コニャック訪問記⑥ | フィレンツェから神戸へ〜ラテンな元ホテリエのブログ

コニャック訪問記⑥


コニャックといえば、のヘネシーへ。
このくらいの大手になると、会社見学も
ビジネスのうち。お金をかけていろいろと
工夫がされていて、専任ガイドさんがいたり
凝ったPRビデオを作ってたり。

極め付けは、専用ボートでシャラント川を渡り
向こう岸にある貯蔵庫を見学するという演出。
ワタシの参加した見学ツアーは3人だけの
ミニグループでしたが、ちゃんと
専属ガイドさんが1名付いて、ボートも運行。


シャラント川の対岸にはこのような
貯蔵庫がたくさん並んでいます。
ただ、現在その半分は使用されておらず、
その代わりにブランドを紹介する
アトラクションのように中だけ作り変えて
あるのですが、そのアトラクション部分は
撮影不可でしたので詳細も省きます。


撮影禁止部分が終わると、現在も貯蔵庫として
利用されている部分の見学になり、
こちらは撮影可能でした。


ものすごい数の樽が、蒸留の年代ごと、
蒸留した蒸留所ごとに整然と並べられています。
ヘネシーやレミーマルタンなどの大手は
さまざまな畑から多数の蒸留酒を買い付け
それを自家で熟成してブレンド・ボトリングして
商品を完成するのです。


そして一通りヘネシーのブランドを学び
コニャックの作り方やこだわりの説明、
貯蔵庫の見学などが終わると、再度
プライベートボートに乗ってシャラント川を
渡ってベースへ戻り、いよいよお待ちかねの
テイスティングタイムです。


VSOPとXOのテイスティングができる
ツアーを申し込んでいたので、各コニャックの
説明を受けた後、ドライ(ストレート)での
飲み比べ。


そのあと、大きい方のグラスに氷を入れてもらい
オンザロックでの飲み比べ。
クラシックな飲み方としては、コニャックは
氷を入れたり混ぜ物をしたりせずに
ストレートで、徐々に開いてくる薫りを
楽しみながら飲むものなのですが、
昨今、伝統だけにこだわっていては
売上が伸びず、ひいては利益が出なければ
伝統ある造り手自体が衰退していくリスクも
あるので、コニャック各社は熟成の若い
商品については新しい飲み方をどんどん推奨するのがトレンドになっているようです。

かくして、やはり若いVSOPは氷をひとつ
入れると、爽やかな飲み口に変化し、
ある意味飲みやすくなりました。
XOはやはりストレートでいただく方が
薫りを楽しめるし味わい深いことも
確認できました。

そして、大手の造り手を見学し学ぶことで
当社のパートナーである小さな造り手との
違いやセールスポイントがとてもよく
わかりました。

大手はラグジュアリー、小さな造り手は
プレミアム、ということです。
マーケットにおいてこの違いは充分
棲み分けができ、買い手のニーズを探れば
まだまだ販路が広がるという確信が持てました。

仕事で行っているのか自分の趣味で
行っているのかもはや良く分からないくらい
楽しくみのりが多かったコニャック訪問。

また違う季節に必ず訪れたい場所になりました。