1.カタチも経緯も日本一美しいダム

 

日本一美しいダムで検索すると、大分県竹田市の「白水ダム」(白水溜池堰堤)がヒットします。しかし、私は「豊稔池堰堤」が日本一だと思っています。こんな美しいダム他に見たことがないのです。

 

 

大正15年に着工、昭和4年11月完成。

石積みに見えるのですが、堤長145.5m、堤高30.4mのコンクリート造の溜池堰堤で、両端部が重力式、中央部が5個のアーチと6個の扶壁(バットレス)からなるマルチプルアーチ式のダムとなっています。

 

 

讃岐地方特有の干ばつ対策として建設されたのですが、驚くべきはすべて地元農家の出役で工事が行われたということです。延べ15万人による人海戦術により約3年8カ月の短期間無事故で完成を実現、地元一体となって成し遂げられた「真」の公共事業であったということが凄いんです。カタチだけでなく建設の経緯も美しい・・・

 

 

マルチプルアーチダムとしては、大倉ダム(仙台)を含め日本に二つしかなく、農業土木史だけでなく土木史及びダム技術史を語る上においても貴重な建造物として取り上げられています。マルチプルアーチダムとは、アーチ止水壁が複数連なるダムでバットレスダム(例:丸沼ダム)に近いと言われていますが、んんん?そうかな?

また、安定性に関しては単一のアーチ式ダムと比較して地震に弱いらしい。

 

 

2.豊稔池

 

柞田川(くにたがわ)下流に広がる水田(約530ha)を潤す為のため池である豊稔池の貯水量は159万㎥となっています。

 

 

毎年多くの見物客が訪れる豊稔池のゆるぬき(池の水を抜くこと)は、毎年夏に行われます。下流にある井関池の貯水量が3割を切ったころを目安に行われる季節の風物詩として知られいます。地上30mの堰堤から放たれる毎秒4tの放水ショーは、讃岐路に本格的な田植えシーズンを告げる風物詩となっており、ごう音とともに水が放流される景色は壮観で見応えがありそうですね~

 

 

豊稔池堰堤の先駆的かつ希少な構造形式は農業土木史上価値が高く、また、昭和前期における堰堤建設の技術的達成度を示しており、平成18年12月19日に重要文化財(建造物)に指定されました。

しかし、なぜか土木遺産には選定されておりません。

 

 

3.粟島

 

豊稔池堰堤の近く、詫間港の北西4.5km、荘内半島の東に位置する塩飽諸島に属する船のスクリューの形に似てる粟島。新潟にも粟島があるのですが、日本海新潟の粟島とは違いこちらは船で15分で行ける穏やかでゆる~い感じの島です。

 

 

かつては北前船の寄港地として栄えたらしく、1897年には国立粟島海員学校が設立され、海運業界に多くの人材を送り出したようです。※1987年に廃校

 

 

島には城山という気持ちのいい山(222m)があり、瀬戸内海の絶景が360°一望。

山頂部に東屋があって、いつまでも居れそうな気持ちのいいポイントになっています。

豊稔池堰堤とセットで訪れたい島山です!