1.姫路城と姫路駅
駅をバックにした景観に限定すると、今までこれ以上の景観に出会ったことがありません。
この姫路駅と姫路城を結ぶ大手前通りですが、国土交通省の歩行者利便増進道路制度、通称「ほこみち」制度の第一号に指定されました。
簡単に言うと、これほどの景観があるのですから、歩いて楽しい道にしようよ！という制度です。
そんな姫路に期待を込めて、生まれ故郷の姫路駅周辺の変化をみていきましょう。
2. 昭和の姫路駅前（昭和35年～昭和45年祖父が撮影）
1888年、明治21年開業の姫路駅。
他の城下町と比較して、戦後に出来た大手前通りを挟んで姫路城の真正面に設置されたことは奇跡だと思っています。
江戸時代から明治中期までは、大手前通りの1筋西側の中之門筋が、1903年（明治36年）以降は現在の大手前通りの1筋東側の御幸通がメインストリートだったようです。意外でした・・・
姫路のシンボルロードである大手前通り、戦後の戦災復興土地区画整理事業の目玉事業として、姫路城と姫路駅を結ぶ道路（国府寺小路）の拡幅が姫路市都市計画街路として計画され、1949年（昭和24年）9月に着工、1955年に完成しました。
姫路駅は1888年山陽鉄道によって設置され、1894年播但鉄道（播但線）、1930年姫新線が開業しました。1958年に電化、1972年に新幹線が開業したのですが、高架化は遅れていました。
祖父が撮影した1960年頃は、姫路駅で電気機関車から蒸気機関車への付け替えが行われていたようです。
姫路駅デパートが入った姫路駅ビルは1959年（昭和34年）に完成したようです。
祖父によく連れて行ってもらい、屋上の遊園地で遊んだ記憶が残っています。
私が2歳の時、1966年（昭和41年）に 姫路市営モノレールが開業しましたが、1974年に休止となってしまいました。延長1.6ｋｍと遊園地の乗り物的な感じ（高額運賃）だったので、廃止は当然という感じでした。せめて姫路城まで伸びていたら・・・
幼少期から20歳まで見てきた景観です。右側のOS劇場でよく「ゴジラ」を見てました。
妹が務めていた山陽百貨店、ヤマトヤシキはなくなりましたが、まだ頑張っています。
姫路駅前はバスとタクシーであふれかえっており、歩行者にとっては使いずらい駅前だったという印象です。
2. 平成の姫路駅前（高架事業前）
20歳になって姫路を離れ、そして平成になりJR西日本になった後の姫路駅です。
まだ、ヤマトヤシキやダイエーもありました。
平成元年から高架化事業が始まりましたが、なｋなか進まず完成はいつになるのか想像もつかなかったことを覚えています。
阪神淡路大震災のあった1995年（平成7年）から、高架化工事が本格的に開始されました。
2008年（平成19年）、播但線・姫新線の一部の高架化が完成、高架下にショッピングセンター「プリエ姫路」がオープン、2011年にプリエ姫路の別館「プリエごちそう館」と「プリエおみやげ館」そして「ピオレ姫路」がオープンしました。2013年（平成25年）には地下街がリニューアルし、「グランフェスタ」として2年ぶりに再開、また新駅ビル「ピオレ姫路」がグランドオープン、「プリエ」も「ピオレ」に名称が統一されました。
そして2015年（平成27年） 、バスターミナルが完成して姫路駅前の整備が完了しました。しかし、駅前は完成しましたが、まだまだ東側の操作場・貨物駅跡地の再開発は続いています。
3. 令和の姫路駅前
2021年に完成した姫路市文化コンベンションセンター「アクリエひめじ」と30年近い年月を経てトランジットモール化され完成した令和の姫路駅前を見ていきましょう。
まずは、姫路城が一望できるキャッスルビュー。ちょっと間抜けな感じもしますが・・・
大手前通りを挟んで姫路城と駅が正対する立地を活かし、鉄と木を組み合わせることで姫路城の門をイメージするなど「姫路らしい」玄関口となっています。（姫路市HPより）
いよいよ始まる、国土交通省の「ほこみち」制度。
道路空間の活用を促す制度として2020年5月に新設されました。
姫路市は2021年2月、JR姫路駅と姫路城の間を結ぶ大手前通りで指定を受け、エリア価値向上へ動き出しました。大手前通りの現状と課題を整理し、単なる通りではなく、楽しみながらそぞろ歩きできる滞留空間にするため、事業を推進しているということです。
トランジットモール化された駅前、この整備は全国的に注目されています。
姫路の駅前は、世界遺産・国宝姫路城を擁する城下町にふさわしく、「城を望み、時を感じ人が交流するおもてなし広場」というデザインコンセプトの下、国内最大級の駅前広場へと生まれ変わりました。広場は、再整備する大手前通り（十二所前線以南）や隣接する西側の街区を加えると、整備前の約5倍の面積（約3万㎡）になります。（姫路市HPより）
地下街もオシャレになりました。
広い空間が確保されました。
駅ビル跡地に整備されたキャッスルガーデン。
新駅ビルの地下階や改装される駅地下商店街を結びます。石垣などのデザインを施すことで姫路城外濠をイメージし、周辺にはオープンカフェやイベントに活用できる広場を整備することで、水と緑にあふれた憩いの場となりました。（姫路市HPより）
最近流行の駅前ペデストリアンデッキとは異なる連絡デッキが整備されています。
キャッスルビューを経由して、JR新駅ビルと山陽電鉄姫路駅・キャスパ間を結びます。屋根付きなので天候に左右されることなく、スムーズな移動が可能となります。また、途中にエレベーターを設置し、全ての人に優しいユニバーサルデザインの実現を図ります。（姫路市HPより）
この曲線がいいですね～
山陽百貨店に突き刺すように存在した頭端式のバスターミナルがなくなり、新しいバスターミナルができていました。この付近がトランジットモール化されたため、ターミナル内のバスの動きは非常にスムーズになっています。
ゴチャゴチャしていた駅西がスマートになりました。
大手前通りに来ました。
歩行空間（なんと16ｍ）が広くなりました。
「歩いて楽しい、大好きなお城への道」をコンセプト整備されました。今後の展開に期待です。
トランジットモール化されたので、歩行者も自由？？？
少し東側に行くと、昭和の姫路駅が・・・
とにかく歩道が広い！
アクリエ姫路まで、屋根付きの歩行空間がほぼ確保されています。
道路の拡幅事業はまだまだ続きそうです。
テラッソの歩行空間です。
アクリエひめじまで延々と続く歩行空間、すばらしいです。
ここまで長いペデストリアンデッキはあまりないのではないでしょうか。
姫路市文化コンベンションセンター「アクリエひめじ」。
「姫路市都心部まちづくり構想」及び「キャスティ21整備プログラム」の主要施設となっています。
ついにできたか～姫路に・・・って感じです。
