1.あこがれの主塔
いつか登ってみたい!
工事中の橋をみながら・・・そう思って30年、ついに夢がかないました。
どれくらいの高さか比較すると
1.東京スカイツリー(634.0 m)
2.東京タワー(332.6 m)
3.麻布台ヒルズ森JPタワー(325.0m)
4.あべのハルカス(300.0 m)
5.明石海峡大橋の主塔は海面上(298.3 m)
6.横浜ランドマークタワー(296.3 m)
なんとなく一般の人が参加できるツアーがあるというのは知っていましたが、抽選による見学ではなく、お金を払って参加できるツアーがあるらしい。それではと・・・
国土交通省のインフラツーリズムポータルサイトから探すと出てきました。
普段立ち入ることが出来ない管理用通路を通り、海面上約300mの主塔にのぼることができる本四公団の「明石海峡大橋ブリッジワールド」。
我が家にとっては家族4人で6000*4=24000円の大出費です。
ツアーの概要です。
まず会議室のようなところでツアーの説明を受けます。そして「橋の科学館」の展示室に向かい明石海峡大橋の建設技術の説明を受けてから、舞子海上プロムナードに向かいます。
海面からの高さ約47m、陸地から約150m、明石海峡へ突出した延長約317mの回遊式遊歩道を歩き、その途中から立ち入り禁止エリアの扉から橋桁の下部に降ります。
そして海上約50mのところを約1km歩いた後、エレベーターに乗って塔頂へ向かうのです。
98階(海上約300m)まで約2分で到着、現場感のない立派な高速エレベータでした。
そして、ドキドキしながら船の甲板に出るような感じで主塔の明かり部に出ます。
そして360°の絶景!
2.明石海峡大橋
明石海峡大橋は、本州と四国を道路と鉄道で繋ぐ本州四国連絡架橋事業の一環として建設されたもので、橋長3,911m、中央支間長1,991mの当時は世界最大のつり橋でした。1988年(昭和63年)5月に現地工事に着手し、およそ10年の歳月をかけて1998年(平成10年)4月に完成しました。
長らく世界最大の吊り橋として君臨してきましたが、2022年3月18日にトルコ西部にあるチャナッカレのダーダネルス海峡に主塔間距離2,023 mのチャナッカレ1915橋が開通したことで、明石海峡大橋は世界二位となってしまいました。しかし、その存在感が揺らぐことはまったくありません。
大阪湾と瀬戸内海を繋ぐ明石海峡は、海峡の幅が約4km、最大水深は約110m、海峡を流れる潮流の速さは最大で毎秒4.5m(約9ノット)に達し、1日に1,400隻以上の船舶が航行する、海上交通の要衝(国際航路)となっています。
若い頃に本四道路建設に携わっていたので頻繁にタコフェリーに乗って淡路島に通っていました。潮流が早いので透明度もそこそこあり、ドリフトダイビングで潜ってタコを観察したこともありました。
橋の建設にあたり、実物の100分の1の模型をつくり、これに風を当てて吊橋の動きを調べ、強風に耐えられる構造にした話は有名です。
また、主塔にケーブルを架け終えた直後に、最大の試練「阪神・淡路大震災」が発生、地盤が動いたことで橋の長さが1.1m伸びましたが、本体構造物の被害はほとんどなかったというニュースを聞いて、素直に凄い技術なんだと感心した記憶があります。
また、明石海峡大橋では世界初の技術が次々投入されました。
そのひとつが高強度ワイヤーで、直径5・23㎜のワイヤー1本で約4トンを吊り上げることができます。橋桁を支えるケーブルはそのワイヤー127本を六角形に束ね、それをさらに290本まとめてできています。
橋は建設よりも維持管理が難しいのでは?と私は思っています。その維持管理にも新たな技術が投入されています。それはケーブルの最大の敵である錆から守るために、ケーブル内に乾燥した空気を送り、錆の発生を防ぐ「送気乾燥システム」が設置されています。このような装置があるとは知りませんでしたが、後に瀬戸大橋をはじめ本四連絡橋の全ての吊橋に導入されたそうです。
上を見上げると・・・
巨大なフィンガージョイント「リンク式伸縮装置」にも圧倒されます。
天気も良く素晴らしい1日になりました。
今後の維持管理が大変だと思いますが、日本が誇るドボク構造物を守り抜いてほしいと思いました。