「いつものミチになった~」
とジヨンはいちごを差し出す。
彼女がどうしていいかわからない表情で居るのを見て
彼は微笑みながら
「ハイ、あ~んして~とか言って欲しい?」
「そんなことっ」
「じゃあ食べて食べて~」
といちごを口にするミチに
「俺もw」
と調子に乗ってくるから楽しくなってきて。
いちごを食べさせてあげたら
今度はシャンパンも~とか。
ミチが拒否しない事わかってるから我侭なジヨン
ケーキを切り分けようとナイフを取りに行き戻ってくると
ジヨンはソファーに深く沈みこんで眠っていた。
それでもミチはケーキを皿に分ける。

「ジヨン~ケーキ食べちゃうよ~いいですかぁ~?」
と耳元で囁いても反応がないので
ひとりでケーキの味見をすることにして。
一口食べて、もう一口
途端に、隣から
「先に食べてる・・・」
ってすごく不機嫌そうな声で
「寝てたから、起こすの悪いかなって」
「ひとりで食べてる・・・」
「ごめんね。でもほらジヨンの分もあるよ」
「・・・」
「ほら、ね~アーンする???」
「・・・・・・・・・」

沈黙が長すぎて怖い。

「ケーキ」

って単語だけつぶやいてるし。
ジヨンの分を新しいお皿に取って
食べやすい大きさにフォークですくって。
「はぁ~い❤」
とできる限りの可愛さ満載でジヨンの不機嫌を取り除こうと
頑張ってみても。
彼は首を少し傾けて

「それじゃない」

なんて、わからないことを言ってる。

「いちごの所だよ?一番美味しいと思うけど…」
「そっちのより、ミチのが良い」
「えっ??あたしの?食べかけだしイチゴもないし」
と彼女が説明しても。
それでもいいと
「うんうんと」大きく頷いて
ア~ンと口を開けて、こっちを見てる目は
いたずらっ子そのものだしw

何か企んでる目だよ~~~。
わかってるけど、
してあげたくなっちゃうのは仕方ないよね。
好きなんだもん。

自分の食べかけのケーキの
一番おいしそうな所を大きくすくって。
「はい、どーぞ♪」
と差し出しても。
顔しかめてむーっと唇突き出して
不貞腐れて笑ってるだけだし
なに?どうして欲しのかわかんないよ~。

「いらないの?」
って聞いても
「いる~」
って答えるし。
「腕がプルプルしてくるからほら~早く食べて」
って言っても。
「嫌だ」
って言うし・・・何?これ?
「わかんないよ、ケーキは食べたいけど、嫌だって・・・」
どうしていいかわからなくて、悲しくなる~。
視界が涙で曇ってくるのを誤魔化そうと。
ジヨンに差し出してたケーキを
自分の口に無理やり押し込む。
大きい欠片だったから、口の端にクリームがついちゃってるって
わかってるけど。
そんなのもうどうでもいいや。