音譜   ドキドキ   ラブラブ   ドキドキ   音譜

 

長元九年(1036年)睦月むつき十日,わたしが二十八の時。

 

          チューリップ黄   チューリップオレンジ   チューリップ赤   チューリップ紫   チューリップピンク

 

 

親類に当たるお方で,ご出家なさり尼におなりになりまして,修学院にお入りになったので,冬頃にわたしが歌を詠み,お贈りしました。

 

涙までもわたしは流し続けてあなたのことを慕い続けております。今頃は嵐が吹いているだろう冬の山里の風情の中を…。

 

すると返歌として来たのは,


わざわざわたしのことをお尋ね下さって,あなたのその心思いの丈は,いかばかりのほどかとわたしには思われますよ。小暗い感じの木陰のある夏山の森の茂みの中で。

 

(fiorimvsicaliから。

こちらの贈答歌のやり取りは,読んでいて何かあれ?と思いますよね。

それは,冬の時期に冬山の風情を贈っているのに,返す中身は夏山の生い茂りとなっています。

また,贈歌の言葉を返歌に読み込むことと合わせても,不釣り合いなやりとりとなっています。

なぜなのでしょうか。)

(「修学院の尼に贈りて」口語要約文と段付け,「」タイトルはfiorimvsicali。)

 

 

 

 

「親族なる人,尼になりて,修学院に入りぬるに,冬ごろ,

 

涙さへふりはへつつぞ思ひやる嵐吹くらむ冬の山里

返し,

 

わけて問ふ心のほどの見ゆるかな木かげをぐらき夏の茂りを

 

【更級日記,菅原孝標女すがわらのたかすえのむすめ 原作】