フィレンツェから神戸へ〜ラテンな元ホテリエのブログ -3ページ目

コニャック訪問紀⑤

幸せな気持ちでぐっすり眠った翌朝。
前日マダムにお願いしておいた通り
7:30の朝食をとりに母屋へ行くと
こんなに幸せな朝ごはんが。


朝ブーランジェリーで買ってきたばかりの
新鮮なクロワッサンとバゲット、
搾りたてのオレンジジュース、お庭で取れた
フルーツの手造りコンフィ3種、プルーンと
ヨーグルト、いちごとキウイを細かく切った
フルーツサラダ、薫り高いコーヒー。

窓の外には緑深いお庭。
コーヒーカップも素敵なセンス。
リモージュかな?



1日の活力を目一杯チャージさせてもらえる
朝のひとときでした。
マダムにムッシュも付かず離れずの
絶妙な距離感で気にかけてくださり
必要あればどこへでも送って行ってあげるよ、
と、まるで久し振りに帰省した娘を
扱うような優しさで。




この日は、午後からパブロのおすすめで大手の
コニャックメーカー見学に行く予定だったので
午前中はホテルに残ってレポートを
まとめたりメール対応をしたりして
過ごしました。
こんな素晴らしい環境で仕事が出来るなら
もう帰りたくなーい、と思うくらい
いいホテルでした🥰


コニャック訪問紀④


初めてコニャックを訪れたワタシのために
パブロが景色の良いレストランを
予約してくれました。

ディナーに行くとは思っていなかったワタシは
パンプスをボルドーのホテルに置きっ放しに
して、葡萄畑対策のスニーカーで
コニャック入りしていたので
大急ぎで町のお靴屋さんでバレリーナを
一足調達😆

コニャックの街を流れる、シャラント川の
ほとりのレストランの窓側のテーブル。
対岸に見えるのは、コニャックの大手老舗
ヘネシーです。(赤い旗と看板のところ)


前菜は生牡蠣。
ボルドーでもいただきましたが、この地域の
オイスターの美味しいこと😍😍😍


メインは白身の魚に黒ごまをたっぷりまぶして
蒸し焼きにしたものに、香りの良い
モリーユキノコのソース、ラタトゥイユ添え。
パブロはお肉のステーキを食べていました。


デセールはプティフール4種にエスプレッソ、
コニャックがセットになったプレートを。


コニャックはパブロの家のものでは
なかったけれど、食後にこんなに自然に
スイーツとエスプレッソとコニャックが
出てきて、コニャックを少しずつ飲みながら
ディナーの余韻をゆったりと愉しむなんて
本当に贅沢で豊かな時間でした。


デセールがサーブされてから
ワタシたちがレストランを後にするまで
たっぷり1時間くらいはありました。
仕事のことはもちろん、家族や人生について
大いに語り、とても有意義なひとときでした。

サマータイムで日の長いフランスも
とっぷり夜に。
ステキなレストランでした。振り返って
パチリと記念撮影。


せっかくなのでシャラント川沿いを少しお散歩。
ヘネシーの建物はまるで要塞のように立派で
その手前の10世紀ごろ建設された
町の入り口の門跡もライトアップされて
夜のコニャックも美しかったです。


そしてホテルまで送ってもらい、
長い1日が終わりました。
このお宿、お部屋にテレビがない代わりに
CDプレイヤーがあります。
数枚あったCDから「ビリーホリデイ、
ジャズを歌う」というのを選んで、
キャンドルに火を灯してしばしの
リラックスタイム。
お庭で見かけたお花も飾られていて。


コニャックは本当に田舎で、
ブティック街も商店街も観光名所も
ほとんどないのですが、
ここに暮らす人々の豊かな生活に触れ、
彼らの温かなおもてなしをうけて
心が洗われる思いでした。
この日は本当に安らかに眠ることができました。

コニャック訪問紀③

コニャック訪問紀続きです。
ここに来る前にボルドーで商談をした方が
コニャックに行くなら絶対マーテルの
ルーフトップバーは外したらダメよ、
と教えてくださったので、パブロにお願いして
連れて行ってもらいました。


マーテルも創業300周年を祝っているようなので
本当にどこのコニャックメーカーも
長い歴史と伝統を持っていることがわかります。
コニャックますます奥深し!


マーテルほどの大手になると、
コニャックブティックや博物館的な
アーカイブなど、見学者へのサービスも
ぐっと商業的にお金をかけてあります。

ルーフトップバー然り。
むっちゃオシャレです。


バーテンダーさんたちも皆シュッとしてるし
ペラペラと上手に英語で対応してくれます。


この日は食前酒の時間にお邪魔したので
マーテルの新作リキュールと
パイナップルジュース、アップルジュース
を使った新しいカクテル、「パイナッポーペン」を。ん!? パイナッポーペンて、あの、
ペンパイナッポーアッポーペンの?
と聞くと、バーテンダーさん、嬉しそうに
「もちろんそうですよ!
わかってもらえて嬉しいです!これを
選んだ日本人はあなたが初めてです」
ですって。🤣🤣🤣

こんな小洒落たところでどれだけシャレが
聞いているんでしょう😍


幅5メートルはありそうな大きな社旗も
誇り高く風にたなびいています。


ルーフトップバーとはいえ、
ビルの5階部分です。高い建物のない
コニャックではそれでもこの絶景。



外さなくてよかった、コニャックのマストゴヴェニューでした。美味しゅうございました。🥰

コニャック訪問紀②

コニャック訪問紀の続きです。
2年ほど前からビジネスパートナーとなった
1702年創業の老舗コニャックメーカーの
12代目当主、パブロがホテルまで
迎えに来てくれて、車で15分ほどのところにある
グランシャンパーニュまで連れて行って
もらいました。


一面に広がる葡萄畑で説明を受けたり
PR用の動画を撮ったりした後、
コニャック造りの拠点へ移動します。
パブロの蒸留所の隣はあの有名な
Camusでした🤩


1702年から同じ場所に立つ、パブロの家の
蒸溜所。建物は100年ちょっと前に
建て替えたらしいです。中にはワイン醸造所、
コニャックの原酒を蒸留するところ、
熟成貯蔵庫、ボトリングをするところなどが
あり、そして当主であるパブロ自身も
ここに住んでいるそうです。



コニャックの原酒を蒸留するスペースには
100年以上前から使っているという
蒸留用装置やハカリがあって今も現役で
使用しているそうです。


スチルポットの上に乗って、蒸留された
アルコールがどのように原酒になっていくかを
説明してくれるパブロ。


ワインを蒸留して作った原酒を樽の中で
貯蔵・熟成しているところ。

コニャックはこうして造られた原酒を最後に
ブレンドして(原酒は古いものは1800年代の
ものもありました)、味を定着させた後
ボトルに詰めて販売されます。
ブドウ作りからボトリングまで、長い長い
時間と手間をかけるのです。


パブロの家の広大な敷地には、さまざまな
フルーツの木も植わっています。
この時はチェリーがわさわさなっていました。🍒
根元にトリュフが生える木もあって
秋になると愛犬オマールとトリュフ狩りも
するんだとか。


お庭でとってきたチェリーとイチゴ、
パックに入ったシンプルな郷土菓子、
ティーバッグのお茶と一緒に楽しむ
ピノ・デ・シャラント。(コニャックに
ブドウのジュースを混ぜて熟成させる
甘口リキュール)。


コニャックというお酒は、高度経済成長や
バブルの頃におじさんたちが飲んでいたお酒
というイメージが強いし、手間ひまかかって
造られるので、価格が必然的に高くなるのも
あって、現在でも敷居の高いものだと
思われがちです。

でも、ウィスキーやウォッカ、ジンなどの
穀物や野菜由来の蒸留酒に比べて
ブドウ由来の蒸留酒なので、香りが甘く
時にフェミニンで、女性にも飲みやすい
お酒だと思うのです。

何より、グラス一杯のコニャックの中に
何百年も前の先人たちが作った原酒が
混ざっているというロマン😍

それをカジュアルに、でもシックに愉しむのが
フランス流アール・ドゥ・ヴィーヴル=
生きる悦びなのです。
目からウロコがぼろぼろ落ちるコニャック訪問紀
続きます。

コニャック訪問紀


5月もすでに下旬ですね。
GW直後はフランス🇫🇷南西部に出張でした。
おいおい備忘録的にアップしていきたいのですが
まずは一番印象的だったコニャックから。


ボルドーから電車を乗り継いで2時間半。
車窓からものどかさが伝わります。
葡萄畑もたくさん。


コニャック駅は本当に小さな田舎の駅でした。
この小さな町から生まれるコニャックが
年間1兆円規模のお金を生むなんて😱😱😱


今回のお宿は、あまり深く考えずに予約した
小さなB&B風なところ。
これが実は大正解で自分の引きの強さに驚愕。
到着時間を知らせるために前日に電話すると
流暢な英語を話すマダムが対応してくれ
「明日、駅まで迎えに行ってあげるわ」
と。駅に着くとワタシの名前を書いた紙を持った
ステキなマダムが待っていてくださり
彼女の運転で5分ほどのお宿まで。

母屋にオーナー夫妻と数室の客室、
そしてお庭にあるコテージ風離れが一棟、
こちらが今回のワタシのお部屋でした。


この時はちょっと肌寒くて
せっかくのテラスで朝ごはん、
とはいきませんでしたが、また次の機会に。


お宿の名前はJardin en ville 町の中のお庭、と
いうだけあり、本当に豊かな緑とお花のお庭が
広がります。


お部屋はこんな感じ。
テーブルセットのあるテラス側から入って
反対側の窓の外もまた別のお庭。

お部屋にはもちろんプライベートバスルーム、
コーヒーセット、Wifiルーター、バスローブや
スリッパまで完備していて、コニャックらしく、
ブランデーグラスなんかもありました。😊

特筆すべきは、お部屋にテレビがなく、
CDプレイヤーと何枚かのCDがあったこと。


そして、なんとお部屋の中に暖炉も。
真冬に来て、暖炉でヌクヌクしたーい、と
強く思いましたよ。


到着後すぐにマダムがお母さんのように
「コーヒー飲む?入れてきてあげるから
荷ほどきしてちょっとゆっくりなさい」
と。本当に暖かなおもてなしに涙腺緩みそうな
くらいほっこりしました。


お庭で遊んでいたニャンコ。
すべてがドツボすぎて、コニャックに着いた瞬間
この街のことが大好きになりました😍😍😍