犬の足の裏が赤くなり、犬が痒がるようになる皮膚疾患に、指間炎があります。

 

指間炎は、犬の指の間や肉球の周囲に炎症が起こり、赤く腫れたようになる局所的な皮膚炎です。

 

足の裏に付いた雑菌が繁殖したために、皮膚に炎症が起こっている場合や、アレルギーの影響が足の裏に現れ、病変を引き起こしている場合などもあります。

 

犬には比較的少なく、猫には多く見られる形質細胞性皮膚炎(形質細胞性足底皮膚炎、形質細胞性足皮膚炎)は、肉球炎とも呼ばれ、肉球の一部にむくみやしこりが生じるものですが、痒みや痛みなどの症状は無いものの、歩く時の違和感から何度も舐めるようになったり、走り回った際の衝撃によってそれが破れると、傷口がなかなか治りにくくなるもので、犬にも稀に見られる場合があります。

 

形質細胞は、抗体を唯一作る事のできるB細胞(免疫細胞)が、細胞内で抗体を大量に作り出したまま大きくなった状態の細胞で、アレルギーや自己免疫疾患の際に多く発生する特徴があります。

 

なぜ、肉球の一部分だけに形質細胞が大量に発生するかについては、詳しいメカニズムは解明されていませんが、何らかの足の裏の刺激に対して免疫機能が働くように作用していたり、良性または悪性の腫瘍(形質細胞腫)を形成したためで、そのような免疫機能の異常は、猫の場合は、猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスの感染が関与していると考えられています。

 

一方、犬の指間炎は、もともと皮膚が弱かったり、アレルギー体質の場合によく見られる傾向にあると言われています。