1. 40年ぶり

 

私の仕事の原点となった国道336号(ナウマン国道)を寄り道して尋ねました。

今は快適な舗装道路ですが、40年前自転車で走った時は砂利道で、その時の苦労を思い出しながらクルマで走ることにしました。

 

 

2. 虫類ナウマン像記念館

 

この記念館は1969年に忠類の農道工事現場でナウマンゾウの歯(キバ・おく歯)、胴体(背骨・肋骨)、前足(肩甲骨・上腕骨など)、後足(腰骨・大腿骨など)の化石骨がほぼ1頭分(46点)発掘されたことを記念して建てられたということです。子供が幼いころ家族で北海道旅行の際に入ったような気がするのですが・・・

 

 

現在は、忠類ナウマン象記念館のほか、国内外21ヶ所に全身骨格復元模型が展示されているということです。確か長野県の野尻湖にも同じような施設があったような・・・

そうそう「野尻湖ナウマンゾウ博物館」、家族で入ったのはこっちだったかも?

野尻湖底からは、ナウマンゾウの歯の化石だけでも約50頭分が発見されているそうで、どっちがどっちか記憶があいまいになっています。

 

 

3. 快走!ナウマン国道

 

浦河~えりも~釧路、総延長245.9kmの国道336号線は1975年国道になっています。

その間の広尾郡広尾町シチュウウス~十勝郡浦幌町の区間が「ナウマン国道」と呼ばれています。当時は名前と地形(海跡湖が点在)にひかれて自転車で走りましたが、なんと全線ダート(砂利道)!それも単粒砕石(粒がそろっている)が多く締まっていないので、タイヤの細い自転車はまともに走れませんでした。

この時の経験が、舗装が中心の道路建設会社に就職するきっかけになったととも言えるのです。

今は道幅も広く快適な舗装道路になっており、快適な原野ドライブが楽しめます。

 

 

そんなナウマン国道をレンタカーのフィットで快走!

本当に気持ちのいい道路です。

 

 

ナウマン国道から少し農道に入ったところに、ナウマン像の発掘地があります。

農道工事現場で側溝掘り作業の際、アルバイトの少年がツルハシを地面に打ち下ろしたら「カチン!」という音が・・・

土木の現場では当たり前の音ですが、出てきたのは湯たんぽのような模様がある楕円形の塊だったということで、「理科の教科書に載ってるゾウの歯?」という少年の気づきが大発見につながったということです。

 


その後の専門家による調査の結果、その掘り起こされた塊がナウマン象の臼歯だということが分かり、全国から多くの研究者(総勢168人?)、教師、学生らが参加し、全骨格の70〜80%にあたる計47個の化石を掘り出したということです。当時人口3000人の村に、見物客が約16000人集まったということで、相当な大騒ぎだったようです。
 

 

4. 海跡湖群

 

ナウマン国道沿いは、清流歴舟川から始まり浜大樹・ホロカヤントー・生花苗沼(おいかまなえぬま)・湧洞沼・長節湖などの海跡湖、そして十勝川と魅力的な場所がたくさんあります。しかし、昔から観光地としては認識されておらず、人の多い観光地嫌いの私としてはホッとしています。

 

誰もいないホロカヤントー

 

 

ホロカヤントー付近の海岸線はこんな感じです。

 

 

生花苗沼はまだ凍っていました。

 

 

湧洞沼付近の丘陵も魅力的です。

 

 

4. 十勝川

 

雄大な十勝川を渡ります。

40年前は、この手前から豊頃町の国道38号線まで北上して十勝川を渡りました。

当時。ここに渡船があることを知らずに・・・

 

 

豊頃町・浦幌町の境界に当たる十勝川を渡る区間は、1992年11月まで旅来(たびこらい)渡船という渡船がありました。旅来渡船場は、一日5便、小型ボートで両岸渡されたロープを人力で伝って航行するものだったようで、当時はそんなものがあるとは知らず、大回りしたことを悔やんでいます。

 

 

この渡船場は1904年に創設、1957年に一般道道となり、1975年に国道336号に昇格となりました。

残念ながら、1992年に十勝河口橋の開通で廃止となりましたが、河川を渡船でつなぐ国道はここが日本で最後だったということです。

 

ナウマン国道区間を過ぎ、昆布刈石展望台から海を眺めて浦幌道路で釧路を目指します。あ~気持ちよかった!