(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
主体的人生を構築する人材育成トレーナー 桑原朱美です。


今日のテーマは

「<講演の感想>お膳立てされた成功は5歳児の万能感しか育たないという言葉が刺さりました」
です。

 

県立高校で教員研修をさせていただきました。

 

研修テーマは、

「生徒の可能性を引き出す教育相談~教育に生かす脳科学~」でした。

具体的な内容は

「子どもたちの自己肯定感を高め、意欲を引き出す脳科学コーチング」を教育相談、生徒対応でどう生かすかということに特化しました。

 

ご依頼をいただいたメールには「子どもの潜在的な課題や願いを引き出す教育相談の手法を学びたい」という担当の先生の強い想いがあふれており、生徒さんの現状や教員の悩みという視点から、講演を通して次のような結果を得たいと書かれていました。

 

・脳科学・NLP理論に基づいた教育相談の手法を学ぶことで、「自らの人生をコントロールし力強く生きる力」を育てることができる。
・相談者が主体的に、自ら抱えている問題を解決できるように導くことができる。
・スクールカウンセリングに頼らない教育相談のあり方を構築できる。

 

 講演依頼は、毎年、たくさんいただきますが、きちんと現状をとらえ、1時間半から2時間の研修で、何を得たいのかが明確に記載されているものは、決して多くありません。

 しかし、今回のこちらの高校は、担当の先生の熱い想いが、ひしひしと伝わってきて、その想いに応えるべく、研修内容の検討や資料作成に取り掛かりました。

講演や研修の成果というのは、

依頼側の現状把握と問い×依頼側の目的意識×講師の内容の構築お互いのラポール

だと思っています。

 

 講演依頼のなかには、いったい何を話してほしいのかわからない、逆に1時間半の講演の中にあれもこれもそれもと、とにかく何でもかんでも詰め込もうとするものもあります。そうすると、相手側の現状と課題とこちらが提供する話がずれる場合があります。

 

話を戻します。

で、今回の高校の先生方、感想からも普段、現状に対し様々な「問い」を持っていらっしゃいました。私の講演内容がというより、先生方の普段からの問いが、RASを働かせたのだろうと思います。

 

前置きが長くなりましたが、以下、先生方の感想です。

 

あっという間に時間が過ぎ、これまで持っていたモヤモヤが晴れたような気持ちです。このようなお話を聞くことができ、企画案を出した先生に感謝申し上げます。生徒主体と言いながら、どこかで教員の流れで行っていたり、事実と思いが整理できていなかったり、と教えられました。
桑原先生のお話の中にある「自分と相手の間に何かをはさみ、話を進める」「脳科学傾聴」「不正確な情報を取り戻しながら聴く」「意識の五段階を意識して聴く」などが心に残りました。今後、時折、資料を見たりして、脳科学 コ―チングを実践していきたいと思いま す。


 

子どもたちが抱える悩みや問題は多種多様で、複雑化、深刻化している場合もあり、相談活動の重要性は日々感じています。そのよう中、子どもの想いを引き出すコツ、傾聴のポイント、問題を成長に変換する関わり方等を具体的に学ぶことができました。明日からの実践に活かし、子どもたちの生きる力を少しでも引き出し、行動できるよう、伴走していきたいと思います。家庭、職場等、いろんな所で使えそうで、気持ちが楽になりました。ありがとうございました。

 

 

 日々どうあるべきなのだろうかと思っていた言葉があって、それは“傾聴”である。教育現場のみならず医療現場でも“傾聴”はよく使う。しかし、ただ話を聞き続けても、人によってはさらに認知の歪みを強めてしまいがちになるので、今日改めて“傾聴”についてどうあるべきかを確認できたよい機会だった。
 カウンセリングとコーチングでは、具体的方策の提示の前に、相談者の“妄想の暴走”なのか正しい認知なのかを話を聞きだす時点で情報を精査していく必要を改めて感じた。私自身も含め、大人にも言えることだが、情報の正確性を取り戻す、もしくは日常から正しく物事をとらえられるように、できれば幼少期からトレーニングしていくことが大切である。
大筋の内容とは別に印象的だったのは、その時代時代で教育相談のトレンドのようなものがあって、それに振り回された、と桑原先生が話していたことである。
 当然、 10 年前の生徒と今の生徒も違うの で、手法も変わっても致しかたないのだろうが、その言葉と、生徒指導困難校の養護教諭の立場から、えもいわれぬ徒労感のようなものを感じた。義務教育校・生徒指導困難校・保健室という言葉だけでもその業務は我々の想像以上である。
しかし、その経験などからより効果的な教育相談は何と追求した結果、現時点でいきついた“子どもたちの自己肯定感を高め、意欲を引き出す脳科学コーチング” なのだと思った。

 

 

具体的な事例がたくさんあり、わかりやすかったです。とても勉強になりました。「察すること」は必要だが、先回りすると生きる力は育たない」という言葉が印象に残りました。ありがとうございました。


 

子供もそうなのですが、人間は感情的な存在で、物事を冷静に客観的に捉えられず、自分の都合のままに感情的に捉えてしまうことをよく認識させられます。事実がどうなのかをホワイトボードに書き出して整理していくことは大変効果的なことだと思います。さらに、その事実のみを認めたくなく、必要以上に大きくとらえようとする子供にとって、どのようなサポートをすればより効果的なのかなどお聞きしたいこともありました。
私達は何かしてやろうと焦ったり、叱ってしまうような場面も多々あることを、今までの経験から感じさせられますが、最終的には本人が自分の足で立っていかなければどうすることもできない問題だと知らされます。その伴走者としてはなすべきことを知ることができました。人間の感情は複雑で、すべてが同じ方法では解決できないのは当然ですが、他の教員や保護者との連携をとりながら今後とも生徒と触れ合っていければ幸いです。

 

 

14 年連続でクラス担任をしていいます。 進路面談で希望を確認し、適切なアドバイスをしているつもりですが、生徒が行動にうつすことが少なく悩んでいます。無意識レベルの問題であるのかスモールステップコーチングの問題であるのか、今日の講演で考えました。
私は普段から生徒を「君、さん」付けで呼んでいます。生徒を一人の大人として見ているからです。相手を尊重しなければ信頼関係など築けないと思っているからです。そもそも高校生と高校教員が築くべき信頼関係とはどのようなものでしょうか。生徒のやるべきことをやってあげることで、 生徒は教員をあてにするようですが、それではダメで、むしろ私は、可能な限り、手をかけずに生徒に解決させようとしています。高校に入学してから信頼関係を築くのは難しいものでしょうか。
脳科学傾聴のポイント、意識の 5 段階については大変参考になりました。今後の生徒対応に役立てさせていただきます。本日はありがとうございました。

 

 

頭ではわかっていても、コーチングとカウンセリングの違いについて、ごちゃごちゃになって指導していることがあることに気づかされました。 生徒と子ども 家庭 両方に明日から活用できることが多々あり、大 変参考になりました。特に「先回り」して子供に考えさせない、というのはよくあるので、今後は「待つ」「 でどうしたいの?」の問いかけで、生徒自身が自分でゴールにたどり着けるように導いていきたいです。ホワイトボードを使用して「事実」と「解釈」を分けて捉えさせるということも大変参考になりました。「意識の 5 段階」も今後意識ながら傾聴していきたいと思います。本日はありがとうございました。

 

 

人格レベルの失敗はまず無いので、ここを否定しない。行動レベルの失敗は行動レベルで指摘すればよい。ということは分かっていても頭に血が上ると忘れてしまいがちなので、きちんと刻み込んでおかなければならないと思い
ました。怒っていると娘に「なんで」といいがちです。
お膳立てされた成功は5 歳児の万能感しか育たない、というのは今回のお話で最も心に刺さる言葉でした。本当にそうです。気を付けます。楽しい話ありがとうございました。

 

 

具体的で事例もまじえて、わかりやすく。明日からすぐに実践できる内容でよかった。


 

「どうやったら達成できるか」に集中することは楽しいことだと思いました何かを改善する 、創造することを授業でも 取り入れられると思います。「どうやったら達成できるか」の思考を育むことは日頃から、どこでも、と思いました。私自身も一つの行動の失敗で、自分の人格を否定してしまいます。この思考自体を改善して脳にいいことだけをして生きていきたいです。ありがとうございました。

 

 

実際に指導や相談の場面で、自分が意識的にできていない部分にも、理論的な化学が存在することを認識できた。
今日の研修ででていたことが実践できていれば、生徒に対する確認不足を減らすことができるだろうと感じた。特に、自分は生徒の価値観とその背景を理解する部分ができていないと感じたので 、まずはそこを意識して応対していきたいと思う。

 

 

現在の教育業界が変わりつつあり、現場で子供の本音を引きさせない。子供の人権世間体? を考えるあまり、叱ることも躊躇していました。アイスブレイクゲームや教育相談がうまくいかない人が陥る落とし穴など、自分自身のやりかたを見つめ直すいい機会になりました。まずはコミュニケーションの取り方を工 夫していきたいと思っています。

 

 

「無意識レベルの相互作用」に関しては、非常に興味深かった。直近で、部活動生徒の相談に乗っていたことがあったが、私は無意識的に似たような手法をとっていた。生徒の相談内容は解決に向かっているのだが、その解決のメカニズムがよく分からなかった。本研修を通して問題解決のプロセスが少しわかった気がする。
1% でも実践できればと思っている。芸術教科を担当していることもあり、もし機会があれば、生徒の価値観の広げ方を脳科学的に知りたい所存である。

 

 

担任を5 回した中での生徒相談をした時の多くの 場面を思い出しました。悩みを相談された時にしっかり対応できたのか・・と考えさせられました。講演では具体的な事例を一緒に考えることができて、とても実践的でした。
客観的に捉えられるように促したり、未来に向けてスモールステップで自信をつけさせることは今後意識していきたいと思います。レジリエンスを身につけ、自分で思考し、チャレンジできる生徒を私も育てていきたいと思いました。

 

 

お忙しい中、私たちのために時間を使っていただき感謝申し上げます。私はここ数年、担任や学年と離れた仕事をしている関係で、担任をしていた頃の生徒の顔を思い浮かべながら講話に傾聴させてもらいました。もっと早く先生の話を聞いていたら別の対応、別の歩き方を指示・支援できたのではないかと思う場面がたくさんありました。
日々忙しい生活の中、一部生徒のために時間を費やすことは難しい時もありますが、私自身の仕事の優先順位を確認することでもう少し時間を取ることができたのではないかと反省する場面もありました。 私は常に親との関りを大切にしており、先回りすることを否定し、親と私が同じ目線で生徒に関わるように家庭訪問から対応するようにし ています。特に祖父母や父親との関係がうまくいくと生徒の意志をうまく表現させて、それに共感・同意して明日への第一歩を踏み出せるように背中を押してきました。カウンセリングとコーチング の関りは時代と共に変化していきます。時間の流れが早い今はSNSやインターネットを上手に活用しながらコミュニケーションをとることが必要です。一方向ではなく相方向という観点から家庭訪問の必要性を強く感じてます。
周囲と同じ方向性で生徒と向き合うためにです。私が住む県は田舎なので家の人と一緒にご飯を食べることがいろいろな問題の解決につながる時間です。
生徒がイライラした時に食べるいい食事なども紹介してもらえたらいい結果が得られると思います。脳とダイエットは一緒の言葉が一番印象に残りました。細く長く言葉のキャッチボールをしながら生徒のために日々生活していこうと決意させる良い講演でした。

 

皆様、ありがとうございました!

 

今回、講演依頼をしてくださった先生の奥様が、保健室コーチングコース受講生さんであり、奥様のここ数年の変化を見て、ぜひ話を聴いてみたいと思ったそうです。

 

これもまたうれしいご縁でした!