首都圏の電力危機が現実的になってきました。
田子倉湖に続き、戦後の電力不足に対応するために開発された只見川電源開発を訪ねてみました。
1. 奥只見シルバーライン
すべてが電力に見えてしまう地域、それが新潟・福島・群馬の県境です。
電源開発株式会社によって1953年から始まった奥只見ダム建設、この工事用道路(奥只見シルバーライン)なしではなにもできません。電力不足の戦後経済、新潟・福島・群馬の県境は山が深く、大量の雪が降るこの地域の水資源を活用しないわけにはいかない、そのような情勢でできたのがこの1957年に完成した奥只見シルバーラインと奥只見湖なのです。
ダムが完成し1969年に新潟県に譲渡された工事用道路は、新潟県道50号線小出奥只見線となりました。
全長32.4kmの奥只見側の22.6kmが奥只見シルバーラインと呼ばれる区間で、そのうちの18.1kmがトンネルです。
1977年まで有料道路だったようです。毎年、1月下旬~4月中旬まで冬期通行止めとなります。
2.奥只見湖(銀山湖)
奥只見ダムは1960年に完成、重力式コンクリートダムで堤高は157m(日本5位)、総貯水量は6億㎥(日本2位)という巨大ダムなのです。この地域は明治時代から水力電源として注目されていたようです。田子倉湖と同じで湖面が電力に見える・・・
銀山平からSUPで細越山付近の分岐点まで漕ぐことにしました。
200名山の荒沢岳を見ながらメンツルの湖面を漕ぎだしました。
奥只見湖には無数の入り江(沢)があり、それが魅力なのです。
今日はそれを1個1個奥までつぶしていきます。
風がないメンツルの湖面は鏡になります。
1975年に開高健が「奥只見の魚を育てる会」を結成したことは有名で、湖と北の又川はイワナ・ヤマメ・ニジマス・サクラマスの宝庫ともいわれているそうです。基本的に釣りはしないので、あまり興味はないのですが、魚影の濃さはわかります。
気温は27℃くらいで空気は乾燥していて本当に気持ちのいい1日です。
入り江の日陰でお昼寝です。
雪をかぶっているのは方向的に越後駒ケ岳かな?
入り江には沢があって氷のような冷たい水が流入しています。
それが気持ちいいのです。
瀧があるともっと気持ちいい!
奥只見ダム~銀山平、奥只見ダム~尾瀬口で観光船が就航しています。
尾瀬の電源開発が中止(尾瀬がダム湖にならなくて本当に良かったと思います)になったように、日本での水力電源開発はかなり昔から止まってしまい、電源別発受電電力の割合は2010年まで減少、2014年から横ばいといったところとなっています。
2018年以降は、地熱・太陽光・風力などの新エネルギーがようやく水力発電を上回るところまできましたが、2019年度時点で水力8%、新エネルギー10%と、自然の力を使ったエネルギーはたった18%なのです。
人口減少が避けられない我が国日本、無理に経済規模を維持する発想を変えてもいいんじゃない・・・