コニャック訪問紀② | フィレンツェから神戸へ〜ラテンな元ホテリエのブログ

コニャック訪問紀②

コニャック訪問紀の続きです。
2年ほど前からビジネスパートナーとなった
1702年創業の老舗コニャックメーカーの
12代目当主、パブロがホテルまで
迎えに来てくれて、車で15分ほどのところにある
グランシャンパーニュまで連れて行って
もらいました。


一面に広がる葡萄畑で説明を受けたり
PR用の動画を撮ったりした後、
コニャック造りの拠点へ移動します。
パブロの蒸留所の隣はあの有名な
Camusでした🤩


1702年から同じ場所に立つ、パブロの家の
蒸溜所。建物は100年ちょっと前に
建て替えたらしいです。中にはワイン醸造所、
コニャックの原酒を蒸留するところ、
熟成貯蔵庫、ボトリングをするところなどが
あり、そして当主であるパブロ自身も
ここに住んでいるそうです。



コニャックの原酒を蒸留するスペースには
100年以上前から使っているという
蒸留用装置やハカリがあって今も現役で
使用しているそうです。


スチルポットの上に乗って、蒸留された
アルコールがどのように原酒になっていくかを
説明してくれるパブロ。


ワインを蒸留して作った原酒を樽の中で
貯蔵・熟成しているところ。

コニャックはこうして造られた原酒を最後に
ブレンドして(原酒は古いものは1800年代の
ものもありました)、味を定着させた後
ボトルに詰めて販売されます。
ブドウ作りからボトリングまで、長い長い
時間と手間をかけるのです。


パブロの家の広大な敷地には、さまざまな
フルーツの木も植わっています。
この時はチェリーがわさわさなっていました。🍒
根元にトリュフが生える木もあって
秋になると愛犬オマールとトリュフ狩りも
するんだとか。


お庭でとってきたチェリーとイチゴ、
パックに入ったシンプルな郷土菓子、
ティーバッグのお茶と一緒に楽しむ
ピノ・デ・シャラント。(コニャックに
ブドウのジュースを混ぜて熟成させる
甘口リキュール)。


コニャックというお酒は、高度経済成長や
バブルの頃におじさんたちが飲んでいたお酒
というイメージが強いし、手間ひまかかって
造られるので、価格が必然的に高くなるのも
あって、現在でも敷居の高いものだと
思われがちです。

でも、ウィスキーやウォッカ、ジンなどの
穀物や野菜由来の蒸留酒に比べて
ブドウ由来の蒸留酒なので、香りが甘く
時にフェミニンで、女性にも飲みやすい
お酒だと思うのです。

何より、グラス一杯のコニャックの中に
何百年も前の先人たちが作った原酒が
混ざっているというロマン😍

それをカジュアルに、でもシックに愉しむのが
フランス流アール・ドゥ・ヴィーヴル=
生きる悦びなのです。
目からウロコがぼろぼろ落ちるコニャック訪問紀
続きます。