現状の地方自治法で定められている特別区よりも多くの権限を得られたとしても、指定都市には遠く及ばないのは間違いない。

 

しかし、総合区にすれば、指定都市としての権限や財源をそのまま維持する事ができる上に、行政区とは違って、自ら行政事務を執行する事ができる。役所の数が増える事もないので、公務員の数もムダに増える事はない。

 

「行政区」をパワーアップさせたのが『総合区』なのである。従って、市町村を廃止して特別区を設置するよりも、『指定都市総合区』を目指したほうが賢明である事は明白であろう。

 

それが政府の、アベ政治の意志と見ている。

 

 

◆大阪都構想は実現しない

 

これは私個人の考えになるが、結論から言うと、大阪都構想は実現しない。

 

たとえ住民投票で賛成が多数だったとしてもだ。

 

賛成多数とは、都構想の実現ではなく、大都市法の定める手続きにおいて次のステップに進める、つまり、総務大臣に特別区設置を協議書を添えて申請する事ができるという、たったそれだけの事に過ぎないからだ。

 

しかし、最終的には政府(総務大臣)の認可が必要になるわけだが、都構想実現のための法制定・法改正そのものが無理筋であるのと、政府が「中枢中核都市」と「総合区」を目指しており、その中には大阪市も含まれている。

 

それが政府の意志である今、認可は下りず、大阪都構想は実現しない…そう見ています。

 

 

end