1. 巻原子力発電所
かつてこの場所に、2006年度着工で2012年度運転開始が予定されていた原子力発電所の建設計画がありました。沸騰水型軽水炉1機で出力82万5000kw(計画では4号機まであった?)、水力で日本最大出力の奥只見発電所の56万kwを上回るもので、1996年の住民投票を経て2003年に白紙撤回されています。
現在は、静かで気持ちの良いプライベートビーチとなっています。
1971年に計画が発表されたということですが、それ以前に遊園地を建設すると言って土地買収をおこなっていたということです。県知事・町長の同意を得て、東北電力が1982年に当時の通産省に申請したものの、スリーマイル・チェルノブイリの事故などの影響もあってか、反対運動が強まっていったようです。それが1996年の住民投票に発展し、最終的に2003年に白紙撤回になったということです。
かつて、原発予定地には道路が走っていました。
現在は通行止めになっており、トンネルは封鎖され所々で路肩も崩れたままになっています。
釣り人が一人いましたが、基本海から行くのが行きやすいと思いました。
大半の土地は、まだ電力会社が保有しているということで、社会情勢がかわれば何かしらよからぬ動き(俗にいう迷惑施設)があるかもしれないと心配する人もいるようです。
エネルギー問題に関して個人的な話は控えますが、尾瀬が発電用ダム湖にならなかったように、この素晴らしい海岸が静かに存在していることに感謝です。
スナガニくんが現れました。
スナガニってかわいいんですよ~
いつもあそんでもらってます。
原発予定地から少し西に向かいます。
何かあるようです・・・
2.新樋曾山隧道
海と直接つながるトンネルがありました。
どうやら円上寺隧道と同じような放水トンネルのようです。
名前は、新樋曾山隧道。少し探検してみよう・・・
最近の雨のせいか、そこそこ流れがあります。
流れを遡りつつ、慎重にトンネルの中へ。
反対側の坑口が見えているので、そこまで行きたい気分ですが、全容がわからないのでそこそこで引き返すことにしました。
延長は約3kmだそうです。
この新樋曾山隧道、実は2代目のようです。
1代目の樋曾山隧道は1933年着手で1939年完成、20㎥/sの通水能力があったそうです。
この2代目、新樋曾山隧道は1961年着手、1968年完成で48㎥/sの通水機能があり、旧隧道の残存部分機能と合わせて59㎥/sの排水能力になったということです。
更に105.9㎥/sの通水能力がある3代目の新々樋曾山隧道が2000年に完成しており、水害の心配はほぼなくなったと思われます。立派な坑口がこの隣にありますが、現代風の排水路になっていて、このレトロ感のある新樋曾山隧道の方が見学のし甲斐があります。現在の西川ではとうてい排出できない洪水を、この樋曾山隧道群が受け持っていると言っていいでしょう。
西側の景観も素晴らしいです。
この海岸には自然のトンネルもあります。
気持ちのいい早朝のSUPを楽しみました。経済を維持しつつ再生可能エネルギーに変換していく難しさはわかっているつもりですが、自然遊びが大好きな私にとっては原発がなくてよかった・・・