私の職場は非常に風通しが良い。

部署のメンバーは12人だが、休み等の関係で常時7.8人のメンバーで仕事にあたる。

年齢層も20代や30代が多く、私の歳が丁度平均くらいだろうか。体育会系の人間が多いため、休みの時間には“アホみたいな”…訂正、他愛のない話で盛り上がっている。


後輩1『〇〇、お前最近女の子と遊んでるの?』

後輩2『今は一生懸命本気の彼女を作ろうと複数人の方とデートを重ねています‼️』

後輩1『いや、複数人ってそれもう本気じゃないでしょ✋』

後輩2『いえ、全部本命で、全部本気で行ってます‼️』

会話内容からもわかるように、男だらけの職場。男子高校生の延長。女性からみれば最低、“ゲス”な会話だ。

もしも同僚に女性がいれば、このご時世“ゴリゴリのセクハラ”と言われるであろう。


そんな他愛もない話が落ち着いた頃、私も会話を切り出す。


私『そういえば、最近さあ少し走るだけでめちゃくちゃエラいんだよね。動悸が治まらなくてさあ…。』

後輩『えっ⁉️あの先輩が⁉️どうしたんですか?』

私『いや、前に蜂窩織炎やったじゃんね?あれは治ったんだけど、完治後からランニング始めると徐々にエラくなってきてさあ。もう重い心臓病かもしれない…後は託しだぞ…。』

後輩『いやいや、先輩に限ってそれはないっす。急に暑くなったから体が慣れてないんじゃないですか?』

『やっぱそうだよな』と心の中では安心する。

というか私と同じ意見の言葉をもらって、安心材料にしたかったのだと思う。


私『〇〇は医療詳しいでしょ?ちょっと診断してもらって良い?😁笑』

後輩3『それはですね…ズバリ“心筋炎”ですね👆笑』

心筋炎とは名前の通り、心臓を取り巻く筋肉に何かしらの影響で細菌が混入し、心臓の動きを制限してしまう病気である。

私『確かにあるかも…。』

5月に罹患した蜂窩織炎の細菌が、体をめぐって心臓に到達する。物理的には考えられる。

すぐにグーグル検索。すると可能性はあるとのこと。ただ、治療法のところには私を勇気づけるように、安心させるような言葉がしっかり記載されている。


私『心筋炎調べたけど2〜3週間で徐々に良くなるみたいだね👍やっぱこれだな!流石大先生😁笑』

後輩のややフザけた回答だったが、それが私の大きな心建てとなる。

平常時はいつもと何も変わりなく振る舞う私に対して、重い病気を疑う同僚など誰もいなかった。


前回のランニングから3日後の6月11日。

再度ランニングに挑戦💨

またまた前回と同じコースをスタート✨

中3日、天候は曇り、万全な状態でスタート💨

走り始めてすぐに気づく。

『もう動悸が…。』

ここを乗り切れれば楽になるはずと思いながらも1キロ時点で歩き始める。そこからはウォーキングとランニングを繰り返し3キロ走行。


6月13日、ランニング再々々チャレンジ。

走り始め500mで歩き始める。

徐々に走れる距離が短くなってきた。

それでも“心筋炎”だと信じる私。


6月15日、6月17日、6月18日。

毎回チャレンジするも同様の結果。

『俺の免疫よ、早く菌に打ち勝ってくれよ👊』

これまで大きな病気をしたことのない体力自慢の私は、異変に気づきながらも現実に目を背け、時間が解決することを願うだけであった…。


続く…。